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最近、シニア層の方向けの施策に関するご相談をいただく中で、耳にする機会が増えている「アンラーニング」。学習棄却や学びほぐし、脱学習などの言い換えがあり、なんとなく理解しているつもりでも、いざ説明するとなると整理できないことに気付かされる方も多いのではないでしょうか。
この記事では、アンラーニングが求められる背景と、アンラーニングを起こすための具体的なステップについてお伝えします。
アンラーニングとは?
アンラーニングは冒頭で述べたように「学習棄却」「学びほぐし」「脱学習」と様々な訳がありますが、過去の経験から得た教訓を見直し、これまで培ってきた知識・スキル・考え方で必要ないものを一旦脇に置き、新しいアプローチや選択肢を取り入れることです。
アンラーニングが求められている背景
「これまで上手くいっていたやり方が通用しない。」
環境変化の激しいVUCAの時代では、過去の成功体験をもとにして生み出された「勝利の方程式」が通用せず、未来への保証になっていないどころか、変化・改善を妨げるブレーキになっていることも多くあります。アンラーニングはそんな時代背景の中で重要性が高まっているのではないかと考えています。
では、アンラーニングが求められているのはシニア層の方々だけでしょうか?
立場が上になることで、誰かから指摘されたり、現状を問われたりする機会がグッと減る傾向にあるシニア層の方々にとって、アンラーニングが重要なのは間違いないと思います。ですが、アンラーニングが求められているのは、ハラスメント防止が叫ばれる中で周囲からの率直なフィードバックをもらうことが難しくなりつつある若手の世代にも言えるのではないでしょうか。
そんな背景も踏まえながら、ここからは若手である私の目線から「アンラーニングを起こすにはどうすればいいか」について、具体的な4つのステップとしてご紹介できればと思います。
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アンラーニングを起こすための4ステップ
1.内省・刺激
アンラーニングするうえでの最初のステップは「内省・刺激」であり、様々なきっかけから「これで良いのか?」と自身の現状を問うことです。
具体的な例としては、以下のようなものが挙げられます。
- 研修やコーチングを通じて過去の経験から内省する
- 越境学習等を通じて外部の刺激を得て、自身の現状を問う
- 仕事の進め方がイケてなかったと感じたときに内省する
研修などの非日常的な場面に限らず、自分としても好ましくない反応や行動があれば、アンラーニングのチャンスと考えて内省することがアンラーニングのきっかけになります。
アンラーニングを始めるポイントしては、「関係性の中で進めること」。手放す、というのはどうしてもハードルが高くなりやすく、1人で始めることは難しいため、色々な関係者を巻き込みながら進めることがアンラーニングを起こすことにつながります。
2.とらえ方のクセに気づく
次は、自分のとらえ方のクセに気づき、手放すこと、言い換えれば捉え直すこと(リフレーミングすること)を決める、というステップです。アンラーニングを起こすうえでよく疑問としてあがることは「何をアンラーニングすればいいのか」。これを見つけるためには、「とらえ方のクセ(メンタルモデル)」や「視野狭窄」に気づくことがコツになります。そのうえで、自身の現状を俯瞰し、その背景に隠れた経験を探ることが「何をアンラーニングするか」を見つける手掛かりになります。
3.どう変えるか決める
何をアンラーニングするのかを決めたら、次は「手放してどうするかを決める」、つまりは現状のやり方や考え方について「別の選択肢」をつかみにいったり考えたりするステップです。
具体的な流れとしては、
- これまで培った知識やスキルが、未来の保証につながらず、変化・改善を妨げるブレーキになっている可能性を知り、アンラーニングが自分を助けることにつながることに肚落ちする
- 経験から得た価値観や無意識のバイアスを把握し、新たな選択肢(アプローチ・考え方・観点等)をつかみにいく・考える
という流れになります。ここでポイントになるのが、変わることには必ず不安や抵抗感が伴うことを念頭に、自分にとってのベネフィット(Gain)があることに肚落ちすることです。
4.変化の手ごたえ
どう変えるかを決めれば、ここからのステップとしては、「行動に移し、手放してみる」、そして「変化の手ごたえを獲得する」段階になります。
まとめ
以上が、アンラーニングを起こすための流れでした。
この記事が「アンラーニングする」ということの解像度が上がり、アンラーニングの何が難しいのか、どこでつまずきやすいのか、の理解の手助けになっていれば幸いです。