理念浸透の第一歩となる全社員参加型ワークショップ
~MVVとブランドメッセージを体現できる組織づくり~

なないろ生命保険株式会社
※写真右から なないろ生命保険株式会 戦略企画部 アシスタントマネージャー 林 秀人様 人事部 アシスタントマネージャー 辻田 博士様 戦略企画部 調査広報担当 國吉 彩加様 株式会社NEWONE 組織・人材開発事業部 HRパートナー 増富 寧々 執行役員 兼 事業責任者 小野寺 慎平
会社名
なないろ生命保険株式会社
https://www.nanairolife.co.jp/
業界
金融(保険・証券・銀行他)
従業員規模
200~999名
対象範囲
全社員

事例概要

課題
  • グループ会社出身の社員が多いという背景から、「自社らしさ」を体現できる社員を増やす必要性が高まったこと
効果
  • ミッション/ビジョン/バリュー/ブランドメッセージと自分との「つながり」の促進
  • 自社らしい行動の再確認
  • 組織内で今後のチームや部門の方向性を考える対話の増加
実績

導入サービス

理念浸透ワークショップ

対象

全社員

実施概要

ミッション・ビジョン・バリュー(以下MVV)とブランドメッセージを浸透させることで、組織の一体感の醸成やなないろ生命らしさを体現できることを目的に、2024年6月~10月にかけて、全社員(約320名)を対象に理念浸透のワークショップを実施。

― 今回、全社員を対象に理念浸透のワークショップ実施しようと思った背景、理由について教えてください。

國吉様:なないろ生命(以下「当社」)は、親会社である朝日生命の一部門がカーブアウトし、2021年に設立された会社です。当社には朝日生命からの出向者もいれば、会社が設立されてから中途で入社したメンバーもいて、様々なバックグランドを持つ従業員が混ざり合っています。当初は、なないろ生命ならではの特徴や強みが言語化できていない、うまく発信できていないという状態にありました。また、従業員の意識調査からも、全社としての一体感がないという課題があることも認識していました。このような背景がある中で、2022年から当社のブランドメッセージを策定するプロジェクト(ブランド戦略ワーキンググループ、以下ブランド戦略WG)が始まり、2024年度に当社の新しいブランドメッセージとして「あきらめないで、いい保険。」を立ち上げました。それをきっかけに、MVVと共にブランドメッセージを全社員に向けて浸透する活動をやっていこうということになり、その一環として実施したのが、今回の理念浸透ワークショップです。

自身とMVVとブランドメッセージの距離を近づける

― 理念浸透のワークショップを通じて、メンバーや組織がどうなることを期待していましたか?

林様:MVVやブランドメッセージを理解、共感し、自分事として捉えた上で日々の仕事と紐づけられることを期待しました。MVVやブランドメッセージは、言葉としては知っているけれど、なかなか自分事に落とし込むことができていない方が大半でしたので、このワークショップを通じて、自分とMVVとブランドメッセージの距離を近づけるきっかけにしてほしいと思いました。

他部署との交流を通じて、共感と理解が深まる機会となった

― 2024年の6月から10月にかけて、全社員(約320名)を対象に、本ワークショップを実施してみた率直なご感想や、感じられた効果があれば教えてください。

辻田様:当社が設立されてから、全社員が参加するワークショップは初めてだったので、最初は皆さんに参加してもらうための調整に戸惑うこともありました。しかし、実際に開催してみると、参加者からはポジティブな感想をいただくことが多くありました。素直にうれしく、開催して本当に良かったと思っています。ワークショップの開催が進んでくると、少しずつですが「あきらめないで、いい保険。」という言葉が、自然と飛び交うようになったと感じました。開催後のアンケートの結果を見ても、“自分の価値観を振り返る良い機会になった” “日々の具体的な行動がイメージできた”など、自分とMVVとブランドメッセージの距離を近づけることができたのかなと感じるコメントもありました。今回は異なる所属のメンバーをあえてミックスして参加日程を組んだこともあり、他部署の人との交流や、MVVとブランドメッセージに対する温度感を感じられたという声も多くありました。

國吉様:ワークショップの中で、そもそも「なぜMVVやブランドメッセージが必要なのか」というところから入っていただいたので、従業員の皆さんにとってわかりやすい内容だったと思います。管理職の方においては、社内の意思統一や社外への情報発信におけるMVVやブランドメッセージの重要さをより理解してもらえたのではないかと思っています。アンケートの中には、「今後、部下によりわかりやすく伝えていくことが自分の使命だということが理解できたので、改めてMVVやブランドメッセージに対する理解を深めながら業務に取り組んでいきたい」というコメントもありました。

― メンバーや組織の変化など、何か印象に残っているエピソードがあればお聞かせください。

辻田様:実施を終えてからまだ1ヵ月なので、具体的な組織の変化については、これから様子を見ていく必要があると思っています。印象に残っているエピソードとしては、全社員を対象としていますので、入社したばかりの人にも参加してもらいました。最初は知らない人ばかりで会社のこともよくわからないので不安な様子だったのですが、参加後にすぐに私たちのところに来てくれて、他部門のスタッフと話せる機会は他社でもなかなかないので、すごく良い機会になったと話してくれました。現在、その方は入社して半年なのですが、すでに当社のMVVやブランドメッセ―ジをしっかり理解し、それを実践しているという話を周りのメンバーから聞いています。もちろん、今回のワークショップだけが要因という訳ではないと思いますが、良いきっかけになってくれたのかなと感じています。

林様:ワークショップの冒頭で実施頂いた、MVVやブランドメッセージについてどれくらい共感しているか、重要性を理解しているかを尋ねるスタンディングアンケートが印象に残っています。そこで、最初はあまりポジティブに捉えていなかった人が、ワークショップを受けた後にポジティブに寄った発言をしているのを聞くと、少しでも理解や共感を深めてもらうことができたのかなと思えました。

理念は「日々の仕事の中に既にあるもの」

― 理念を浸透していくにあたって、何が一番重要なポイントだと思われましたか?

林様:MVVやブランドメッセージに接触する機会を増やすことも重要だと感じています。日々の仕事に追われていると、どうしても忘れてしまうので、社内報の発信などを通じて少しでも認識してもらえる機会をつくっていくことが大事だと思っています。

辻田様:社内に向けては社長からも、ことあるごとにMVVやブランドメッセージの重要性やそれに関するエピソードを発信してもらっていますが、ブランド戦略WGのメンバーからも発信し続けることで、日々の仕事の中で少しずつ体現している感覚を持ってもらうことです。そのためにも、業務につなげられるような発信の仕方、打ち出し方をしていくことが大切だと思っています。

國吉様:従業員の皆さんにとって、日々の仕事に近いものとして感じてもらうための工夫が大事だと思っています。MVVやブランドメッセージだけを聞くと、ハードルが高いものや、堅苦しいものに感じてしまうことや、日々の仕事とは関係ないようなものに聞こえてしまうことがあります。そうした理由からややネガティブな受け止め方になる人もいるかもしれないので、「日々の仕事の中に既にあるものだ」ということを、理解してもらうことが大事だと思いました。

― 「あきらめないで、いい保険。」というブランドメッセージが生まれた経緯についてお聞かせください。

國吉様:ブランドメッセージは、2022年から検討プロジェクトが始まり、約2年がかりで策定したものになります。当社では、保険の本来の役割は、お客様に何かあった時、受けたい治療の選択をあきらめないでいいこと、給付金を受け取っていただくことで、生活の質や生きること、未来をあきらめないでいいことだと考えています。そこに立ち返り、なないろ生命らしさを表現したブランドメッセージになっています。お客様に対しても、それを販売いただく代理店の皆さまにとっても、当社が大切にしていることや、提供できる価値が「あきらめないで、いい保険。」であるということが、わかりやすく伝えられるメッセージだと思っています。

ワークショップ実施は入り口であり、浸透が目的である

― 今回、NEWONEにお任せ頂いた理由、決め手について教えてください。

辻田様:当社として全社員にワークショップを実施するのが初の試みでしたので、いくつかの会社様にお声がけをしてそれぞれ体験会を実施していただきました。その中でも、MVVとブランドメッセージを浸透させるという目的を考えると、難易度的にNEWONEさんが最適だと感じました。また、理念を浸透していく上では、ワークショップはあくまでその入り口であり、きっかけに過ぎないと思っていたので、ワークショップの開催自体を目的にしてはいけないと考えていました。NEWONEさんからは、ワークショップ実施後のプランも具体的に提示いただけたことが、今回ご依頼させていただいた重要なポイントだったと思っています。

林様:他社様ともお打ち合わせをさせていただいたのですが、NEWONEさんが一番当社に寄り添ってくれていると感じました。ワークショップをやって終わりではなく、その先のことも考えてくれていたことや、すべてのやり取りにおいて、レスポンスもすごく丁寧で親身になってくれていることが伝わってきました。NEWONEさんとご一緒させていただいて本当に良かったです。

― 今回実施した理念浸透のワークショップは、どのような組織にお勧めしたいですか?

辻田様:当社のような新しい会社はもちろんですが、歴史のある会社様でも、理念として言葉だけがあって浸透していない、もっと意識してほしいという会社様があればお勧めしたいです。自社の理念について、日々業務に追われていると、なかなか立ち止まって考える機会がないというのが正直なところだと思います。そういった課題を感じている会社様の方には、ぜひ、お勧めしたいです。

林様:他部署との交流が少ない会社様にお勧めしたいです。最初はハードルが高いかもしれませんが、やってみるとプラスの効果がとても大きかったと感じています。他部署がどんな仕事をしているか何となく知っていても、どんな想いでやっているのかは対話することで初めて理解することも多いです。会社として様々な業務がある中で、それぞれがどういう業務をしていてどういう大変さがあるのかがわかると、お互いにリスペクトして働くことができると思います。

“なないろ生命らしさ”を自然と体現できる状態を目指す

― 今後取り組んでいきたいことや、注力していきたいことについて教えてください。

國吉様:各部門、従業員一人ひとりがMVVやブランドメッセージを日々意識して取り組んでいくことができるように、所属内のミーティングや、部門の計画を立てる際にもそのエッセンスとして加えられるようにしていきたいです。これまでやっていなかったことに取り組んでいるので、今はまだ異質なものに感じられるかもしれません。日々、発信し続けることで、ゆくゆくは自然になないろ生命らしい行動ができている状態、MVVやブランドメッセージが体現できる状態を目指していきたいと思っています。

林様:“なないろ生命らしさ”を体現している人の姿勢や考え方、行動などを具体的に示せる取り組みをしていきたいと思っています。表彰制度として、「なないろ賞」という、組織の業務改善等に資する取り組みについて表彰する制度があるのですが、それをより個人の想いや取り組み姿勢にフォーカスしたものにバージョンアップしていけたらと考えています。

― 本日はお忙しい中、貴重なお話をありがとうございました。今後とも何卒よろしくお願いします。

◆受講者アンケート(一部抜粋) 

  • 立ち止まって会社の理念と自身の行動について考えることが出来た。異なる部署の方と話が出来、会社全体を通して考える機会となりました。
  • 自分の業務において、MVV・ブランドメッセージを自ら遠い存在であるとしていたことに気づかされました。日々業務に追われる中ではありますが、本ワークショップのことを忘れず、活かしていきたいと思いました。
  • いつもとは違う場所で、いつもは出会えない方たちの話を聞いたり、自分の話を聞いてもらう貴重な時間に参加させてもらい、とても視野が広がりました。出会えていなかった沢山の方たちがいろんな考えや経験をしてきている話が聞けてとてもよかったです。
  • 今までMVVやブランドメッセージと自分の業務を結びつけることができていませんでしたが、今回のワークショップで具体的な行動をイメージすることができたと思います。
  • 他部署の方との対話により価値観を聞いて刺激を受けました。
  • 自分が目指す組織像について、部メンバーに落とし込みやすいようにより具体的に考えることができました。
  • MVVは業務運営に落とし込みができていると思っていましたが、ブランドメッセージに対しては自分の思いが浅かったことがわかりました。自分自身が納得感を持たないと所属にも浸透しないなという気付きがありました。
  • MVV・ブランドメッセージをふまえたチームの目指す姿を言語化したことでより明確になり、とても良い機会でした。

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NEWONE担当からの一言

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「なないろらしさ」を語れる社員を増やしたいという皆様の想いに応えたく、本施策の企画設計に携わらせて頂きました。上記の想いを達成するためにビジョンやブランドメッセージを身近に感じ、自分との「つながり」を意識できるようなワークショップ設計やワークショップ中は「間違いではなく違いを理解する」心理的安全性の高い場づくりを重視しました。本施策は全社向けに実施しましたが、これを出発点として、さらに「なないろらしい」組織作りができるよう、今後もお役立ちできればと思います。