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目次
「ビジネスにおいて、対話は大事だと思いますか?」
この問いに対して皆さんはどう感じ、何を考えたでしょうか。
・心から対話を大事だと信じている人
・対話は大事だと思っているけど、実践すると手応えをあまり感じていない人
・対話を実践したが、上手くいかず挫折した人
・そもそも対話の時間を作るくらいなら、仕事を進めたほうが価値を出せると考えた人
「対話」という言葉に対して人によって様々な解釈があるのではないかと思います。
最近、管理職研修やOJTトレーナー研修等でも対話実践や対話そのものについて学ぶことを重視する企業様も増えており、多くのビジネスパーソンが「対話」という言葉に触れる機会が増えていると感じています。
一方で、組織や周囲から「対話が大事だ」と言われる中で、いつのまにかその空気に巻き込まれ、忙しい中でも時間を捻出しながら、「本当にそこまで対話は必要なのだろうか」とどこか腑に落ちないまま、とにかく部下や後輩、同期などと関わっている方もいるのではないでしょうか。
そこで本記事では、“自分にとって、周囲の人にとって有意義だと感じられる対話”を生み出すポイントは何かを、皆さんと一緒に考えていきたいと思います。
「対話」とは何か?
皆さんは、「対話をしているという状態」についてどんなイメージを持っていますでしょうか。
よく勘違いが起こりやすいこととして、「雑談をすること」や「仕事以外の話をすること」といったことがありますが、これは対話の本質ではありません。
弊社では、対話を以下のように定義しています。
「互いの前提や意見の”違い”を知り、新たな気づきを生み出すコミュニケーション」
対話において特に重要なのは、違いに着目することです。
ビジネスにおいては物事を1つ決める「合意」形成を図るコミュニケーションが多く、 対話は、一見遠回りするものに見えます。
しかし、人の価値観が多様化している現代では、互いの背景や考えに目を向けないまま、 物事を一方的に決めてしまうと、摩擦が生まれやすくなります。
その結果、納得感を得られないまま進行し、かえって物事が進みにくくなることもあるでしょう。
”違い”を知るからこそ、イノベーションが生まれたり、違いを活かして補い合う関係が築けるのではないでしょうか。
自分たちが有意義だったと思える対話にするには?
もし、仮に全く同じ環境下(同じ会社・同じ制度・同じ業務量等)で対話に意味を感じている人が多いチームと、そうでないチームがあったとしたら、その違いは何からもたらされるのでしょうか。
その違いを生み出す要因は様々あると思いますが、私は「いかに本音を言い合える関係性を築けているか」が大きく影響していると考えています。
前述した“違い”を扱うことは、相手との関係性や立場への配慮から、異なる考えや違和感をあえて言葉にすること自体が控えられやすく、意識的に向き合わなければ対話の場に出てきにくいものです。そのため、互いの考えや感じていることを率直に出し合える関係性がなければ、“違い”を扱う対話は表面的なものにとどまりやすくなります。
だからこそ、本音を言い合える関係性を築くことが、有意義な対話を生み出すうえで重要になります。
そして、本音を言い合える関係性を築くためには、互いに信頼し合える関係をつくることが欠かせません。人は、“何を言われたか”だけでなく、“誰から言われたか”“その人とどんな関係性を築いているか”によって、言葉の受け取り方が大きく変わります。
例えば、皆さんに2人の上司がいるとします。
1人は、普段から気にかけて声をかけてくれたり、困った時に相談に乗ってくれたAさん
もう1人は、黙々と仕事を進め、必要最低限のコミュケーションしかとったことがないBさん
この2人が「資料の印刷をしてほしく、かなり大量の印刷なので30分時間を確保してほしい」という依頼を皆さんにしました。
皆さんはどう感じますか。同じ依頼内容であっても、取り組む際の気持ちは少し違ったのではないでしょうか。
では、信頼関係を築くためには、何をする必要があるでしょうか。
ポイントを3つお伝えします。
①相手理解ではなく、相互理解
よく、相手との関係構築を考えた時に、「相手を理解すること」が大切だと捉えられがちです。もちろんそれも重要ですが、それと同じくらい、“自分自身のことを相手に伝えること”も大切になります。
心理学の世界には、「自己開示の返報性」という考え方があります。
これは、自分がありのままの考えや感情を開示すると、相手も同程度の情報を開示しやすくなる、というものです。
つまり、相手から引き出せる情報の質は、自分がどれだけ自分自身を開示できているかの鏡でもあるのです。
全然相手が話してくれないと困っている場合は、自分が相手にどのくらい自分のことを伝えられているかを振り返ると良いかもしれません。
NEWONEでは、エンゲージメント向上をはじめとした
人・組織の課題解決のヒントとなるセミナーを開催しています。
②「言いたいことが言える環境」よりも、「言いづらいことが言える」環境を構築する
自由に発言できる環境づくりに注力することがあります。
もちろん、このアプローチが重要な場面も多くあります。
しかし、信頼関係を構築するうえでは、“何でも言える”こと以上に、“本来は言いづらいことを言える”ことが重要になります。
例えば、違和感、不安、困っていることなどは、関係性や立場によって飲み込まれやすいものです。組織には、立場や役割による「権威勾配」が存在します。
そのため、見られ方への不安や評価への懸念から、言いたいことがあっても言えなくなる場面は少なくありません。
だからこそ、そうした“場に出づらい暗黙知”を対話の中で扱えるかが重要になります。
言いづらいことを出しても関係が壊れず、むしろ、互いを理解するきっかけになる。
そうした経験の積み重ねが、本音で言い合える関係性を築く第一歩になるでしょう。
(参考ツール:組織の課題をオバケに例えることで課題と人を切り離し、チームで協力して課題を解決に向かわせるための対話ツール
▶ココラボ「オバケ」 https://get.cocolabo.club/obake)
③対話した時間ではなく、どんなかかわりをしたか
仕事が忙しく、1on1の時間確保や長時間の対話が難しいと感じる方も多いと思います。
もちろん、相互理解を深めるうえでまとまった時間を取ることには大きな意味があります。
しかし、信頼関係につながるのは、“どれだけ長く話したか”というより、
“どんなかかわり方をしたか”が重要になります。
例えば、「相手の話を最後まで聴く」「感謝を言葉にする」「違和感をそのまま放置しない」「相手を理解しようとする姿勢を持つ」など、日々の小さなかかわり方の積み重ねが、関係性に大きく影響します。
どれだけ短い時間であっても、仕事への向き合い方や、人への接し方・態度には、その人の考え方や姿勢が表れます。だからこそ、日々のコミュニケーションの積み重ねを意識することが、信頼関係を築くうえで大切になります。
まとめ
本記事では、本記事では、“有意義だと感じられる対話”はどのように生まれるのかについて考えてきました。繰り返しになりますが、対話とは、単に話し合うことではなく、互いの背景や考えの“違い”に向き合いながら、新たな気づきを生み出していくコミュニケーションです。そして、有意義な対話は、特別な場や長い時間があることで生まれるものではなく、日々の小さなかかわりの積み重ねの中で育まれていきます。
相手を理解しようとすること。自分自身のことを相手に伝えること。
言いづらいことも安心して話せる環境をつくっていくこと。
こうした積み重ねが、本音で対話できる関係性につながり、結果として、互いの“違い”を活かし合えるチームや組織をつくっていくことにもつながっていくのではないでしょうか。
この記事を通じて、皆さんにとっての「対話」が、少しでも前向きなものになっていたら幸いです。
瀬口 航生" width="104" height="104">