山川 真美" width="104" height="104">
NEWONEでは、あらゆる企業のご希望やお悩みにあわせた
多種多様な研修を取り扱っております。
最近の管理職の方々の研修を実施していると話していると、こんな声を耳にすることが増えました。
「部下に期待すると、裏切られたときのダメージが大きいから…」
「過度にプレッシャーを与えて、ハラスメントって思われたくないんですよね…」
確かに、管理職として慎重になる気持ちは分かります。
けれども、こうした背景から「部下に期待しない」という選択をしてしまうのは、本当に正しいのでしょうか？
期待されることで人は頑張れる
心理学で「ピグマリオン効果」という言葉があります。これは、期待されるとその期待に応えようと努力し、パフォーマンスが向上する現象を指します。簡単に言えば、「あなたならできる！」と信じてくれる人がいると、人はその期待に応えたいと自然に思うのです。
実際、研修の場でも「上司から期待されていると感じると頑張れる」、「自分に任せてくれると、信頼されているようで嬉しい」という部下の声を多く耳にします。
しかし、一方で「期待が重く感じてしまう」という声もあるのも事実です。期待がすべて良い結果を生むわけではないことも、また現実です。
期待を“重荷”にしないために大事なこと
期待がポジティブな力に変わるか、重荷になるかは、上司と部下の関係性やコミュニケーションの質に大きく左右されます。期待をただ押し付けるのではなく、部下の価値観や想い、将来のビジョンを理解した上で、相手の文脈に合わせて伝えることが大切です。
たとえば、「これをやってほしい」という一方的な期待ではなく、「君のこういう部分がこのプロジェクトに活かせると思う」といった、個々の強みや意欲に寄り添った期待が必要です。部下自身が「それならやってみようかな」「自分にもできそうだ」と思えるような文脈で期待を伝えれば、期待はプレッシャーではなくエネルギーに変わります。
NEWONEでは、エンゲージメント向上をはじめとした
人・組織の課題解決のヒントとなるセミナーを開催しています。
「期待しないなんて寂しくないですか？」
そもそも、上司が部下に期待しない職場だと、どのような雰囲気になるでしょうか？
お互いに干渉せず、ただ仕事をこなすだけの関係…。そんな関係性は、どこか空虚で寂しさを感じさせます。
私は、期待し合う関係性こそが、チームで働く価値の本質だと思います。期待を受けた人はそれに応えようと奮闘し、成果を上げることで期待を超えていく。そしてそのプロセスをお互いが見守り、共有する。そんな「成長と変化のサイクル」を信じています。もちろん、期待する側もリスクがあります。それでも、そのリスクを取ってでも期待し合う関係を築きたい。なぜなら、それが人間らしくて温かい職場をつくる土台になるからです。
最後に
部下に期待しないのは簡単です。でも、それによって大切なチームの価値や人間らしい関係性を育むチャンスが失われているかもしれません。お互いに成長や変化を期待し合うことで、チームの中に新しい風を吹かせ、職場の価値をさらに高めていきましょう。
「期待するのが怖い」と感じている管理職の皆さまへ、まずは部下の価値観やビジョンを知るための一歩を踏み出してみませんか？その先に、これまで見えなかったチームの可能性が広がるはずです。
