
NEWONEでは、あらゆる企業のご希望やお悩みにあわせた
多種多様な研修を取り扱っております。
目次
あなたの職場に、こんな新人はいませんか?
「自分のやりたいことができる環境に身を置きたい」
「わからないことは、自分で考えるより、まず人に聞いて解決したい」
「自分にとって意味のないことはやりたくない」
今どきの新人の価値観をつかみきれず、研修が空回りしてしまう。
そんな悩みを抱える方も少ないないと思います。
本記事では、研修がスベる原因となる3つのズレを整理し、新人のリアルに合わせた研修設計、そして行動定着へつなげるヒントをお伝えします。
▶こんな方におすすめ
2026年度に向けて新入社員研修の企画を考えている方
できるだけコストを抑えて、研修のブラッシュアップを図りたい方
今の若手の傾向と向き合う
「最近の若手は扱いづらい」「考え方が違いすぎる」と感じたことがある方も多いのではないでしょうか。しかし、今の若手の傾向は本当に“ダメなこと”なのでしょうか。
たとえば、10年前に入社した社員と比べてみましょう。
当時は“会社に入る”ことをゴールとし、組織の中でどう成果を出すかを重視する「就社型」の価値観が一般的でした。一方、今の新人たちは“会社に入ってからどう生きるか”を重視し、個人としての成長や将来の選択肢を見据えた「キャリア型」の価値観を持っています。
人生100年時代を見据え、“自分らしく働く”ことを真剣に考えているのです。
「やりたいことができる環境に身を置きたい」という言葉の背景には、長期的な視点で自分の成長を見据える意識が隠れているのかもしれません。
また、「すぐに答えを求めてしまう」傾向については、彼らは“ネオ・デジタルネイティブ世代”と呼ばれる存在であり、情報を効率的に収集・選択するスキルを持っています。
限られた時間の中で最適解を探るその姿勢は、むしろ新しい「成果の出し方」なのかもしれません。
さらに、「意味があることしかやりたくない」と語る背景には、自分の働く動機を見つけようとする姿勢があります。「達成」や「快楽」だけでなく、自分が本当に価値を感じることを自覚的に求めているのです。言い換えれば、彼らは“自分の意思をもって働こうとしている”世代といえるのではないでしょうか。
こうした傾向の変化は、若手が変わったというよりも、社会そのものの流れが変化していると認識する必要があります。
日本型雇用の転換による雇用の多様化、AIやロボットの進化による「人にしかできない仕事」への注目、そして“働きがい”を重視する風潮。こうした社会的な変化が、若手の価値観にも影響を与えています。
今の若手は、圧倒的な情報量の中で生きています。
その分、選択肢も増え、自分にとって最適な道を探そうとしています。
一見すると自由で恵まれた環境のように見えますが、実はそれだけ迷いや不安も多い時代です。
「これが正解だ」と言われれば迷わず走れた時代から、「何が正解かわからない」中で、自分の軸を持ち、自ら決めて進んでいく時代へと変化しています。
彼らは、選べる環境に身を置いているのではなく、選ばざるを得ない環境に身を置いているのではないでしょうか。
だからこそ、意味や価値を感じられることを重視し、自分に合うものを選ぼうとする傾向が強くなっているのです。
若手の意識・行動の背景には、選択の自由の裏にある不安、そして何かをつかもうとする真剣な葛藤が隠れているのです。
新入社員研修がスベってしまう3つの落とし穴とその要因
「あの新人研修、ちょっとスベっていたな…」と感じた経験はないでしょうか。参加者の反応が薄い。研修後の行動変化も見えない。そんな研修には、ある共通点があります。それは、「新人」と「育成環境」の間にズレが生じていることです。このズレが大きいほど、研修は空回りし、新人も育成担当者も「思っていたのと違う」という不満を感じてしまいます。
新人が研修に対して不満を感じることもあれば、育成担当者側が新人に対して不満に感じることもあります。つまり、“スベる研修”はどちらか一方の問題ではなく、両者の間にある認識のギャップが原因なのです。では具体的にどのような”ズレ”があるのかを見ていきましょう。
①新人の実態とのズレている
最初の落とし穴は、「今の新人の実態」と研修設計とのズレです。
たとえば、Z世代という言葉で一括りに捉えてしまったり、育成担当者の主観だけで研修を設計していたり、「新入社員にはこれが大事だ」と過去の常識に基づいて内容を決めてしまうケースです。このように、現場で実際に起きている新人の実態を正しく捉えられていないと、せっかくの研修も受け手の現実感と乖離し、響かないものになってしまいます。
改善策
新人の“今”を正しく理解するためには、主観ではなく客観的なデータに基づいて研修を設計・改善することが重要です。
■客観的なデータを収集する
たとえば、「グループワークが盛り上がっていたから良い研修だった」「個人ワークに集中していたから成功だった」といった感覚的な判断にとどまらず、
「研修中のアンケートで〇〇と回答した人が多かった」「研修後に△△ができるようになった」といった数値や行動の変化を基に評価することが大切です。
このように、感覚ではなくデータをもとに研修の効果を検証し、改善を重ねていくことで、PDCAをしっかりと回すことができます。
■データ量を増やす工夫を行う
ズレを埋めるためには、「データの量と質」を少しずつ高めていく工夫もポイントです。
難しい仕組みを導入しなくても、次のような工夫から始められます。
・アンケートの工夫
自由記述だけでなく、複数選択式の回答を設けて回答傾向を可視化する。
・現状整理を事前課題にする
研修前に上司と簡単な振り返りを実施して事前に提出してもらい、その内容をAIなどで分析して傾向を掴む。
・研修後の実践を見える化
職場実践ツールを使って、研修後の行動変化を可視化する。
もしツールが使えない場合でも、上司に対して研修前後にどんな行動変化が見られたかをアンケートで確認するだけでも有効です。
このように、少しずつデータを集めて可視化することで、感覚ではなく「根拠ある育成」に変えていくことができます。
②研修設計思想が古い
・去年の反省点をつぶすだけのマイナス修正
・インプットしておけばOKという構成
・紙で配布し、ペンで書かせる構図で書いている量だけで受講姿勢を判断する
そんな状態になっていませんか。
改善策
研修を行う目的は、研修の「理解度」や「満足度」を高めることではなく、受講者の行動変容を生み出すことです。まずはその原点に立ち返ってみましょう。
たとえば、「紙で配布することにこだわっている」という企業様も少なくありません。
その背景には「受講者に集中してほしい」「内職されたら困る」という意図が隠れていることもあるのではないでしょうか。
一方で、データに移行した場合、ワークのアウトプットを提出してもらい、自社の新人の傾向をつかむデータを収集できるかもしれません。
その“こだわり”が本当に行動変容につながっているのかを一度立ち止まって、目的とのつながりを見直してみてください。
また、新人研修と言えば、一日の研修で詰め込んでしまいがちです。
しかし、内容を一回で消化しきれなかったり、逆に受け身を醸成しまい、手ごたえを得づらくなってしまうというデメリットもあります。
そこで、「トランジション・サポートモデル」という考え方があります。
これは、一日研修で内容を詰め込むのではなく、半日研修を複数回に分けて実施し、着実に行動変容を促す設計です。
小さな実践と振り返りを繰り返すことで、学びが“自分の行動”として定着していきます。
NEWONEでは、エンゲージメント向上をはじめとした
人・組織の課題解決のヒントとなるセミナーを開催しています。
③現場とズレている
現場との意識のギャップも問題です。現場は「早く戦力になってほしい」と願う一方、育成側は「じっくり時間をかけて育てたい」と考えている。このズレが、研修内容と実務の間に温度差を生みます。
結果として、「現場が本当に何を求めているのかわからない」「研修で伝えたことが現場で発揮されていない」といった声が上がってしまいます。
改善策
こうしたギャップの背景には、育成のゴールが共有されていないことがあります。
そのため、まずは“順調にオンボーディングしている状態”を明確に定義することが重要になります。
その理想像と現状の差分を定期的に振り返ることで、研修の方向性を常に現場とすり合わせることができます。
また、現場と育成側の視点をそろえるためにやめる人に目をむけるだけでなく、「定着・活躍している人の要因は何か」という視点から、自社に定着・活躍する社員の行動特性や価値観を言語化することも有効です。
その共通点を研修設計に反映することで、現場と育成側の目線を一致させ、より実践的で効果的な研修へと進化させることができます。
まとめ
本記事では、「今の若手」と研修設計のズレをテーマに、3つの落とし穴と改善の方向性を整理しました。若手の価値観の変化は、決して“問題”ではなく、社会の流れの変化を映す鏡です。だからこそ、過去の常識ではなく今の実態を捉えた研修設計が求められます。主観的ではなく客観的に理解し、現場とつながりながら行動変容を促すことこそが、次世代育成を成功に導く鍵となります。本記事が、皆さまの研修設計を見直す一助となれば幸いです。
セミナーアンケート(一部抜粋)
- 時代の特徴、そこでの必要性、新卒視点など、大事な視点をたくさんいただきました。短時間で気付きの多いセミナーをいつもありがとうございます
- 他社さんも同じように新人研修について悩みを持っていることを知って安心したと共に、最近の子=悪いとは思わず、その子たちにはまる様な研修を打ち出していくために、改めて目的などの洗い出しをする必要があると感じた
- 現状を正しく冷静な目で把握し、それと目指す姿のギャップを適切に埋めてゆくことを見失わないようにしたいと思います。まずは、自組織において「良い育成」を言語化して、人事部の共通認識にしたいと考えます
- 来年度の新卒研修を初めて担当することになり、まだ何もわからない状態でしたが、気を付けるべきポイントを教えていただけたと思います
登壇者の声
セミナーの際にもお伝えさせて頂きましたが、我々が新入社員に良く伝える、「振り返りの習慣をつけよう」、「PDCA回せている?」等は育成施策で回せてるでしょうか?という点が最も振り返るべき点だと感じております。やる事が目的ではなく、育成をしてくことが重要です。多くの企業さんがやりっぱなしにならないことを願っております。
株式会社NEWONEでは「すべての人が活躍するための、エンゲージメントを」をブランドプロミスとして研修やコンサルティングサービスを通じて様々な企業様とご一緒しております。
