事例概要
- 課題
- 新パーパス・バリューのもと、従業員が情熱をもってワクワクしながら変革に取り組める組織風土を醸成したい
- 従業員一人ひとりが各自のパーパスを考えることで(パーパス・カービング)、事業のパーパスや戦略を自分事として引き寄せられる、活気ある組織を目指したい
- 効果
- パーパス・バリューを自分の価値観や業務と結びつけて捉え直すことで、行動につながる意識変化が生まれた
- 対話を通じて価値観の違いを理解し合い、相互理解と組織の一体感が高まった
- ワークショップを起点に、現場主導でパーパス浸透の取り組みが広がり始めた
- 実績
サービス
パーパスリンクワークショップ
※上記はこちらのサービスをカスタマイズしています対象
パーソナル・アンド・ホーム事業の全社員
実施概要
パーソナル・アンド・ホーム事業における中長期戦略の見直しに伴い新たに策定したパーパス・バリューの自分事化をテーマとして、事業の全社員を対象に「パーパスリンクワークショップ」を実施。対話を通じてパーパスを自分事として捉え、日々の業務や行動につなげることを狙いとした。
- 担当者の
こだわり -
パーパス・バリューや理念は、階層別研修のように「正解となる知識や考え方をインプットする」テーマではなく、一人ひとりがどのように解釈し、どんな意味づけで仕事や変革と向き合うかが何より重要だと考えています。 そのため本ワークショップでは、理念を説明することよりも、自分自身と向き合い、言葉にし、他者と対話するプロセスを大切に設計しました。 また、全階層を対象とした取り組みであることから、立場や役割に応じて場づくりを変えることにもこだわりました。 管理職向けには、パーパス・バリューを実践していく上での課題に目を向け、どのような職場づくりや関わり方が求められるのかを考える対話を中心に設計しました。 一方、一般職向けには、楽しんでワークショップに参加できるよう、ゲーム形式のアクティビティを取り入れるなど、パーパス・バリューを身近に感じられる場づくりを意識しました。
- 担当者
― 今回、パーソナル・アンド・ホーム事業(P&H事業)の全社員を対象にワークショップを実施するに至った背景、経緯について教えてください。
髙木様:数年前から、P&H事業では中長期戦略の見直しに取り組んできました。私どもの事業は、家庭用ミシン等を開発・生産して販売する売り切り型のビジネスモデルから、作品づくり支援モバイルアプリを活用したサービスを中心に、お客様のLTV向上を図っていくコト売りのビジネスモデルへ転換しようとしています。そこで、事業変革をより力強く推進していくために、パーパス・バリュー(理念)の刷新も行いました。私自身も、その策定メンバーとして関わり、事業が置かれている現状や課題、今後の展望を踏まえながら、議論を重ねて理念に落とし込んでいきました。そうした経緯もあり、新しいパーパス・バリューには個人的にも強い思い入れがあります。
一方で、現場を見渡すと、新たな戦略や業務プロセスといった「上から降りてくる変化」に対して、戸惑いを感じている社員が一定数いるのではないか、という課題意識も持っていました。
本来、現場もトップも「より良いものをお客様に届けたい」という想いは共通しているはずです。にもかかわらず、その想いがうまく噛み合わず、同じ方向を向いて進めていないと感じる場面がありました。そこで、改めてパーパス・バリューを事業全体に浸透させることで、共通の軸を持ち、一体感を持って変革に向かえる状態をつくりたいと考え、今回のワークショップを企画しました。
パーパスを“自分事に捉えられる”ことで、行動に変化が起きる
― パーパス・バリューのワークショップを通じて、メンバーや組織がどうなることを期待していましたか?
髙木様: ワークショップのゴールとして設定していたのは、パーパス・バリューを「理解する」だけでなく、各メンバーがそれを「自分事として捉えられている状態になる」ことでした。そのうえで、事業の変革に向けて、一人ひとりが具体的な行動変化を起こせるようになることを期待しました。
単に理念を説明したり、言葉を覚えたりするだけでは、行動にはつながりません。そこで今回は、「パーパス・カービング」という自分自身の想いや経験を起点に、対話を通じて自分の価値観を掘り下げていく手法を選びました。パーパスを自分自身の価値観や日々の仕事と重ね合わせることで、「なぜこの変革に向き合うのか」「自分はどんな意味づけで関わるのか」を言語化できる状態を目指しました。
相互理解を深め、組織の一体感を高める機会になった
― 本ワークショップを実施してみた率直なご感想や、感じられた効果があれば教えてください。
髙木様:率直な感想としては、実施して本当によかったという想いが強いです。ワークショップ後にアンケートを実施したのですが、回答の多くが非常にポジティブな内容でした。
具体的には、「自分の価値観とパーパス・バリューがつながっていることが理解できた」という声が多く寄せられていました。それに加えて、「部門間のコミュニケーションをより強化していきたい」「前例にとらわれず、新たな提案に挑戦したい」「製品に触れる機会を増やし、これまで以上にユーザー視点を大切にしていきたい」といった、今後の行動につながる前向きなコメントも数多く見られました。
こうした声から、今回のワークショップは、単に理念を理解する場にとどまらず、参加者自身の価値観や想いを見つめ直す自己理解の機会になったと感じています。同時に、チームメンバー同士がお互いの考えや大切にしていることを知る相互理解の場にもなり、組織としての一体感を高めるきっかけになったのではないかと思います。
また、ワークショップでは、部門を越えた4人グループで対話を行いましたが、その中で「このメンバーで、また話したい」という声が上がったグループもありました。異動してきたばかりの社員からは「これまであまり話す機会がなかった人たちと、今回初めてじっくり話すことができてよかった。」といった感想も寄せられました。パーパスをテーマにした対話をきっかけに、部門を超えた新たなつながりが生まれたことは、組織にとって大きな副次的効果だったと感じています。

ワークショップで終わらず、日常に対話が広がり始めた
― メンバーや組織の変化など、何か印象に残っているエピソードがあればお聞かせください。
大島様:メンバー一人ひとりが自分の価値観を再認識し、パーパス・バリューとのつながりに気づいていったことが印象に残っています。それと同時に、「価値観の違い」があること自体を、改めて実感する機会にもなったと感じています。前提となる価値観がずれていると、物事がうまく進まないのは当たり前ですが、頭では分かっていても、それを体感できたことは大きかったと思います。
ワークショップでは価値観を共有するためにバリューズカードを活用しましたが、これに興味を持ち、「ぜひ自分のチームでもやってみたい」という声が複数あがりました。実際にカードを購入し、チーム単位での対話や、1on1でのコミュニケーションに活用され始めています。ワークショップで終わるのではなく、日常の対話の中に広がっている点は、非常に良い変化だと感じています。
また、浸透度合いにはまだ濃淡があるものの、「マネジャーが、日常の中でバリューのキーワードを積極的に使っている」といった声も聞いています。さらに、あるグループでは「自分たちのグループのパーパスをつくりたい」という声があがり、メンバー全員で半日かけてパーパスを考える場を設ける動きも出ています。自分たちのグループの未来をメンバーの皆と一緒に考えたいと思われたようで、進め方について相談をもらっているところです。
こうしたエピソードから、パーパス・バリューを“与えられたもの”として受け取るのではなく、「自分たちに合った形でどう落とし込むか」を、マネジメント層を中心に主体的に考えてもらえるようになってきたことは、とてもうれしい変化だと感じています。
トップの後押しと、継続して対話を重ねていくこと
― パーパス・バリューを浸透していくにあたって、何が一番重要なポイントだと思われましたか?
髙木様:一番重要だと感じたのは、多様な視点を持つメンバー同士で対話を重ねていくことです。パーパス・バリュー浸透の目的は、言葉を暗唱できるようになることではありません。組織としてベクトルを揃え、同じ方向を目指して進んでいくことで、最終的に成果を最大化していくことにあると考えています。
そのためには、パーパス・バリューを「与えられた言葉」として受け取るのではなく、一人ひとりが自分なりの言葉で解釈し、それをお互いに伝え合うことが欠かせません。そうした対話を重ねることで、考え方の違いや共通点に気づき、理解が深まっていくと感じています。
パーパス・バリューを一つのテーマとして、組織内で継続的に対話を行っていくことで、新たな気づきが生まれるだけでなく、関係性の構築にもつながります。結果として、それが組織として目指すゴール、ひいては事業の業績にも良い影響を与えていくのではないかと考えています。
大島様:髙木がお伝えしたことに加えて、重要だと感じたポイントは、大きく二つあります。一つ目は、「トップの強い後押しや支援があること」です。
今回の取り組みでは、パーパス・バリューを刷新し、そこから変革へ向かっていくというトップの明確な意思がありました。その強い想いがあるからこそ、現場としても「このパーパス・バリューを理解し、自分事として捉えていくことが求められている」と受け止めやすくなったと感じています。トップが本気で変革を望んでいることが伝わることで、メンバーの向き合い方も大きく変わるのではないでしょうか。
二つ目は、「継続して取り組み続けること」です。どうしても一度研修やワークショップを受けると、“わかったつもり”になってしまいがちですが、それだけでは十分とは言えません。今回のパーパス・バリューも、まだ始まったばかりのものです。
だからこそ、ワークショップを実施して終わりにするのではなく、振り返りの機会を設けたり、来年度以降も継続的に理解を深めていく場をつくったりしていきたいと考えています。パーパス・バリューは一度浸透させて完了するものではなく、対話と実践を通じて、少しずつ組織に根付かせていくものだと感じています。
立場に関係なく、同じ事業の仲間として関わり続ける
― パーパス・バリューの浸透には、現場を巻き込んで信頼関係を築いていくことが必要ですが、貴社ではそこがとてもうまくいっていると感じています。何か秘訣があれば教えてください。
大島様:そう感じていただけたのであれば、とてもありがたいです。正直なところ、自分たちが特別なことをしているという感覚はありませんが、事業の人材育成担当として、現場との垣根を強く意識したことはあまりないかもしれません。
一つ背景としてあるのは、物理的な環境です。事業の規模がそれほど大きくなく、全員が同じフロアで働いているため、日常的に顔を合わせる関係性があります。そうした環境は、心理的な距離を縮めるうえで大きな要素になっていると感じています。
加えて、日頃から意識しているのは、立場に関係なく、できるだけ多くの人とつながりを持つことです。経営層や管理職だけでなく、一般職のメンバーとも、同僚として自然に関わるようにしています。自分が何かを「教える立場」だとは考えておらず、困っていることや悩みがあれば声をかけ、話を聞く。その積み重ねを大切にしてきました。
そうした関わりを続けているうちに、「こんなことで困っている」「こういうことを一緒に考えてほしい」といった相談を受けるようになり、少しずつ信頼関係が築かれていったのだと思います。この関係性が、パーパス・バリュー浸透を進めるうえでの土台になっているのかもしれません。
自社に合った提案と実績から、信頼と安心感を持ってお任せできた
― 今回、NEWONEにお任せ頂いた理由、決め手について教えてください。
大島様:NEWONEさんにお願いしようと思った理由の一つは、理念浸透やパーパスをテーマにした研修実績が豊富だったことです。加えて、検討段階から何度も打ち合わせを重ねる中で、こちらの要望や背景を非常に丁寧にヒアリングしていただき、寄り添った提案をしてもらえた点も大きな決め手になりました。
実際には、他社とも比較検討を行っていましたが、その中でもNEWONEさんは提案内容の柔軟さとレスポンスも迅速であったと感じています。やり取りを重ねる中で、「このパートナーであれば信頼して任せられる」と思える安心感がありました。
特に印象に残っているのは、最初の提案段階から、こちらのリクエストをしっかり反映した内容を提示してもらえたことです。他社の場合、あらかじめ用意されたプログラムをベースに調整していくケースも多く、こちらの要望との間にズレを感じることがありました。一方でNEWONEさんは、最初から当社の状況や課題感を踏まえた提案をしてくださり、その姿勢がとてもありがたかったです。
― 今回実施したワークショップは、どのような組織にお勧めしたいですか?
岡部様:大きく二つのタイプの組織にお勧めしたいと感じています。一つ目は、新たにパーパス・バリューやミッション・ビジョンを定め、組織変革を進めていこうとしている組織や、これから理念の浸透に本格的に取り組みたいと考えている組織です。今回も、事前に私たちの組織の現状や課題感を丁寧にヒアリングしていただき、それを踏まえた手法を提案してもらえた点が非常に良かったと感じています。画一的なプログラムではなく、自社に合った形で進められる点は、大きな価値だと思います。
二つ目は、普段あまり外部研修を実施していない組織です。研修の構成段階から、メールや打ち合わせを通じて手厚くサポートしていただき、こちらが実現したいことを汲み取ったうえで柔軟にアレンジしてもらえました。当日もきめ細かなフォローがあり、安心感を持って研修を進めることができました。外部研修をどう進めたらよいかわからない、外部に依頼することに不安があるといった企業にとっても、安心して任せられると感じています。

人と組織の両輪で、より実践的な変革フェーズへ進めていく
― 今後取り組んでいきたいことや、注力していきたいことについて教えてください。
髙木様:今回のワークショップでは、価値観とパーパス・バリューを結びつけることに重点を置いて取り組みましたが、今後はその延長として、「より日々の業務に引き寄せた形での対話を進めていきたい」と考えています。継続という観点を大切にしながら、今期の残り期間と来期に分けて、段階的に取り組んでいく予定です。
具体的には、「自分の業務とパーパス・バリューがどうつながっているのか」「そのつながりをどう実践に落とし込むのか」といった点をテーマに、対話を重ねていきたいと考えています。今回の取り組みを起点に、理念理解にとどまらず、より実践的な行動変化につなげていくフェーズへ進んでいければと思っています。
大島様:現在、組織としては変革をさらに加速させていくフェーズにあると考えています。そのため今後は、人材のスキル向上と、組織開発の両面からアプローチしていくことに注力していきたいです。具体的には、個々人のスキルや能力面の強化に加え、関係性づくりなど組織の仕組みにも目を向けながら、両輪で取り組んでいくイメージです。人と組織の双方に働きかけることで、変革のスピードと質を高めていきたいと考えています。
― 本日はお忙しい中、貴重なお話をありがとうございました。今後とも何卒よろしくお願いします。
◆受講者アンケート(一部抜粋)
- 自分の価値観が何かを改めて確認ができたと同時に、グループメンバーそれぞれが違う価値観を持っていることにも気づかされた。価値観とバーパス・バリューとの繋がりや重なる部分に気付けば、それぞれのやり方で理念を体現していくことができることも分かった。
- 人それぞれ大事にしたい価値観は異なるが、パーパス/バリューに通じるところを見つけることで、それぞれの価値観を尊重しつつ同じ方向を向いてモチベーションを上げられるような組織を作っていきたいと改めて感じました。
- 人それぞれ価値観が異なるので、個々の価値観を尊重した上でメンバーに伝えることが必要と感じた。
- パーパス・バリューを個人的に理解することでお客様により良いものを提供する手助けになる。部門全体で共通認識すれば、製品をつくる上でより良い議論ができると感じた。
- パーパス・バリューを文字(文章)としての認識しかしていなかったことに気づいた。業務に対し、重なりとなる点や実業務に繋げる考えをもつキッカケになった。
- 各個人で価値観が違い、何かを判断する場合の前提条件によりその答えが変わることを通じて、コミュニケーションの重要さを改めて感じました。
- 自分にとって大切にしている価値観が創造性でした。小学生の時に初めてミシンで服を作った時、世界で1つだけの手作りが作れたと嬉しかったのを今でも強く覚えている。その気持ちを忘れずに、お客様に価値を提供できるように頑張ろうと思います。