組織を支える“事務職”の育成機会をつくる
~研修を通じて広がった役割理解と組織のつながり~

住商メタルワン鋼管株式会社様
※写真左から 住商メタルワン鋼管株式会社 業務本部 人事総務グループ 総務チーム 兼 人事企画チーム 小野 佑花子様 住商メタルワン鋼管株式会社 業務本部 人事総務グループ 人事企画チーム 樋口 紗英様 株式会社NEWONE 組織・人材開発事業部 HRパートナー 青木 美奈
会社名
住商メタルワン鋼管株式会社
https://www.mosctp.co.jp/
業界
商社・卸売
従業員規模
200~999名
対象範囲
若手社員
中堅社員

事例概要

課題
  • 事務職向けの研修機会がほとんどなく、役割や期待を改めて整理する機会が不足していた。日常業務に追われ、自身の成長や組織への関わりを見つめ直す機会が少ない状況だった。
  • 事務職同士は他部署との交流が少なく、他拠点の取り組みや考え方を知る機会が限られていたため、視野が広がりにくい環境になっていた。
  • 中期事業計画の浸透度調査では、事務職の参画意識が相対的に低い傾向があり、組織の方向性と自身の業務のつながりを実感しにくい状況があった。
効果
  • 経験の振り返りや役割理解を通じて、自身の強みや組織への影響力を再認識する機会となり、仕事への向き合い方や組織への参画意識の向上につながった。
  • 他部署の事務職と経験や悩みを共有することで新たな気づきや刺激を得られ、研修後も交流が生まれるなど、横のつながりが広がるきっかけとなった。
  • 上司からの手紙やコメントを通じて期待を実感し、受講者のモチベーション向上につながったほか、上司が育成に関わる意識も組織内で高まり始めている。
実績

サービス

事務職研修
※上記はこちらこちらの内容をカスタマイズしています

対象

事務職3級(約100名)
事務職2級、1級(約100名)

実施概要

事務職の育成機会が少ないという課題を背景に、等級別の事務職研修を初めて実施。役割理解と経験の振り返り、部署を越えた交流を通じてエンゲージメントを高め、組織への参画意識の醸成につなげている。

担当者の
こだわり
住商メタルワン鋼管様と、はじめてとなる事務職向け研修設計を一緒に進める中で大切にしたのは、受け止められやすいテーマや全体の設計にこだわることです。樋口様、小野様をはじめとするご担当の皆様とのお打ち合わせを重ねていく中で、受講いただく皆様はどんな方々で、何に困っていて、どんな場づくりをすれば行動変容につながるか、ディスカッションを重ねながら設計を進めました。対象者数も多かったため、複数回・オンラインと対面で実施をしたため、開催回ごとの受講者の特徴や傾向に合わせて、講師からのかかわりやメッセージングをチューニングしながら進めました。
今後も、住商メタルワン鋼管様の「人材の成長支援」に伴走させていただければ幸いです。

― 今回、事務職の方を対象に研修を実施しようと思った背景や理由について教えてください。

樋口様: 背景として大きかったのは、当社の中期事業計画の中で「人材の成長支援」を重要なテーマとして掲げていたことです。2019年の会社統合以降、制度設計の充実を最優先に取り組んできたこともあり、社員研修については旧来の研修体系を持ち越してきました。
制度設計に一定の目途が立った段階で、人事として改めて研修体系を見直し、社員一人ひとりの成長を会社全体でより力強く支援していくことが重要であると考えました。
まずは管理職研修を2022・2023年度に実施し、その次の対象として今回の事務職研修を企画しました。総合職よりも先に事務職からスタートした理由としては、事務職が組織にとって非常に重要な存在であると考えているためです。総合職は全国転勤などを通じてさまざまな組織を経験していきますが、事務職の方々は各拠点で長く働き、組織を支える“要”のような役割を担ってくださっています。そうした重要な人材をしっかりフォローしていきたいという想いがありました。

また、2025年度には当社のサステナビリティポリシーを制定し、その中でも「人的資本を最も重要な経営資源と捉えること」「社員の成長や活躍を支える仕組みづくりに取り組むこと」を明確に掲げました。こうした方針もあり、人材の成長支援により力を入れていく取り組みの一環として、事務職研修を実施しました。
研修の設計にあたっては、事務職の等級ごとに課題感が異なる点も意識しました。3級は経験豊富な方が多く、経験や知識を生かして組織に貢献頂いている一方で、モチベーションの維持といった課題を感じていました。一方で2級・1級の層については、日々の業務に活かせるヒントを増やしてもらうことを重視しました。
いずれの層においても、これまで研修の機会がほとんどなかったため、まずは多くの事務職の方々が一堂に会し、普段は接点の少ない他拠点のメンバーと交流することで、安心感や業務のヒントを得られる場にしたいという想いがあり、今回の研修を実施しました。

役割と影響力を理解し、組織への参画意識を高める

― 本研修によって、受講者がどうなることを期待していましたか?

樋口様:等級ごとに期待するゴールは少し異なりますが、共通していたのは「自分の役割や影響力を自覚し、組織への関わり方を前向きに捉えてほしい」という点でした。
共通したゴールを設定した背景は、中期事業計画の浸透度に関する社内アンケートで、事務職の皆さんの理解や関与の実感がやや低いという結果もありました。そのため、自分の仕事が会社や組織とどうつながっているのかを意識し、「組織の一員として参画している」という感覚を持ってもらうことも大きな狙いでした。
加えて、事務職の方々は拠点ごとに働くことが多く、他拠点との交流がほとんどないという状況もありました。そこで、研修の中で他拠点のメンバーと交流し、お互いの業務を知ったりヒントを得たりする機会をつくることも大切にしました。

3級の方々は、これまでの経験や知識を多く持ち、職場への影響力も大きい存在です。そうした強みを改めて自覚し、会社から期待されている役割を理解したうえで、これまでの経験を活かしながら組織づくりにも貢献していこうという前向きなマインドを持ってほしいと考えていました。3級向けの研修では、コミュニケーションの取り方も要素に盛り込んでいただきました。経験豊富な事務職の方が新人に仕事を教えたり、異動してきた総合職へ引き継ぎを行ったりする場面も多いので、チーム内でより円滑にコミュニケーションが取れるヒントを持ち帰ってもらえたらという想いもありました。
一方、2級・1級の方々には、事務職として自分にどのような期待が寄せられているのかを改めて認識し、それを自分の言葉で整理しながら日々の業務との向き合い方を見つめ直してほしいという目的を置いていました。

経験の振り返りと他部署交流が、新たな気づきと学びにつながった

― 本研修を実施してみた率直なご感想や、感じられた効果があれば教えてください。

小野様:今回、受講者としても研修に参加したのですが、これまで日々の業務に追われる中で整理できていなかった自分自身の業務経験を振り返ることで「今の自分の糧になっている」ことを実感できましたし、ディスカッションを通じて他の方がどんな経験をしてきたのかを知ることもできました。同じ会社でも部署によって業務内容が大きく異なるので、部署の垣根を越えて、お互いを知る良い学びの機会だったと感じています。
また、等級定義についても、研修で時間を取って考え、他部署の方とディスカッションすることで理解が深まったと思います。3級の研修では上司や同僚・後輩から手紙をもらう事前課題を通して、自分をしっかり見てくれていることや期待されていることを感じられたという声も多くありました。
さらに、他部署の事務職の方と交流できたことも大きな収穫でした。普段は挨拶程度しか関わりのない方とも、同じ立場として悩みや経験を共有することができ、「他の部署にも同じように頑張っている人がいる」と感じられたのは心強かったです。研修後に他部署の方とランチに行くなど、横のつながりが生まれているという話も聞き、そうした意味でも良い機会になったと感じています。

樋口様:横の交流が生まれたことは大きな成果だったと感じています。アンケートでも「他の人の話を聞いて刺激を受けた」「他の部署の工夫を知ることができて参考になった」といった声が多くあり、事務職同士で業務の工夫や悩みを共有できる場になったことは良かったと思っています。
また、2級・1級の研修ではDXのテーマも取り上げ、社内のDX担当部署にも協力してもらいました。DXへの取り組み状況には個人差がありましたが、研修の中での会話を通じて「自分もやってみよう」と思うきっかけになった方もいましたし、実際に「こういうことをやってみたい」といった具体的な意見も出てきており、それをDX担当部署に共有するなど、実務にもつながる動きが生まれました。
一方で、研修の場ではモチベーションが高まっても、現場に戻ると日々の業務に追われてしまう部分もあると思います。だからこそ、このような機会を一度きりではなく、今後も継続的に設けていくことが大切だと感じました。研修に限らず、事務職同士が集まり情報交換できるような場も含めて、今後も検討していきたいと考えています。

上司の関わりをきっかけに、育成意識と行動の変化が生まれた

― 受講者や組織の変化など、印象に残っているエピソードがあればお聞かせください。

樋口様:今回3級の研修では、上司や周囲の方から受講者に向けて「手紙」を書いてもらう取り組みを行いました。この手紙に涙ぐむ受講者もいました。これまで当社では、研修に行く際も「行ってらっしゃい」と送り出すだけで、上司が直接関わる機会はあまりありませんでした。今回、上司にも関わってもらう形にしたことで、受講者に対する期待や育成に対する意識が、組織の中で少しずつ高まってきていると感じています。
実際にその後実施した主任研修でも、同じように上司が関わる形で課題に取り組んでもらいましたが、こうした取り組みが自然に受け入れられるようになってきており、事務職研修が一つのきっかけになったのではないかと思っています。今後も、上司が若手や部下に対して期待を伝えたり、アドバイスをしたりする関わり方が広がっていくと良いと感じています。

小野様:研修の中で印象に残っているのは、「相手を変えることは難しいけれど、自分の行動は変えられる」という考え方です。仕事や私生活でも、つい相手の行動に目が向いてしまうこともありますが、まずは自分の関わり方を変えることが大切だという話はとても納得感がありました。
また、「氷山の一角」という例えで、目に見えている行動だけで判断するのではなく、その背景にある見えない部分にも思いを巡らせることで、相手とのコミュニケーションがより円滑になるという話は、多くの受講者の印象に残っていたようです。
さらに、講師の方がお話しされていた「周囲に与える影響力」の話も記憶に残っています。前向きでポジティブな姿勢は周囲に伝わっていくという話を聞き、実際にその言葉を日常の中で思い出して話している社員もいました。このように研修の内容が受講者の記憶に残っているのは嬉しいですし、共感いただける内容だったのかなと思います。

エンゲージメントを軸にした伴走型の研修設計

― 今回、NEWONEにお任せ頂いた理由や決め手、また一緒にやってみた印象について教えてください。

樋口様:きっかけは、NEWONEさんが担っていた当社グループ会社の事務職研修を見学させていただいたことでした。内容がとても良いと感じたことから、「当社でも事務職研修を実施したい」と思い、ご相談させていただきました。
決め手として大きかったのは、今回の研修で重視していた「事務職のモチベーションや意識を高める」という目的と、NEWONEさんが強みとされているエンゲージメント向上の考え方が非常にマッチしていると感じたことです。実際に研修を見た中でも、その点を強く感じました。
また、一緒に進める中では、企画前のヒアリングの段階から非常に丁寧に話を聞いていただいたことが印象的でした。当社の状況や課題について様々なお話をする中で、それを整理しながら「どこに課題を置くべきか」「研修のゴールをどう設定するか」といった点を的確に言語化していただき、非常に進めやすいと感じました。
3級、2級・1級それぞれの研修で目的やゴールをしっかり設計していただき、大変助かったと感じています。今後もぜひ一緒に取り組ませていただきたいと思っています。

― 本研修は、どのような組織にお勧めしたいですか?

樋口様:当社の場合、これまで事務職向けの研修をほとんど実施しておらず、今回が初めての取り組みという位置づけでした。そのため、同じように事務職の方々に対して研修の機会をあまり設けられていない企業には、特におすすめできると思います。初めて研修を受ける方にとっても、自分の役割やこれまでの経験を振り返る良い機会になり、モチベーション向上にもつながるのではないかと感じています。
また、当社ではオンライン研修にも不安があり、Zoomを初めて使う社員も多い状況でしたが、講師の方や事務局の皆さんに丁寧にフォローしていただき、非常にスムーズに進めることができました。そうしたサポート体制も含めて、安心して実施できる研修だと感じています。

施策を通じて、「この会社で働き続けたい」と思えるきっかけをつくる

― 今後、取り組んでいきたいことや注力していきたいことについて教えてください。

樋口様:今回は初めての研修ということもあり、等級定義や期待役割の理解など、比較的広いテーマを中心に実施しましたが、今後はよりテーマを絞った研修や、受講者同士で企画や提案を行うようなプロジェクト型の取り組みなども検討していきたいと思っています。
さらに、DXの取り組みとも連携しながら、人材育成を進めていくことも重要だと感じています。人事だけでなくDX部門などとも協力しながら、会社全体として人材育成を強化していきたいと考えています。今年度は課長代理向けの研修を実施する予定で、これで一通りの階層研修が揃うことになりますので、その次のステップとして、各研修のアンケート結果も踏まえ、より実践的な育成施策を検討していきたいと思っています。

小野様:今後は、役職に就く前の若手層への研修も重要だと感じています。役職がつくと責任感も高まりますが、役職に就く前の段階では、自分に何が期待されているのかが見えにくく、目の前の業務だけに意識が向いてしまうこともあると思います。
また、数は少ないものの入社後数年で離職してしまうケースもあるため、早い段階から会社や仕事に前向きに向き合えるような機会をつくることが大切だと感じています。研修を通じてエンゲージメントを高めたり、会社の取り組みを知ってもらったりすることで、「この会社で働き続けたい」と思えるようなきっかけをつくっていけると良いのではないかと考えています。

― 本日はお忙しい中、貴重なお話をありがとうございました。今後とも何卒よろしくお願いします。

◆プログラム概要

◆受講者アンケート(一部抜粋)

  • 自分が周囲に与えている影響が良くも悪くも、自分が思っている以上に伝わっていると気づいた。今日研修で学んだ相手に伝える技術を取り入れながら、周りの人とのコミュニケーションを円滑にし会社の売上に貢献できればと思う。
  • いかにチーム全体を円滑に稼働させることができるか、いい雰囲気作りができるかが事務職3級の働きによって大きく影響してくる立場にあるということを改めて感じました。
  • 今迄の経験から自分の強みや弱みを再確認し、今後期待されている部分にどういかしていくか考えるいい機会になった。また、同じ様な問題点を抱えてる方々が多くいて意見交換出来たので今後改善していく為に私達が出来る事から始めてみたい。
  • 上司や同僚からの手紙は、普段自分がやってきたことが報われた、と思う事が出来ましたし、今後のモチベーションにもなりました。ペアワークでお相手の方から頂いた自分の評価が、自信につながると思いました。
  • 氷山モデルの考え方にはとても納得しました。目に見える部分だけを捉えがちですが、目に見えない感情や思考も掘り下げて考えられれば良い関係性がたもてる気がしました。
  • 等級定義や関係者マップをもとに周囲からの期待役割を考えることで、自身の存在意義ややるべきことがよりはっきりした。また他本部の事務職と話す中で、同じ立場の仲間がいることを心強く感じた。
  • 普段関わることのない部署の方々との交流ができ、仕事内容は異なるが同じような問題や悩みがあることが判り安心した。
  • 自分の業務を改めて分析することで、自分の強みや弱みが見えた。また他部署の方と仕事の向き合い方や工夫を共有し合い、お互い高め合える機会になった。
  • DXは単なるシステム導入ではなく、業務の流れや働き方そのものを見直す取り組みであるというメッセージが印象に残りました。
  • 他人は変えられないので自分を変えるしかないという話が印象に残った。

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