事例概要
- 課題
- 営業職に比べてSC職(セールスコーディネーター)はなかなかスポットライトが当たらず、モチベーション維持が難しかった
- 若手向けの研修は3年目まで実施しているが、それ以降はとくに体系化された研修がなく、自身の強みや価値観、経験を棚卸しする機会を創りたかった
- 効果
- 同じSC職同士でコミュニケーションをとる機会を創ることで、「頑張ってるのは自分だけではない」ことや、「自分の強み」を知ることでモチベーション向上の効果があった
- 上司向けの研修も別日に実施し、職場でより実践しやすい環境を整えることができた
- 実績
導入サービス
セルフマインド研修
対象
SC職(20代~50代) ※SCはセールスコーディネーターの略
実施概要
モチベーションをコントロールするポイントを理解し、自分自身や周りへの影響力を高めることを目的に、SC職を対象に実施。自己理解と内省を深めるため、HRテックツール「カルテ」を活用。
― 今回、SC職の方を対象にセルフマインド研修を実施するに至った理由・背景について教えてください。
佐藤様:SC職とは、営業のサポート業務や支援を行うスタッフ職となります。営業職と比べると、なかなかスポットライトが当たる機会がなく、モチベーション維持において難しい面があります。ただ、SC職のようにサポートしてくれるスタッフがいるからこそ組織が成り立っていると思っていますので、もっとSC職の方に光を当てたいという強い想いがありました。ソフトバンクは、3年目までは定期的に振り返りやフォロー研修があるのですが、4年目以降になると定期的な内省の機会がなくなります。特にSC職の場合、5年目くらいから50代の方までが大半を占める中で内省の機会がほとんどありません。これまでの経験を棚卸しすることで、自分のことを深く理解する機会が必要だと思っていました。そこで、会社としてもそういった自己理解を深める場を提供することで、モチベーション向上の機会になれば良いなと思い、今回本研修を企画いたしました。
― SC職の方が研修を受けるにあたって、他の職種と違うことや工夫されたことはありますか?
佐藤様:他の職種とは違って、これまであまり研修を受ける機会が少なかったので、研修を受けることを業務の一つとして感じられていない方もいます。普段の業務が大変忙しくチームで動いていることもあり、研修に行くことで周りに迷惑をかけてしまうと考える人も多いです。企画側としては、研修を受けたいと思ってもらうために宣伝も重要ですが、今回は、上長に働きかけSC職の方が研修を受けても良いよという雰囲気を出してもらえるようお願いをしました。前向きに研修に参加してもらうためには、そういった根回しや周りの配慮が必要だと思っています。
「カルテ」を使って、働く価値感を明確にすることで内省を深める
― 今回の研修に、ココラボの「カルテ」を導入されましたが、入れようと思った理由は何ですか?
佐藤様:率直におもしろそうだなと思いました。自分の仕事に対する価値観や意向を診断で可視化するという経験がないので、ぜひ、試してみたいと思いました。実際に、私も「カルテ」を受診してみて、結果に納得感がありましたし内省につながると感じました。上長にも受けてもらって、結果を共有し合うことで相互理解にもつながると思いました。SC職の方にとっても、「カルテ」を受けることで、自分の働く価値観や意向を明確にすることが自己理解につながると思ったので、今回導入いたしました。
― この研修によって、SC職の方がどうなることを期待していましたか?
佐藤様:研修を受けることで、これまでの経験の棚卸しや自己理解を深め、これからの業務に活かすコツやポイントを掴んでほしいと思いました。また、今後の自分や仕事に対してモチベーションが向上し明るい気持ちになってほしいなと思いました。
― 実際、本研修を実施してみた率直なご感想や、感じられた効果があれば教えてください。
佐藤様:社内でアンケートを取りましたが、非常に満足度が高く実施して良かったと思っています。他の研修と比較しても活用度、理解度も高く、ポジティブなコメントばかりでした。内省の場を持てたことで、次のアクションが明確になったというコメントが多く、こちらの狙いは達成できたと感じています。今後の仕事に対して、前向きに行動できるポイントを持ち帰ってもらえたことは、企画側としても大変うれしかったです。
また、ファシリテーターの葛西さんへの評価も高く、同じ目線で話をしてくださり、かつリラックスして受講できる場づくりをしていただけたので、受講者にとっても納得感があり、内省が深まる場になったのだと思います。研修に慣れていない受講者も多いため、受講者の状況を汲み取ってファシリテーションをしていただけたことも非常に有り難かったです。
― 実際に、研修内で「カルテ」を使ってみましたが受講者の反応はいかがでしたでしょうか。
佐藤様:「カルテ」のような診断を通して、自分のことを知ることに皆さん興味を持っていますし、ワクワク感を持って受診していただけたと思っています。結果に対しても納得感があったようで自分を知る機会として非常に有効だったと思います。受講者の声で印象に残っているのが、ワークの前半でモチベーション曲線を書いて、後半で「カルテ」のワークがあったと思うのですが、モチベーション曲線で感じた自分の傾向と、「カルテ」で出てきた傾向が一致していると言う声があり、なるほどと思いました。「カルテ」は手軽に短時間で受診できるので、それで自分の傾向を知れるのは効率的で良いなと思いました。
また、別の受講者は、「カルテ」の結果の順位について、リモートワークになっていなかったらこれが上位には来ていなかっただろうと言っており、上司とのコミュニケーション不足に気づいたという方もいました。それを見て、確かに価値観も環境で変化するなと感じ、定期的にこのような機会は必要だなと思いました。
1on1の目的を明確にしたうえで、「カルテ」は相互理解にも有効である
― 「カルテ」は、上司と部下との距離を縮め、コミュニケーションを促進することを狙いとして作られたものですが、実際に貴社でやるとしたら効果がありそうだと感じますか?
佐藤様:効果は高いと思います。カルテで自分の傾向がわかりますし、その結果をもとに1on1をすることで、上司にも自分の傾向を理解してもらえます。そのことで、何か解消できることがあるかもしれませんし、上司もメンバーの意向がわかるので非常に有効だと思います。
― 貴社では1on1がかなり浸透していると思いますが、現状職場のコミュニケーションや1on1の推進において感じている問題意識はどのようなものがあるのでしょうか。
佐藤様:ソフトバンク社内にも、1on1について否定的な意見も一部あります。元々私は1on1を推進される側にいたのですが、その時は正直時間がない中で面倒だと思っていました。しかし、今は推進する側となって1on1はすごく大事だと感じています。そう思えるようになったきっかけは、1on1でのコミュニケーションが仕事においてどういう効果をもたらすのかを体験する機会があったからです。私の上長が、ある意味しつこく1on1をやってくださり、話すことで自分も変わっていった経験があるので、コミュニケーションすることの大切さや、1on1の効果を実感しています。なので、1on1に抵抗がある方に対して、その効果をもっと啓蒙できればと思っています。そのためには、月に1回30分やりましょうと型だけ強制しても根付かないので、なぜ1on1をやるのかと、その効果について最初にメンバー側にもしっかり腹落ちさせることが重要だと思います。上長の負荷が増えることは避けたいのですが、まずは上長が粘り強く働きかけることが大事かなと思っています。
― 今回のような研修は、どんな組織にお勧めしたいですか。
佐藤様:ソフトバンクのように、若手社員だけではなく、中堅やベテラン社員ががんばって組織を支えているところには、こういった内省を促すセルフマインド研修は良いのではないでしょうか。「カルテ」のように、自分の価値観や意向がわかる診断というのは年代問わず、楽しみながら受けてもらえると思います。
また、ソフトバンクは、さまざまな通信サービスやソリューションを提供しているので、「カルテ」のようにデータに基づいて自己理解を深めるということは受講者にとっても納得感が高かったです。マインド研修でありながら、データドリブンがある研修を取り入れてみたいと考えている組織には、ぜひお勧めしたいです。
― 今後の展望や取り組んでいきたいことはありますか?
佐藤様:まずは、今実施している研修を定例化したいと思っています。内省したい時やモチベーションが下がったなという時に、集まれる場所を常に用意しておきたいです。また、制度面でもスタッフ職の方にスポットが当たるような仕組みをつくって、ソフト面とハード面の両軸からもっと支援していきたいと思っています。
― 本日はお忙しい中、貴重なお話をありがとうございました。
◆プログラム概要
◆受講者アンケート(一部抜粋)
・普段業務に忙殺されて自分を省みる機会が少なかったため、改めて順序立てて自分を内省し、次のアクションへ導く道筋を見つけられたことがとてもよかったです
・シェアの時間で他の方の何気ない一言から、私のモチベーションアップの解決の観点を得られた
・自分自身を見つめなおし、振り返る非常に良い機会であった。また、将来的な方向性を考える良い機会になった
NEWONE担当からの一言
宇野 由紀恵
ブランドマネジメント部門 部門長
コメント
SC職の皆さんが1日中いなくなると、現場が困る状況でしたので、半日間のオンラインで実施することで、集中力高くご参加いただけたのではないかと思います。佐藤様からご相談いただいた際は、研修を受講するのが久しぶりな参加者が多く心配というご懸念を頂いておりましたので、冒頭のイントロダクションを長くしたり、グループワークの問いかけをわかりやすい言葉にしたり、Cocolaboのカルテを導入したり、できるだけハードル低く、楽しく参加いただけるよう設計しました。研修中、「これからも自分の強みを最大限活用して、営業の皆さんを動かしていきたい」という心強い言葉も出ていたのを聞いたときは、私もとても嬉しかったです。