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キャリアの決断をするうえで問うべきこと ~決断による変化の責任を引き受ける覚悟が、自分にはあるか~ 

キャリアの決断をするうえで問うべきこと ~決断による変化の責任を引き受ける覚悟が、自分にはあるか~ 

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著者

飯田 桜

著者

飯田 桜

株式会社NEWONEに新卒入社。研修をメインとして、人材育成・組織開発のHRパートナーとして従事。新入社員・若手から管理職まで幅広い階層を支援している。社内では、AI導入や業務効率化に向けた仕組みの推進、部署間の交流を目的とした企画等を行っている。

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近年、キャリア研修では、「変化を前提とした、正解のないキャリア形成」が重要視されるようになりました。 

これまでのように、一つの会社で決められたキャリアを歩むのではなく、自らの価値観や強みをもとに、環境や役割を選びながらキャリアを築いていくことが求められる時代です。 

一方で、正解がないからこそ、私たちは様々な場面で決断を迫られます。 
「このまま今の環境にいて良いのだろうか」 
「新しい挑戦をした方が良いのではないか」 
「自分にとって本当に納得できる選択とは何なのか」 

答えが用意されていない中で、自分自身で選択し、その選択に向き合っていくことは、決して簡単なことではありません。 

そこで、キャリアの転機において多く挙げられる選択肢の一つが、「環境を変える」という選択です。 
「今の仕事では成長できないのではないか」 
「もっと自分に合った場所があるのではないか」 
「新しい環境に行けば、もっと自分の可能性を広げられるのではないか」 
環境を変えることは、自分の可能性を広げる大きな一歩になることがあります。 

一方で、その決断をする前に、一度向き合うべき問いがあります。 
もし新しい環境に挑戦したにも関わらず、思うような結果が出なかったとしたら、 
その時あなたは何を理由にするでしょうか。 

「周囲の人が協力してくれなかったから」 
「会社の文化が合わなかったから」 
「思っていた環境ではなかったから」 

もし最初に、自分以外の要因が浮かぶのであれば、もう一度その決断について考える必要があるかもしれません。 
もちろん、環境や周囲の人がキャリアに与える影響は決して小さくありません。 

しかし、環境を変えるということは、単に場所を変えることではありません。 
新しい環境の中で起こる出来事に対して、自分がどのように向き合い、どんな価値を生み出していくのかまで引き受けることです。 

だからこそ、キャリアの決断をする前に確認したいことがあります。 
「自分は、変化した環境の中で起こることに対して、どこまで責任を持つ覚悟ができているか」 

この問いに向き合うことが、納得できるキャリア選択の第一歩になります。 

キャリアの迷いは、「選択肢の不足」ではなく「軸の不足」から生まれる

キャリアについて考える時、多くの人は「どんな仕事をするか」「どんな会社に行くか」といった選択肢を探します。 

しかし、変化の激しい時代において、職種や役割、働き方は常に変化していきます。 
その中で必要なのは、変わらない環境を探すことではありません。 
変化する環境の中でも、自分自身が大切にしたいものを軸に選択できる力です。 

つまり、キャリアとは環境選びではなく、自分の価値観を実現するための選択なのです。 

本当に大事なものは、自分への問いから見つかる 

では、自分の価値観とはどのように見つければよいのでしょうか。 
価値観を理解するためには、まず自分がこれまで信じてきたものに問いを立てることが必要です。 

「なぜ、それを大切だと思っているのか」 
「それは本当に自分が望んでいるものなのか」 
「もし周囲から評価されなかったとしても、それを選びたいと思うのか」 

私たちは知らないうちに、周囲から期待されることや社会的な正解を、自分自身の価値観だと思い込んでいることがあります。 
例えば、 
「安定した会社にいることが大切」 
「早く成長することが大切」 
「高い評価を得ることが大切」 
こうした考えも、もちろん大切な価値観の一つです。 

しかし、本当に自分が望んでいるものなのかを問い直すことで、自分らしいキャリアの軸が見えてきます。 

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今いる環境を最大限活用できているかを考える 

自分の価値観が見えてきたら、次に考えるべきことがあります。 
それは、「今いる環境で、その価値観を実現する余地は本当にないのか」という問いです。 

成長機会は、必ずしも新しい環境にしか存在しないわけではありません。 
同じ仕事をしていても、与えられた仕事をこなす人と、自ら課題を見つけて挑戦する人では、得られる経験は大きく異なります。 

「もっと大きな役割を担えないか」 
「今まで避けていたことに挑戦できないか」 
「周囲を巻き込みながら新しい価値を生み出せないか」 

環境を変える前に、自分自身が今の環境にどれだけ働きかけたのかを振り返ることが重要です。 

環境を変えるべきタイミングは、逃げではなく価値観から決める 

一方で、どれだけ主体的に行動しても、今の環境では実現できない価値観もあります。 

その時、環境を変えることは逃げではありません。 
自分が大切にしたいものを実現するための、前向きな選択です。 

ただし、その判断基準は「今が嫌だから」ではありません。 
「次の環境で何を実現したいのか」 
「その環境に行くことで、自分が大切にしたい価値観に近づけるのか」 
を考えることが重要です。 

環境への不満だけを理由にした選択は、環境が変わっても同じ課題に向き合うことになる可能性があります。 

一方で、自分の価値観を実現する目的を持った選択は、どんな環境でも主体的に行動する力になります。 

キャリアとは、自分の価値観を実現する選択の積み重ねである 

キャリアとは、より良い環境を探し続けることではありません。 
今の環境で挑戦を続けることも、新しい環境へ踏み出すことも、どちらも価値のある選択になります。大切なのは、どちらを選ぶかではなく、その選択を自分自身の意思で決め、結果に向き合える状態であるかです。 

だからこそ、キャリアの決断をする時に問うべきなのは、 
「どこに行けば成功できるのか」 
ではなく、 
「自分は何を大切にし、その実現に向けてどのような責任を引き受けるのか」 
であると、私は考えます。