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3年目はキャリアを“立て直す”タイミング──自律的成長を支援するには?

3年目はキャリアを“立て直す”タイミング──自律的成長を支援するには?

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著者

棚橋 彩香

著者

棚橋 彩香

株式会社NEWONEに新卒入社。研修をメインとして、人材育成・組織開発のHRパートナーとして従事。新入社員・若手から管理職まで幅広い階層を支援している。また、組織開発の一環としての社内イベントの企画・運営を行う。

NEWONEでは、あらゆる企業のご希望やお悩みにあわせた
多種多様な研修を取り扱っております。

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キャリアに正解がない時代、若手社員の多くが「今のままでいいのか」「この会社で自分は何を目指せばいいのか」と迷いを抱えています。
特に3年目というタイミングは、業務への慣れが生まれる一方で、自分の成長や配属とのズレに気づきやすく、職場や会社への“距離感”が生まれやすいフェーズでもあります。

そのとき、多くの若手が陥りやすいのが「この会社ではもうこれ以上成長できないのでは?」という思い込みです。
しかし実際には、“自分の成長”を多面的に振り返ることこそが、あらためて“自社での可能性”を発見する鍵になると私たちは考えます。

なぜ、「成長の棚卸し」がキャリアの納得感を生むのか?

配属から数年が経過し、ある程度の業務スキルや成果を出してきた若手にとって、自分の伸びしろが見えにくくなることは珍しくありません。
しかし実際には、目に見える成果以上に、日々の業務を通じて培ってきた「目に見えにくい成長」が多くあります。

たとえば

  • ロジカルに物事を整理する力
  • チームの空気を読み、円滑に進行させる力
  • 上司の意図を読み取り、意図に沿ったアウトプットを出す力

こうした力は、社外では“当たり前”ではなく、むしろ価値あるポータブルスキルです。
にもかかわらず、本人が気づかないまま「何者にもなれていない」と思い込んでしまえば、キャリアの選択肢を“自社の外”にしか見出せなくなります。

NEWONEでは、エンゲージメント向上をはじめとした
人・組織の課題解決のヒントとなるセミナーを開催しています。

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だからこそ、「成長の再認識」→「仮決め」→「実践」の循環が重要

① 自分の中に“育っていた力”を見つける

「何も変わっていない」ように見えても、経験を振り返って言語化すると、“自分なりの成長”が確実に積み上がっていることに気づけます。
それが、「自分はこの会社で育ってきた」「次のチャレンジにも意味がある」という感覚を支えます。

② これからの方向を“仮に”決める

すべてを決め切る必要はありません。むしろ、「この先1年で試してみたいテーマは?」「何を伸ばしてみたいか?」という仮決めを置くだけで、視野が閉じず、未来が“自社の中”で再び動き出していきます

③ 行動を通じて「ここでもう一度進める」実感を得る

仮決めに沿って小さな行動を始めることで、成長の再現性と手ごたえが生まれます。
それは、「この会社でもう一度、前に進めるかもしれない」という前向きなキャリア感情につながります。

キャリアは、“自分の可能性”を思い出すところから再始動する

キャリアの悩みが大きくなったとき、人は「ここではないどこか」に希望を見出そうとします。しかし、本当に必要なのは、「ここで何ができるか」「自分は何を積み上げてきたか」を見直す視点かもしれません。

若手が3年目で抱える不安は、「外に出たい」という欲求よりも、「自分に何があるか分からない」という自己不信が根っこにあることも多いのです。だからこそ、「成長の可視化によって、“自分の中にあった力”に気づければ、キャリアは社内から再起動できる」と考えます。

その実感を持てるかどうかが、3年目以降の自律とリテンションを大きく左右していくと考えます。