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AI時代のキャリア自律研修とは? 「Canが増えるほど選べなくなる」若手の本音 

AI時代のキャリア自律研修とは? 「Canが増えるほど選べなくなる」若手の本音 

<a href= 福田 真理奈" width="104" height="104">

株式会社NEWONEに新卒入社。新商品開発・マーケティング部マーケティングユニットで、デジタルマーケティングに携わる。社内セミナーの運営や、推せる職場ラボの広報などを主に担当。また、組織開発の一環としての社内イベントの企画・運営を行う。

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「AIがあれば、たいていのことはできる」 

そんな時代に、なぜ若手社員は動けなくなっているのでしょうか。 スキルも情報も、検索一つ、プロンプト一つで手に入る。選択肢は無数にある。なのに、いざ「自分はどうしたいのか」「何を選ぶのか」と問われると、途端に足が止まってしまう若手が少なくありません。 

本記事では、そもそも「キャリア自律」とは何かを整理したうえで、AIの登場によってキャリア自律の前提そのものが揺らぎ始めていること、そしてその歪みにどう向き合えばいいのかを、正直に見つめていきます。 

そもそも「キャリア自律」とは何か 

キャリア自律とは、会社や組織が用意したレールに乗るのではなく、自分自身の意思でキャリアを選択し、形成していく姿勢のことを指します。 

従来、この力を育てる手段としてよく使われてきたのが、Will(やりたいこと)・Can(できること)・Must(求められること)の重なりを広げていく、いわゆるWill/Can/Mustのフレームワークです。 

理屈としては、とても整っています。しかし今、このフレームワークの前提そのものが、AIの登場によって静かに崩れ始めているのではないかと感じています。 

というのも、Will/Can/Mustが機能していたのは、「Canは自分で磨くもの」「情報や選択肢は限られている」という時代の話だったからです。今はもう、その前提が通用しません。 

「Canの増殖」という、AI時代特有の歪み 

正直に言うと、今の若手社員は「Can(できること)」の幅が、自分のスキルとはあまり関係のないところで、勝手に広がっていく感覚を持っているのではないでしょうか。 

文章も、資料も、企画のたたき台も、AIに頼ればある程度のところまでは形になります。つまり、たいしてスキルを磨かなくても、他力本願である程度のクオリティまで到達できてしまう。これは便利である一方、「自分は何ができるようになったのか」という成長実感を持ちにくくする側面もあります。 

Canが「自分で獲得したもの」ではなく「外から与えられたもの」になったとき、若手は「できること」を積み上げている手ごたえを失います。「環境のせいにするな」という言葉がありますが、Canの広げ方そのものの構造が変わってしまった以上、これは環境論だけでは片付けられない問題だと感じています。 

「選ばなきゃ」というプレッシャーの正体 

もう一つ、AI時代特有の重さがあります。それは、選択肢が可視化されすぎていることです。 

かつては、自分の生き方の参考になるのは、身の回りの先輩や、せいぜい地元の知り合い程度でした。しかし今は、世界中のあらゆる世代、あらゆる生き方が、SNSやAIを通じて瞬時に見えてしまいます。「こんな生き方もある」「あんな働き方もある」という情報に日常的に触れているからこそ、「正解を選ばなければならない」という感覚が、以前より強くなっているのではないでしょうか。 

選択肢が多いことは、本来は喜ばしいことのはずです。しかし、比較対象が無限にある世界で「自分にとっての正解」を探そうとすると、今の仕事や今の自分との「つながり」を見失いやすくなります。目の前の仕事が、将来のどこにつながっているのか分からなくなる。いわゆる「成長の踊り場」に、以前よりも早い段階で差しかかってしまう若手が増えている可能性があります。 

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「どうせAIに代替される」を超えて 

もう一つ、若手の本音として無視できないのが、「どうせ自分の仕事も、いずれAIに代替されていくのだろう」という感覚です。 

今の若手社員が学生から社会人になるまでのわずか数年の間に、AIはあまりにも速いスピードで進化しました。だからこそ、「人間にしかできないこと」を、誰かに教えてもらうのではなく、自分自身で定義しなければならない状況に置かれています。これは、諦めでもあり、同時に重い宿題でもあります。 

ここで大事になってくるのが、AIというツールを使う側の人間性、つまりリテラシーや倫理観といったソフトスキルではないかと考えています。AIに何を任せ、何を自分の手元に残すのか。その線引きの感覚こそが、これからの「人間の介在価値」そのものになっていくはずです。 

「未来を描く」から「今日を選ぶ」へ 

ここまで見てきたように、AI時代の若手は、Canの増殖、選択肢過多のプレッシャー、代替不安という、これまでにない三重の歪みの中でキャリアと向き合っています。この状況で、「5年後の自分を描きなさい」という従来型のWill/Can/Mustのアプローチを続けても、若手はますます苦しくなるだけです。 

必要なのは、未来を無理に描かせることではなく、今日という一日の中に、自分なりの意味を見出す力です。昇進や肩書きといった外的な成功指標ではなく、「この仕事に自分なりの手ごたえを感じられているか」という内側の充実感を重視します。 

AIがあって当たり前になった世の中で、何をするか、どんな選択をして、どれだけ納得して生きていくのか。キャリア自律とは、結局のところ、そこに行き着くのではないでしょうか。 

まとめ

若手のキャリア自律を支援する立場として、私たちにできることは大きく2つあります。 

一つは、「未来を描かせる」研修から「選択肢を示し、選ばせる」研修への転換です。白紙にWillを書かせるのではなく、いくつかの価値観や方向性を提示したうえで、「今の自分に近いのはどれか」を選ばせる。この設計の違いだけで、若手の納得感は大きく変わります。 

もう一つは、体験を通じて「自己決定」の手ごたえを掴ませることです。言葉で「自律とはこういうことだ」と説明するよりも、ゲーミフィケーションなどを通じて自ら選び、行動する感覚を体感してもらう方が、確実に行動変容につながります。 

AI時代の若手が抱えているのは、「やる気がない」という単純な話ではありません。Canが外から膨らみ、選択肢が可視化されすぎ、代替不安にさらされる中で、「自分で選ぶ」という感覚そのものを持ちにくくなっているのです。 

だからこそ今必要なのは、無理に将来を描かせることではなく、今日の仕事の中に小さな自己決定を積み重ねていく支援です。Will/Can/Mustを手放すことで、若手支援の景色は少し変わるかもしれません。 

弊社では、こうした問題意識をもとに、若手向けキャリア支援プログラムを提供しております。「未来のキャリアプランを無理に描かせる」のではなく、ゲーミフィケーションや職場での実践を通じて、自己決定の手ごたえを掴むことに重点を置いたプログラムです。 

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