※写真(左から)(株)J-オイルミルズ 総務・人事部 人財開発グループ?岡 裕樹様 総務・人事部 人財開発グループ マネージャー?後藤 亜弓様 (株)NEWONE?ファシリテーター?山田 静香
[会社プロフィール]
ホーネンコーポレーション、味の素製油、吉原製油の3社統合により誕生。「AJINOMOTOさらさらキャノーラ油」、各種オリーブオイルなどの食用油脂の製造・販売をメインとして、あらゆる食品のベースとなる素材を提供し、健やかで豊かな食生活に貢献するとともに、当社グループの持つユニークな技術をベースにお客様からの多様なニーズに対応した安全・安心な商品を提供している。
[スピーカー]
総務・人事部 執行役員 / 人財開発グループ長
大石 章夫様
[導入サービス]
・ 30歳キャリアアップ研修
[実施概要]
多様性を活かした強い組織になるために、30歳の社員を対象に自分を棚卸し、職場でリーダーシップを発揮することを目的に2日間キャリアアップ研修を実施。
ー 本日はどうぞよろしくお願いいたします。早速ですが、今回30歳キャリアアップ研修を実施するに至った背景について教えてください。
後藤様:オーソドックスな理由かもしれませんが、「社員の成長」が必要だと考えました。その際にスキル系の教育も必要ですが、自分を見つめ直す機会として得意なことや苦手なことなどをしっかり見つめ直し、これまでの経験を棚卸し、持論化することをしないと今後の成長につながっていかないなと思いました。そこで今回、キャリアアップ研修を実施させていただきました。
教育体系に過不足がないかを洗い出しをした時に、キャリアを考える機会が入社2年目と管理職に上がったタイミングにしかなかったため随分間が空いていることがわりました。以前から30代の課題として、周りに影響を与えたり、視野を広げることが求められてくる年齢ではあるものの、なかなかリーダーシップを発揮できないという課題がありましたので、そこに手を打ちたいと思いました。研修の内容も1日目は内省ですが、2日目は次の一歩目をどう踏み出すかを考えさせるものにして、こだわって設計させていただきました。
ー 2日間で、受講者にどうなってもらうことを期待していましたか?
後藤様:やはり「自律」することを期待しました。具体的には、自分で自分にドライブをかけられる人材ですね。弊社は離職率が低いので、ずっと同じ会社で仕事をするという人も多い中、刺激が少なく成長が鈍化するという人もいます。だからこそこのタイミングで、まずは自分を知って欲しいなと思いました。自分を知らないと周囲に働きかけることもできないし、弱みの部分は周りに助けてもらったり、改善していかなければなりません。まずは自分を知って、次に会社から何を期待されているのかを知ってもらいたいと思いました。
ー 昇格のタイミングではなく、30歳という年齢で区切って研修をするというのは、比較的珍しいと思うのですが、何か特別な想いがあったのでしょうか?
後藤様:昇格するタイミングでは、役割期待の理解を重視したいという想いがあります。一方で自分を見つめ直し内省するということは、もう少し手前の段階でやりたいなと思いました。30歳にこだわったのは、ある程度仕事の経験を積んでいて、調子が出てくるタイミングでもあるからです。以前、山田さんにおっしゃっていただいたのですが、他社の30歳はもっと自律して活躍している人がいっぱいいる中、他社と比べて弊社の30歳がやや幼いというお話を伺っていたので、このタイミングでこのような機会をもうけ、基準値を上げて視野を広げて欲しいなと思いました。なかなか他流試合する機会もありませんので、社内のレベルだけで自分はできていると満足してしまうと、できないことを会社や上司のせいにしたりとか、悪循環に陥ってしまうと思っています。30歳のタイミングで自分のポジションを見つめ直して、足りないところは謙虚に補っていくことが必要かなと思いました。
ー なるほど。キャリアという言葉を使って企業で研修を行うことは、ある種離職や転職にも繋がるリスクもあると思うのですが、その点はどのように捉えていますか?
大石様:確かに、これまでの弊社の流れで言うと、ジョブローテーションが少ないとか、仕事が属人化するといった課題がありました。その中でキャリアを考えさせると、社内ではなく社外に良いものがあるのではないかと考える恐れはあります。しかし、今後人事制度や方針を変える中で、もっとジョブローテーションを増やす動きもあります。それが定着すると、社内の中で今後のキャリアを探すこともできるようになると思っています。社内でもどんな仕事があるのか知らない人は多く、自分に合ったキャリアが探せないというような状況もあります。そのため、ポータルサイトで職場紹介の場を作って、この職場が何をやっているのか、どんなメンバーが活躍しているのかを知ってもらう機会を設けています。そういった動きもありますので、キャリア研修の意味付けは変わっていくし、変えていかなければならないと思っています。ちょうど今、そういった岐路に立っているのかなと感じています。
多様性を活かした組織になるために、自分で気づいていない能力に気づき職場で発揮する
ー 実際、2日間キャリアアップ研修を実施されてみていかがでしたでしょうか?率直なご感想や、感じられた効果があれば教えてください。
岡様:職場の中で自分は影響を与えることもできるし、与えなければならない年齢にもなっているという気づきはかなり大きな発想の転換になったと思っています。実際どのレベルまで現場で発揮しているか見えていない部分もありますが、少なくともインタビューやアンケートからは、「自分が旗を振らなければならい」という気づきが多くあったことは、大きな効果だったと思っています。
後藤様:表面的に考えるのではなく、なぜなぜと深堀りをして考える思考のプロセスを学んだことは、大きかったのではないかなと思っています。今後、何か壁にぶつかることがあっても、自分で深堀りして考えることができます。また、虫の目、鳥の目など、視野を広げる考え方なども盛り込んだプログラムにしたこともあり、受講者にとっては、新たな発見や気づきが多かった2日間だったと感じています。
ー 今回、NEWONEに本研修をご依頼いただいた理由について教えてください。
後藤様:何度かお打合せをする中で、研修ありきで話を進めるのではなくて弊社の背景や課題から一緒に考えていただき、一緒に作っているという感覚があったことがすごく大きかったですね。コーチングされているかのように自分の課題も一緒に引き出して下さるので、自分では気づいていかなった課題もどんどん出てきますし、そういった対話力というのは他社さんにはない御社の強みかなと思います。キャリアを考えるという研修ははっきりとした答えがないものですが、プログラムの内容には気づきを促す仕掛けがたくさん入っており、右脳で考えられるような仕組みがあったりと、全体を通して腹落ちできる設計になっている点がとても優れているなと感じました。
また、研修の中での山田さんの質問力が素晴らしく、深堀りするタイミングや一人ひとりを見ながら適切な投げかけを行っていただき、最後まで全員をリードするファシリテーターとしての力量は本当に見事だなと思っています。こういった点も他社さんとは全然違うなと思っており、御社にお願いして良かったと思っています。
ー ありがとうございます。今後、どんな組織づくりを目指していますか?今後の展望についてお聞かせください。
岡様:この研修がうまくはまると、自分自身がモーターになり自分で自分を回せる力がつくと思っています。そして、良い回し方ができる人が多くなれば、凄く大きなパワーになるのではないかなと思っています。そういった人がいろんな場面で増えていけば、力強い組織になるのではないかと思っています。
後藤様:今回のキャリアアップ研修で、自分らしさが何かわかっていなかったとか、改めて自分の強みを認識できたという声も多くありましたので、実は自分で気づいていない能力をみんな持っているのに、それを職場で発揮しきれていないというのが、大きな課題だと思っています。これから「多様性」というキーワードが重要になってくる中で、若手や中堅社員の能力を最大限に引き出せるような研修や教育体制というのを確立して、全体で底上げしていけるような組織にしていきたいなと思っています。そのためには、部下の能力を引き出せる管理職の育成も重要なポイントになりますので、これまで以上に力を入れていけたらと思っています。
大石様:自身のキャリアは、自分で考えるという前提がありますが、会社がそれを支援する背景には、会社の中で十分に能力を発揮していただきたいなという想いがあります。かつて、強い組織をつくるためには、強い個を育てることが必要で、特別なスキルを身につけていこうという考え方がありました。しかし、人生100年時代などとも言われる中でキャリアを考えるとなると、先程出てきた「多様性」というキーワードも入り、様々な視点や意識が加わってきて柔軟性が出てくると思っています。そして、強さと柔軟性が揃うと、発想も豊かになりますし、何か新しいことにチャレンジするようなことも多く出てくると思っています。会社としてキャリアを考える機会を提供し、自分でも勉強したり、意識したりしていく中で、これらが総合されれば会社として大きな力になっていくと考えています。キャリアの重要性、それを考えることの必要性を、会社としてまだまだこれから考え続けていきたいですし、新しい考え方や、やり方も常に模索し続けていきたいなと思っています。
― 本日は、貴重なお話をお伺いさせていただき、ありがとうございました。貴社の発展にこれからも貢献できればと思っていますので、引き続きよろしくお願いいたします。
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