事例概要
- 実績
-
導入サービス
キャリア研修
対象
30歳前後・45~50歳
実施概要
多様な働き方を選択できるように人事制度を変更。自身のキャリアに目を向けるだけでなく、周囲のメンバーや組織に対して、今後どのような影響力を発揮していきたいかを考える機会を提供することを目的に、ライフステージが変わるタイミングである30歳前後、45~50歳にキャリア研修を実施。
― 今回、貴社でキャリア研修を実施するに至った背景・理由について教えてください。
東地様:弊社のHR部門のミッションとして「自立・自律」の人材育成を掲げています。自分のことは自分で考え実行する「自己実現型」を目指してきた背景もあり、これまでは、キャリア研修の実施といった、今後のキャリアを考えるような機会はありませんでした。その中で、昨今の時代変化を踏まえて人事制度を見直し、多様な働き方ができるよう柔軟性のあるコース設定をし、今後のキャリアを見えるようにしました。ただ、制度だけ作っても実際にそれを運用・活用するのは社員一人ひとりなので、もっとうまく活用してもらうために、今後のキャリアを考える機会を提供する必要性を感じ、今回30歳と50歳にキャリア研修を実施させていただきました。
一刎様:先が見えない時代において、以前から自分のキャリアを考える機会を個々人に持ってほしいと考えていたこともあり、東地から相談を受けた時に、ぜひキャリア研修をやりたいと思いました。特に30歳、50歳という年代はライフステージが変わるタイミングですし、これまでの自分を振り返って今後のキャリアをどう描くかを考えることは非常に大事なことだと思い、今回実施させていただきました。
― 今回実施した30歳・50歳という世代に、共通の課題や想いがあればお聞かせください。
東地様:30歳、50歳というタイミングは、私自身を振り返ってみても今後のキャリアに向き合い考えた時期でした。同期や後輩を見ていても、30歳前後は仕事の責任も増え、プライベートでは結婚など将来を考える時期だと思います。今の仕事が本当に自分に向いているのかなと悩む時期でもあり、そこで辞めていく人もいます。向き合った中で違う道を選択するのは仕方ないですが、何となくしんどいからそこから逃げる、よく考えずに今の環境を変えたいというだけで辞めていくようなことがないようにしたいです。
50歳は、今現在の制度として55歳で役職定年、60歳で定年となっていますが、今年の4月から70歳まで雇用の努力義務が始まるなど、人生100年時代の中、どんどん変わっていくことが予想されます。私は、30歳で東京転勤や、50歳で2回目の転勤、そして人事への異動もあり、30歳・50歳と今後を考える機会に恵まれてきました。そういった背景もあり、ライフステージが変わる大事なタイミングで、目の前の仕事の大変さや先行きの不安だけで今後のキャリアを安易に選択してしまうことがないよう、しっかり向き合ってほしいという想いが、強くあります。
立ち止まることで、自分で“キャリアを描く”ことの意識付けができた
― 本研修を実施してみた率直なご感想や、感じられた効果があれば教えてください。
東地様:これまでの自分自身を振り返る良い機会になったと思います。特に30代は、立ち止まって振り返ったことで、目の前のことだけをやっていた自分に気づいたという受講者もいました。また、その上長である管理職との関係性に新たな課題が見えてきた機会にもなりました。課題が見えたということは、研修の効果があったからこそだと思います。
一刎様:弊社は比較的真面目で一生懸命がんばる人が多く、これまでは山の頂上ばかりを見てきたと思うのですが、今回は、これまで登ってきた道を振り返る貴重な機会になったと思います。また、振り返ると共に今後をどう描いていくか考える良い機会にもなったと思います。30歳キャリア研修の受講者とたまたま話す機会があり、感想を聞いたところ「キャリアについて考える時間が持ててすごく良かった」と話しており、“キャリアを描く”ということの意識付けはできたのではないかと感じました。ただ、日常の業務に追われると、せっかく良い気づきがあっても忘れてしまうので、我々がフォローできるよう今後も働きかけていきたいと思っています。
― 今回、NEWONEにお任せいただいた理由について教えてください。
東地様:キャリア研修は、人によっては離職につながるリスクもあるため内製でやるのは難しいと感じ、プロの力を借りるべきだと考えていました。部下がNEWONEさんのセミナーに参加し、エンゲージメントを軸にすべての研修を組み立てているというお話を伺ってきました。「会社と社員の双方がハッピーになれる結びつきの部分である“エンゲージメント”を大切にされているNEWONEさんだからこそ、一緒にやることに大きな意味がある」という部下の強いプッシュもあり、お会いさせていただきました。庄司さんや養會さんとお話する中で、我々の現状や想いを汲み取って一緒に形にしていただけそうだなと感じました。我々もお客様からアウトソーシングしてもらう立場にあり、相手主体で考えることを大事にしています。そういったスタンスが伝わるご提案だったと感じたことが、今回NEWONEさんにご依頼させていただいた一番の理由です。
― ありがとうございます。今回のような研修は、どんな組織にお勧めしたいですか。
東地様:現在、新しい時代に合わせて人事制度を変えたり、変更を検討しているところは多いのではないかと思います。その中で、制度だけでは足りないなと感じている組織にはキャリア研修は効果的なのではないでしょうか。また、「自立・自律」というキーワードは、弊社以外でも耳にしますので、同じような悩みや課題を抱えている組織は多いのではないかと感じています。特に歴史のある組織や、これまで制度や仕組みをしっかりとつくってきたところほど、悩まれているように思うので、そのような組織には、今回のようなキャリア研修は必要なのではないかと感じています。
一刎様:今回の研修は、30歳前後や40代後半から50歳の社員がいるところには、どんな組織でも効果的だろうなと思います。また、目の前のタスクに追われ真面目にがんばっている人ほど、キャリアを描けなくなってしまうということに陥りがちなので、そのような人が多い組織には、特にお勧めかなと思います。キャリア研修は自社内で実施すると、どうしても会社の意図を間違って捉えてしまう人もいるので、第三者の立場からお話いただいた方が、受講する側もすんなりと受け入れられると思うので、外部の方にお願いすることに意味があると思います。
「自律」とは自分で決めた事を、やり遂げる意志の強さである
― 今後どのような組織をつくっていきたいですか?
東地様:これまでお伝えしてきたことの繰り返しとなりますが、「自立・自律」がテーマとなります。弊社は、自分で立つ自立は比較的できている人が多いと思っています。一方で、自分で自分を律する自律については、世の中や会社の決め事だけではなく、自分で決めた事、自分との約束をよりしっかりできるようになってほしいと思っています。特に目標設定は、誰かに言われたからやるのではなく、自分自身で掲げた目標をやり遂げるということです。「やると決めたことをやり切る、やらないと決めたことはやらない」という、一人ひとりの意志が強い会社にしたいです。そうすることで、今後どのような環境になっても生きていけると思いますし、組織としても長く存続できると思っています。私自身としても、次世代につなぐ最後の総仕上げとして取り組んでいきたいと思っています。
一刎様:人事に異動した時から、ずっと掲げているテーマが「個人と組織のパフォーマンスを最大化する」ことです。個人が強くなることで、組織としても強くなり、より良い組織になると思っています。今後も、各個人がありのままの自分でパフォーマンスを発揮することによって、組織のパフォーマンスを最大化することをサポートしていきたいです。
アフリカのことわざで、「早く行きたいなら一人で行け、遠くに行きたいならみんなで行け」という言葉があるのですが、弊社がこれまで120年続いてきたのも、まさに、「みんなで行くから遠いところに行けるし、大きなこともできる」組織だったからだと思っています。これから先100年続く会社であるためにも、みんなの力で会社を強くしていきたいと思っています。
◆プログラム概要
30歳キャリア研修
50歳キャリア研修
◆受講者アンケート(一部抜粋)
30歳キャリア研修
・目の前の業務に追われていて、自分の円(影響範囲)を広げること、人生の中の一部が仕事であることを今一度気づかされた。また理想と現実のギャップは数値化すると中々インパクトがありました
・普段深い話をしないメンバーとも価値観を共有できたのは、様々な視点を取り入れる良いきっかけとなった
・自分を見つめ直す機会であると共に、他参加者の意見を聞くことで新しい角度からの見方を知れたのは大きかった
・同世代やちょっと上の先輩方が、キャリアについてどう感じ、何を大事にされているのか、聞けたことが財産でした
・普段の交友関係の狭さに気づいた。社内においても同様で、上司以外と話すことが少ないと感じたので、いろんな人と話すようにしていきたい
50歳キャリア研修
・将来への不安に目を閉じていることを改めて思い知った
・捨てて良いこだわりもあるし、捨てなければならないと思った
・グループワークにて、他の方が色々な考え方をもって業務に臨んでいる事がわかった。また表面的な想いだけでなく、将来に対する不安などの話もあり、同世代で想いが共有できた
・未来の自分を想像して、今・現在どうするかを考えることの大切さ。そうすることで現在の自分の在り方が変わる。手放すものを手放してみた時の未来をイメージすることで、かたくななこだわりなどなく、理想の未来に近づけることができるかもしれない
・今の自分があるのは、過去の転機があってのことで、それぞれの転機で選択したことが今につながっている。目の前のことだけではなく、未来を想像して決断すべきだと思った
・参加者みなさんの考え方を知れたこと、共有できたことが、自分の新たな気づきと学びにつながり、将来の可能性を感じ、よりモチベーションが上がる内省になりました