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Will/Can/Mustが若手に刺さらない理由 

Will/Can/Mustが若手に刺さらない理由 

<a href= 福田 真理奈" width="104" height="104">

株式会社NEWONEに新卒入社。新商品開発・マーケティング部マーケティングユニットで、デジタルマーケティングに携わる。社内セミナーの運営や、推せる職場ラボの広報などを主に担当。また、組織開発の一環としての社内イベントの企画・運営を行う。

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「5年後の自分はどうありたいですか?」 

この問いを研修で投げかけられたとき、すらすら答えられる若手社員はどれくらいいるでしょうか。 

Will/Can/Mustのフレームワークは、理論として整っています。でも現場で使われるとき、それは時に若手を追い詰める「問い」になってしまっています。本記事では、なぜキャリア研修が若手に響かないのか、その構造的な理由を正直に見つめながら、今の若手にほんとうに効くキャリア自律支援のあり方を考えます。 

なぜ「Will/Can/Must」は若手にしんどいのか 

キャリア研修の定番として長年使われてきたWill/Can/Mustのフレームワーク。「やりたいこと(Will)・できること(Can)・求められること(Must)の重なりを大きくしよう」という考え方は、理屈では正しいです。 

しかし実際に現場でこれを若手に問いかけると、3つの歪みが生まれます。 

① Mustが「自分事」にならない 

組織が求めること(Must)は、多くの場合トップダウンで降ってきます。特に入社2〜3年目のフェーズでは、自分がなぜその業務を担っているのかの文脈が見えにくく、「やらされ感」だけが残りがちです。Mustを自分事として捉えるには仕事の意味や背景への理解が必要ですが、それを丁寧に伝えている組織はまだ少ないのが現実です。 

Canの「広げられる幅」に限界がある 

「できること(Can)を増やしなさい」と言われても、配属先・業務内容・上司のスタイルによって、成長できる環境には大きな差があります。成長意欲があっても、構造的にCanを広げにくい環境にいる若手は少なくありません。「環境のせいにするな」という言葉は正論ですが、あまりに一方的なこともあります。 

Willは「問われると出てこない」

「あなたはどうなりたいですか?」──この問いに即答できる20代はむしろ少数派です。Willは、じっくりと経験を積む中でゆっくり形成されるものであって、研修の場で2時間考えれば出てくるものではありません。それでも「Willを持て」と求められると、若手は「自分はダメなのか」と感じてしまいます。これを業界では冗談めかして「Willハラスメント」と呼ぶこともあります。 

Will/Can/Mustは「診断ツール」ではなく「対話のきっかけ」にすぎません。それを「答えを出すべき課題」として若手に課すとき、研修は助けではなく負荷になります。 

「自律できていない」は本当に本人の問題か 

若手のキャリア支援の現場でよく聞く言葉があります。 

「うちの若手は受け身で、自律できていない」というものです。しかし少し立ち止まって考えてみてください。その若手は本当に「自律する気がない」のでしょうか。 

多くの若手は、日々の業務の中でMustを消化しようとし、Canを少しでも広げようとしています。問題は、その努力が「見えていない」こと、そして組織側がWillを「考えさせる」だけで「実現させる」ためのサポートを十分にしていないことではないでしょうか。 

【よくある現状】本人はMustをこなし、Canを広げようとしている 【組織側の課題】Willを引き出す場はあっても、実現を支援する仕組みがない 【結果】「言っても変わらない」という無力感が受け身姿勢を生む 

若手のキャリア自律は、「個人の問題」と「組織の問題」が複雑に絡み合っています。どちらか一方だけを変えようとしても、うまくいかないのはそのためです。 

それでも必要な「自分で選ぶ」姿勢 

ここまで組織側の問題を指摘してきましたが、正直に言うと、環境への依存だけでキャリアを考えることには限界もあります。 

どんなに組織が整っていても、最終的に自分のキャリアに責任を持てるのは自分だけです。「環境が悪いから成長できない」という姿勢を持ち続ける限り、どの組織に行っても同じ不満を繰り返すことになります。 

環境に委ねるのではなく、今いる環境の中で「何を選ぶか」を自分で決める。そのわずかな主体性の差が、5年後・10年後のキャリアに大きな違いを生みます。 

ただし、これは「すべて自責しなさい」という話ではありません。完璧な環境など存在しないことを受け入れた上で、それでも自分にできることを探し続ける「気概」──それがキャリア自律の本質ではないかと考えます。 

キャリア自律とは、「やりたいことがある人」のためのものではありません。「今の仕事の中に、自分なりの意味を見出せる人」になることです。 

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今日の仕事に意味を見出す 

Will/Can/Mustの問題を乗り越えるヒントとして、近年注目されているのが「心理的成功(Psychological Success)」という考え方です。 

昇進・昇給・肩書きといった外的な成功指標ではなく、「自分がこの仕事に意味や手ごたえを感じられているか」という内側の充実感を重視します。このアプローチの優れているところは、Willが明確でなくても始められる点にあります。 

今日の仕事の中で、自分が少しだけ工夫できた。誰かの役に立てた実感があった。昨日より少しだけうまくできた。そういう小さな「自己決定」の積み重ねが、キャリアへの主体性を育てる土台になります。 

「5年後の夢を描きなさい」ではなく、「今日の仕事に、自分なりの意味を一つ見つけてみよう」。このアプローチへの転換が、現代の若手支援には求められています。 

人事・研修担当者にできること 

ここまでの内容を踏まえて、若手のキャリア自律を支援する立場の我々には、いったいどんなことができるしょうか。具体的なアクションを3つご紹介します。 

Willを「問う」前に、Mustへの意味付けを手伝う 

日々の業務(Must)が「なぜ自分に求められているのか」「それが組織全体にどうつながっているのか」を丁寧に対話することが先決です。Mustが自分事になって初めて、WillやCanを考える素地ができます。 

アクション2. 「体験」を通じて自己決定の感覚を掴ませる 

ゲーミフィケーションや疑似体験を使って、「自分で選ぶ」ことの手ごたえを体感させるアプローチが効果的です。「自律とはこういうことだ」と言葉で教えるより、体感で理解する方が行動変容につながりやすいです。 

アクション3. 選択肢を提示する──「答えを出させる」研修からの脱却 

「あなたのWillは何ですか?」と白紙から書かせるのではなく、いくつかの価値観・方向性の選択肢を提示した上で「どれが今の自分に近いか」を選ばせる。この設計の違いだけで、研修後の納得感と行動意欲は大きく変わります。 

まとめ

キャリア研修が若手に響かない理由は、「若手のやる気がない」からではありません。フレームワークの使い方と、組織側のサポートのあり方に、構造的な問題があります。 

Will/Can/Mustは悪いツールではありません。ただ、「答えを出させるもの」として使うと、答えを持っていない若手を苦しめるだけになってしまいます。それよりも、今日の仕事の中に小さな「自己決定」を積み重ねること、そして組織がその実感を支えること──そちらの方が、長い目で見てキャリア自律につながります。 

「やりたいことを見つけなさい」という問いを手放したとき、若手支援の景色は少し変わるかもしれません。 

弊社では、若手社員向けキャリア自律研修 ゲーミフィケーションと「心理的成功」アプローチを用いた、若手向けキャリア支援プログラムを提供しております。受け身若手を自律型人材へ。従来のWill/Can/Mustに頼らない、現代の若手に響くキャリア支援プログラムです。 

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