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理念は理解されているのに、なぜ現場で語られないのか ― 理念が日常会話になる組織の共通点 ―

理念は理解されているのに、なぜ現場で語られないのか ― 理念が日常会話になる組織の共通点 ―

江守 舞

著者

江守 舞

著者

江守 舞

株式会社NEWONEに新卒入社。研修をメインとして、人材育成・組織開発のHRパートナーとして従事。新入社員・若手から管理職まで幅広い階層を支援している。

理念はメンバーに示したのに、現場での実践につながらない。
そうした掲げた理念が現場まで浸透せず悩んでいる方に向けて、理念が日常会話になるまでに生じるハードルとそれらを乗り越える方法をご紹介します。

本記事は、以下の課題を持つ人事・管理職の方におすすめです。

・理念が浸透しているとはどういう状態なのか知りたい
・施策は打っているがうまくいかない
・経営方針や理念を社員にジブンゴト化させたい

※本内容は、2026年10月2日実施セミナー「理念は理解されているのに、なぜ現場で語られないのか― 理念が日常会話になる組織の共通点 ―」の内容をまとめたものです

理念が必要な理由

そもそも組織において理念はなぜ必要で、日々どのような役割を果たしているのでしょうか?

理念は社内外におけるその組織を表す指標の役割を果たします。
理念があることによって日々ブレずに社会へ向けて価値提供を行っていくことができます。

特に昨今は変化の激しい時代において、組織の指標をもち、運営していく重要性が増しています。
経営からのメッセージやワークショップなど理念を浸透させる手段は増える一方で、理解・共感だけでは現場の行動に結びつかないところに難しさがあります。

理念浸透の難しさ

では理念を浸透させ、日々の行動を変えるにはどのようなハードルがあるのでしょうか?

主なハードルとして、以下2つが挙げられます。

1つは理念と日常行動に距離があるパターンです。
理念の意味が理解できているが、自分の仕事でどのように実践していけばよいか、イメージが湧かない場合、理解にとどまり、日々の行動に結びつきにくくなる場合があります。

2つ目は理念と現実の葛藤です。
理念と現場の状況を照らし合わせる中で、葛藤が生じる場合があります。
そうした葛藤について、お互いがどのようなことを考えているのか対話が行われていない時、理想論が掲げられたまま、放置されてしまうケースがあります。

ではそれぞれの課題に対してどのようなステップで考えればよいのでしょうか?

理念浸透を日々の行動につなげる3ステップ

理念浸透を日々の行動につなげる3ステップ

理念を日々の行動につなげるためには、以下の3ステップに分けて考えることができます。
今回は従業員1人1人ができることに焦点をあてて、ご紹介をいたします。

ステップ①理念と個人の価値観の共通項を見つける

日々の出来事・経験を理念と照らし合わせ、理念に共感できる部分を探します。
抽象的な物事で考えるとイメージの湧かないことでも、具体的な経験と紐づけると「一部はつながっているかも」と理念に対して親近感を感じることができます。

全部は難しくとも日々の行動を思い返し、共通項を見つけることで、遠く感じる理念をより身近に感じることができます。

ステップ②対話をする

理念は人によってそれぞれ解釈は異なります。

そこで、理念に対して個人が思ったことをすり合わせる場を設けることが重要です。
対話の場では理念と現実のはざまで起きる「とはいえ」の感情や、自分としてはこう思う、といった持論などを共有します。
多様な解釈を知ることで、多様な考え方に触れることで、組織を見る視野が広がり、行動の選択肢や課題解決の糸口が見つかります。

また話し合いの場では、“1つの正解を見つけよう”とする意識ではなく“多様な解釈を知り、できそうなところから日々の行動に取り入れよう”とする心持ちを持つと理念の理解が実践へ結びつきやすくなります。

ステップ③自分の仕事に意味づけをする

理念を日々の行動に落とす際、理想と現実の距離を感じると、ピンとこなかったり、きれいごとに聞こえてしまったりする瞬間もあるかと思います。

そうした時に無理に正しく理念を理解し、行動に移そうとしても継続することは難しくなります。
そのため、自分が実現可能な範囲から小さく実践できないか、模索していくことが重要です。

例えば管理職の方であれば、日々のメンバーのかかわりから接し方を見直してみる
メンバーの方であれば、他者と話すことで解決できることを探したり、自分の仕事で創意工夫できるところがないかを探したりできます。

各々の立場から組織を見た際に、理念との共通項を探して対話し、日々に無理なく取り入れられそうなところから小さく意識・実践していくことが理念浸透の一歩につながります。

登壇者の声

理念は作って終わりではなく、その後の浸透こそが本番です。

正直なところ、現場の社員にとって理念は遠く、なくても仕事は回るものに見えるかもしれません。
だからこそ、浸透には時間がかかるという前提に立ち、日々の会話の中にいつの間にか根付いている状態を目指して、継続的に働きかけることが大切です。

そして理念は、管理職の方にとって組織の一体感を生み、メンバーのエンゲージメントや働きがいを高める武器になります。理念があるからこそできるマネジメントを、ぜひ実践していただきたいです。

まとめ

理念は、社内外に組織の姿勢を示し、日々の判断や価値提供の軸となるものです。

一方、理解や共感だけでは行動にはつながりません。理念と日常業務の距離や、理想と現実のハードルを乗り越えるには、①自身の経験や価値観との共通項を見つける、②葛藤も含めて周囲と対話する、③自分の仕事で実践できる範囲に意味づけする、という3つのステップが重要です。

無理に正解を求めず、それぞれの立場から小さな実践を重ね、理念を日常の会話と行動に変えていくことが浸透の第一歩です。

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