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キャリア研修は本当に離職を促すのか

キャリア研修は本当に離職を促すのか

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著者

飯田 桜

著者

飯田 桜

株式会社NEWONEに新卒入社。研修をメインとして、人材育成・組織開発のHRパートナーとして従事。新入社員・若手から管理職まで幅広い階層を支援している。社内では、AI導入や業務効率化に向けた仕組みの推進、部署間の交流を目的とした企画等を行っている。

NEWONEでは、あらゆる企業のご希望やお悩みにあわせた
多種多様な研修を取り扱っております。

どんな研修があるか見てみる

― “長く働いてほしい”という人事の思いと、キャリア自律の本当の関係 ―
多くの企業でキャリア研修が導入される一方で、人事の方にいただく不安や課題の中にはこんな声があります。

「キャリア研修をすると、社員が転職を考えてしまうのではないか。」

社員に自分のキャリアを考えさせるほど、外の可能性に目が向いてしまうのではないか。
結果として、離職が増えてしまうのではないか。

この不安は決して珍しいものではありません。
むしろ多くの人事の方が、どこかで感じているリアルな感覚です。
そしてその背景には、もう一つの思いがあります。

「できれば、長く働いてほしい。」

この思いは、離職率の数字だけの話ではありません。
企業という組織には、時間をかけて積み上がる価値があるからです。

例えば、仕事の勘所や顧客との関係性といった暗黙知
数年かけて育つ人材の成長
挑戦を応援する雰囲気や助け合う姿勢といった組織文化
そして何より、共に仕事をしてきた時間の中で生まれる信頼関係です。

こうしたものは、制度では作れません。
人が組織の中で時間を積み重ねることで生まれる価値です。
だからこそ、「長く働くこと」は重視されるのです。

しかしここで、一つの矛盾が生まれます。

キャリア研修が生む「離職の不安」

キャリア研修では、多くの場合こうした問いを扱います。

・自分は何を大切にして働きたいのか
・これからどんな仕事をしていきたいのか
・今の仕事は自分にとってどんな意味を持つのか

こうした問いに向き合うことで、社員は自分のキャリアを主体的に考えるようになります。
しかし同時に、こうした気づきが生まれることもあります。

「この会社では実現できないかもしれない。」

ここに、キャリア研修に抱かれがちな不安があります。
キャリア研修は、社員の中にある違和感を可視化してしまう可能性があるからです。

そのため多くの企業で、こんな疑問が生まれます。
「キャリア研修は離職につながるのではないか?」

キャリア研修の本当の作用

この問いに対して重要なのは、次の事実です。
キャリア研修によって辞める人の多くは、
研修がなくてもいずれ辞めていた可能性が高いと言われています。

違いはただ一つです。

「モヤモヤしたまま辞めるか」
「考えた上で辞めるか」

つまりキャリア研修は、離職を生むというよりも、もともとあった違和感を早く表面化させる作用を持っています。

これは短期的には「離職が増えた」と感じることがあります。
しかし長期的に見ると、もう一つの変化が起きます。

それは、主体的に残る人が増えることです。

キャリア研修によって、自分の価値観や仕事の意味を考えるようになると、社員は次のような行動を取り始めます。

・自分の役割を広げようとする
・新しい仕事に挑戦しようとする
・組織の課題に関わろうとする

つまり、組織の中で自分の価値を更新しようとするのです。

この状態になると、社員は受け身ではなくなります。
自分の意思で「ここで働く意味」を考え始めます。

結果として生まれるのが、「会社に残る人ではなく、会社を選び続ける人」です。

NEWONEでは、エンゲージメント向上をはじめとした
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キャリア研修の本当の役割

ここまで整理すると、キャリア研修の役割が見えてきます。
キャリア研修は、社員を会社につなぎ止めるためのものではありません。

キャリア研修の役割は、「社員が主体的に働く状態を作ること」です。

その結果として、
・主体的に残る人
・納得して離れる人
が生まれます。

一見するとこれは離職を受け入れる考え方に見えます。

しかし実際には、ここで残る人たちはエンゲージメントが高く、組織に価値を生み続ける存在になります。

まとめ:「長く働く」は目的ではなく結果

人事の方が「長く働いてほしい」と思うのは自然なことです。
そこには、組織の知恵、育成の積み上げ、文化、関係性といった時間の価値があります。

しかし、その価値を守ろうとして「辞めない組織」を作ろうとすると、社員は受け身になり、挑戦が減ってしまいます。
だからこそ重要なのは、考え方の順番です。

定着を目的にすると、自律は弱まる。
自律を育てると、結果として定着する。

キャリア研修は、離職を防ぐための施策ではありません。
社員が主体的に仕事と向き合うための機会です。

そしてその先に生まれるのが、「長く働かせる組織ではなく、長く選ばれる組織」なのです。
本メソッドが、「キャリア自律を促したいけど、本当は長く働いてほしい」と感じている方のお役に立てれば幸いです。