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研修効果を捉えるための「研修後アンケート」の読み解き方とは

研修効果を捉えるための「研修後アンケート」の読み解き方とは

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著者

徳 若菜

著者

徳 若菜

大学卒業後、大手海運会社に入社し、海陸一貫輸送における新規案件獲得から物流ネットワークの最適化支援を担当。その後、ハイエンド層向けの人材紹介会社に中途入社し、両面型エージェントとして従事。営業経験者や販売経験者の転職支援を担当したのちに、新領域立ち上げ責任者として、財務・経理職支援の立ち上げを担当。株式会社NEWONEに入社後は、人材育成・組織開発のHRパートナーとして新入社員・若手から、管理職やシニア層前で幅人い階層を支援している。

研修後、受講者の満足度や理解度、学び・気づきを把握するために、アンケートを実施する企業は多いのではないでしょうか。

研修後アンケートは、受講者の反応を捉え、研修をより良くしていくための大切な材料です。
一方で、「満足度が高かったから良い研修だった」「スコアが低かったから研修内容を変えなければならない」と、数値の高低そのものが研修の評価になってしまうこともあります。

もちろん、スコアが低ければ、その要因を捉え、研修内容や設計に改善すべき点がなかったかを振り返ることは必要です。
しかし、研修の満足度と、本来目指していた研修効果は、必ずしも同じなのでしょうか。

本記事では、研修の目的に立ち返りながら、研修後アンケートの結果をどのように読み解き、研修効果を捉えていけばよいのかを考えていきます。

「満足度が高い」ことと「研修効果が高い」ことは、必ずしも同じではない

研修後アンケートを見るうえで、まず意識したいのが、満足度は研修効果を捉えるための一つの指標ではあっても、それだけで研修効果のすべてを判断できるわけではないということです。

例えば、キャリア研修を受講した直後に、「自分について新たな発見があった」「自己理解が深まった」と感じ、高い満足度を示していたとします。

しかし、職場に戻って日々の業務に追われる中で、研修で考えたことを振り返ることも、その後の仕事やキャリアについて考えることもなければ、研修で本来目指していた変化に十分つながったとは言い切れないかもしれません。

反対に、例えば管理職研修で、これまでのマネジメントを振り返り、「部下のためと思ってやっていたことが、かえって部下の成長機会を奪っていたかもしれない」と気づいたとします。

自分自身の課題に気づいたり、これまで正しいと思っていた考え方を問い直したりすることは、ときに耳が痛く、しんどさを伴うものです。そのため、その場では「満足した」と感じにくいこともあるでしょう。

しかし、このような自分の中に生まれた違和感や「揺らぎ」と向き合うことは、それまでの認知や行動を変えていくための大切な一歩でもあります。

また、研修で得た学びが、すぐに意味を持つとも限りません。その時点では「自分には難しかった」「今の業務でなぜ必要なのか分からない」と感じていても、その後、役割や環境が変わった際に、自身の経験と研修で学んだことが結びつき、改めて意味を持つこともあります。

だからこそ研修効果を捉える際には、「満足度が何点だったか」だけを見るのではなく、「この研修は何を目指していたのか」「その目的に対して、受講者にどのような気づきや変化が生まれたのか」まで捉えることが重要なのではないでしょうか。

「何点だったか」ではなく、研修の目的からアンケートを読み解く

では、研修後アンケートをどのように読み解けばよいのでしょうか。
大切なのは、結果を見る前に、「そもそもこの研修は、受講者にどのような変化を生み出すことを目指していたのか」に立ち返ることだと考えます。

例えば、管理職研修の目的が「自身のマネジメントを振り返り、これまでの部下との関わり方を見直すきっかけをつくること」だったとします。この場合、満足度が高かったかどうかだけでなく、次のような視点から結果を見ることで、研修の目的に対してどのような変化が生まれているのかを捉えやすくなります。

  • 自分のマネジメントについて、どのような気づきがあったのか
  • これまでの考え方や関わり方を見直すきっかけになったのか
  • 今後、何を変えてみようと思っているのか

一方で、「満足度が低くても、目的に沿った気づきがあれば問題ない」ということではありません。満足度や理解度が想定より低ければ、研修内容や難易度、伝え方、プログラム設計などに改善すべき点がなかったかを丁寧に振り返ることも重要です。

つまり、アンケート結果を研修で目指していた変化と照らし合わせながら、「なぜこの結果になったのか」を読み解くための材料として捉えることが大切です。

さらに、本当に研修効果を捉えようとするなら、研修直後のアンケートだけで完結させないことも重要です。
研修直後には「どのような気づきがあったか」「何を実践してみたいと思ったか」を捉え、その後は「実際に職場で何を実践したのか」「どのような変化があったのか」を確認する。そうした時間軸を持って受講者の変化を捉えていくことも、研修の効果を考えるうえでは必要ではないでしょうか。

研修後アンケートは、研修の良し悪しを決める「通信簿」ではありません。
研修によって生まれた変化を捉え、その後の施策や研修そのものの改善につなげていくための「観測点」の一つとして活用する。そのような捉え方が、研修効果をより本質的に考えることにつながると考えます。

まとめ

研修後アンケートは、受講者が研修をどのように受け止めたのかを知り、研修をより良くしていくための大切な材料です。だからこそ、満足度や理解度などの結果が気になるのは当然のことだと思います。

そのうえで、結果を見る際には、スコアの高低だけで研修の良し悪しを判断するのではなく、「この研修で何を目指していたのか」に立ち返り、その目的に対して結果を読み解くことが大切です。

研修直後の反応に加えて、その後の気づきや行動の変化も含めて捉えていくことで、アンケートを研修の「評価」で終わらせず、研修効果を捉え、より良い人材育成につなげるための材料として活用できるのではないでしょうか。

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