
NEWONEでは、あらゆる企業のご希望やお悩みにあわせた
多種多様な研修を取り扱っております。
人事の方とお話ししていると、最近「若手社員のキャリア自律を促したい」というご相談をいただく機会が増えています。背景には、若手社員にもっと主体的に働いてほしい、成長意欲を持ってほしい、将来を見据えて自ら学んでほしい、という期待があります。
一方で、その期待が若手社員にうまく届いていないケースも少なくありません。
なぜなら、若手社員にとって「キャリア自律」や「自己研鑽」という言葉が、
“仕事以外の時間も、会社のために使ってほしい”
というメッセージに聞こえてしまうことがあるからです。
かつては、長く働くことそのものが経験量や成長機会につながっていました。
残業も含めて多くの仕事に触れ、先輩の背中を見ながら学び、経験を積む。
そうした働き方の中で、自然と成長していく側面がありました。
しかし今は、限られた時間の中で成果を出すことが求められています。
また、若手社員自身も、家族や友人、趣味、自分の時間を大切にしたいという価値観を持っています。
会社側から見ると、仕事を通じた経験量が以前より少なくなっている。
だからこそ、「自分で学んでほしい」「プライベートでも成長してほしい」と考える。
一方で、若手社員から見ると、プライベートの時間は自分の人生を大切にするための時間です。
そこに対して「成長のために使ってほしい」と言われても、簡単には納得できません。
ここに、若手キャリア自律施策の難しさがあります。
会社は、若手にもっと成長してほしい。
若手は、仕事以外の時間まで会社に差し出したいわけではない。
このすれ違いを解消しないまま、
「自己研鑽しましょう」
「主体的に学びましょう」
「キャリアを考えましょう」
と伝えても、若手社員の行動はなかなか変わりません。
だからこそ必要なのは、若手社員主語のキャリア研修です。
「離職を防ぎたい」
「主体的に働いてほしい」
「もっと成長してほしい」
これらは、あくまで会社・人事側の期待です。
若手社員にとって大切なのは、
“会社のために頑張る理由”ではなく、“自分の人生にとって、この仕事や環境をどう意味づけるか”
を考えることです。
そのために、若手向けのキャリア研修では、次の3つの観点が重要になります。
1. 働く意味を本人主語で整理する
まず大切なのは、いきなり
「今の環境を最大限活用して成長しましょう」
と伝えないことです。
もちろん、会社としては若手社員に今の環境を活かして成長してほしい。
しかし、若手社員の中には、
「生活を安定させるために働いている」
「仕事以外の時間を大事にしたい」
という感覚を持っている人も多くいます。
その状態で、環境活用や成長を前面に出すと、
「結局、会社のためにもっと頑張れということか」
と受け取られてしまう可能性があります。
だからこそ最初に必要なのは、
自分にとって仕事とは何か、どんな生活や将来を大事にしたいのかを整理することです。
仕事は、自己実現のためだけにあるものではありません。
生活を支えるため、家族や友人との時間を守るため、趣味や自分らしい暮らしを続けるために働く、という考え方も自然なものです。
その前提を否定せずに、
「では、自分が大事にしたい生活や将来を守るために、今の仕事から何を得ておくとよいのか」
を考える。
ここから入ることで、キャリア自律は会社都合ではなく、本人にとって意味のあるテーマになります。
2. 得たい経験・成長を具体化する
一方で、若手社員の中には、
「早く昇格したい」
「もっと成長したい」
という意欲を持っている人もいます。
ただ、ここでよく起きるのが、成長意欲はあるものの、
何をすれば成長につながるのかがわからない
という状態です。
日々の仕事を頑張っていても、
「自分は本当に成長しているのか」
「このままこの会社で働いていて、市場価値は上がるのか」
という不安を感じる。
その不安が強くなると、成長機会を求めて転職を考えるきっかけにもなります。
だからこそ研修では、
「成長したい」という抽象的な思いを、具体的な経験や行動に落とし込む必要があります。
たとえば、
「顧客と向き合う経験を積みたい」
「周囲を巻き込む力を伸ばしたい」
「仕事の目的を捉えて動けるようになりたい」
「自分の考えを提案する経験を増やしたい」
「小さなリーダーシップを発揮したい」
といったように、日々の仕事の中で取りにいける経験として言語化することが大切です。
得たい経験が明確になると、目の前の仕事の見え方が変わります。
単なる作業ではなく、自分の力を伸ばす機会として捉えやすくなります。
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3. 本人のWillを会社期待と接続する
キャリア研修でよく起きるのが、最後にアクションプランを書いてもらったときに、会社や職場の期待と紐づいていない内容になることです。
たとえば、
「資格の勉強をする」
「英語を学ぶ」
「副業に挑戦する」
といったアクションは、本人にとっては大切かもしれません。
ただ、それだけでは会社としては、
「現場での行動はどう変わるのか」
「今の仕事にどうつながるのか」
が見えづらくなります。
一方で、会社や上司からの期待だけを伝えると、若手社員にとっては押しつけに感じられてしまいます。
大切なのは、本人のWillを否定せずに、
今の仕事・職場・会社期待と重なる部分を見つけることです。
たとえば、
「今、上司や職場から何を期待されているのか」
「その期待に応えることで、どんな経験が得られるのか」
「自分が得たい成長と、今の仕事はどこでつながるのか」
「明日からの仕事で、何を少し変えるのか」
を考える。
この接続ができると、アクションプランが単なる自己啓発で終わらず、現場での行動変容につながりやすくなります。
まとめ
若手のキャリア自律とは、プライベートの時間を使って仕事の勉強をさせることではありません。
若手社員が、今の仕事を通じて、
「自分は何を得られているのか」
「この経験は将来にどうつながるのか」
「なぜこの環境で頑張るのか」
を自分の言葉で語れるようにすることです。
そのために会社が支援すべきなのは、自己研鑽の押しつけではありません。
本人が大事にしたい人生と、今の仕事で得られる経験、そして会社からの期待をつなぎ直す場をつくること。
それこそが、若手社員のキャリア自律を本当に促すキャリア研修ではないでしょうか。
池本 大輝" width="104" height="104">