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人材流動化の時代における、​キャリア研修と連動した制度設計の​カギとは何か?​

人材流動化の時代における、​キャリア研修と連動した制度設計の​カギとは何か?​

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株式会社NEWONEに新卒入社。研修をメインとして、人材育成・組織開発のHRパートナーとして従事。新入社員・若手から管理職まで幅広い階層を支援している。また、組織開発の一環としての社内イベントの企画・運営を行う。

NEWONEでは、あらゆる企業のご希望やお悩みにあわせた
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キャリア自律という言葉が広く認知されるようになり、人事施策として力を入れて取り組んでいる企業も増えてきました。しかし、制度はあるのに現場の社員に上手く活用してもらえなかったり、認知してもらえていなかったりと、浸透させるにあたって様々な難しさがあるのではないでしょうか。

この記事では、人事施策を上手く進めるにあたってのヒントをご紹介します。

(※本内容は、2024年7月22日実施セミナーの内容をまとめたものです)

キャリア自律が求められる背景

働き方やライフステージの変化、労働人口の大幅な減少、企業の寿命の短縮など、今急速に社会が変化しています。新入社員が4月時点で転職サービスに登録する割合も年々上昇しており、転職することを当たり前に思う人も増えて、組織と個人は以前より対等な関係に変わってきました。

このような社会の変化の中、キャリア自律を支援することで、会社から社員が離れてしまうのではないかと思われる方もいるかもしれません。しかし、社員をキャリア支援をすることにより企業パフォーマンスが上昇することや、エンゲージメントとキャリア自律に相関関係があることが明らかになっています。

エンゲージメントが高い方は、会社への貢献意欲も高まっている状態のため、結果的に離職率防止にも繋がります。

しかし、必要だとは分かっていても、「キャリアの施策は人事の中でも優先順位が低くて進まない」「上層部が本気で推進しておらず、制度を変えにくい」等、答えが見えず、推進もしにくいというのが正直なところではないでしょうか。

施策が上手くいく企業と、上手くいかない企業の「差」は?

では、人事施策が上手くいく企業と行かない企業は何が違うのでしょうか?

この差は、人事施策の「ソフト面」と「ハード面」の両方でのアプローチができているかによって生まれます。

両方からアプローチがでていないと、例えばキャリア自律の施策においても、ソフト面=マインドの変化としてキャリア研修を入れて意識が変わり異動希望を出したのに、会社の都合で叶わなかったり、キャリア推進より業績を優先されて上司が歯止めをかけたりする等、ソフト面の施策とハード面=仕組み面での施策が連動していないとうまくいかないことがあります。

改革における2つの壁

では、どのようにソフト・ハード両方のアプローチをしていくのでしょうか。

ソフト面とハード面両方からの施策を進めるにあたって、いくつか乗り越えなければならない壁が生じてきます。
1つ目が「社員のマインドの壁」です。そもそもキャリアの必要性を感じておらず行動していない場合は、研修やワークショップを通して、キャリアを考える必要性を感じてもらうことが効果的です。2つ目は、「組織風土や制度の壁」です。せっかく高まった社員の意識も、制度や環境が整っていないとかえって社員の意欲を削ぐことになります。

NEWONEでは、エンゲージメント向上をはじめとした
人・組織の課題解決のヒントとなるセミナーを開催しています。

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改革における5つのポイント

この2つの壁を乗り越える中で、特に2つ目の壁は大きいため、いくつかのポイントを抑える必要があります。

①求める人材像の明確化

まず、エンゲージメントサーベイのデータや、現場のヒアリングから組織課題を洗い出したうえで、キャリア推進において求める人材像を設定します。社員の意向という面と、事業戦略的に必要な人材やロールモデル等…これらは、サーベイの結果や社員の生の声がないと、肌感覚になってしまう恐れがあります。

②人材の「質」に関するGapの可視化

次に整理した人材要件をもとにして、現有人材について、人材の質の観点から調査し、個人別のギャップを把握して、全体の傾向を明らかにします。

戦略に対して何が重要なのか、細かくマップを作っていく必要があります。課題を抽出したうえで、状況を可視化することが大事です。

③人材ポートフォリオの変革

さらに、現行の人材ポートフォリオから、将来の目指したい人材ポートフォリオの目標値を

設定し、その目標実現に向けた人事施策 (育成、採用、異動・配置等) を定義していきます。数年後の会社の動きを見越して、逆算して採用、育成をしていくことが大切です。

④キャリアパスの設定

そして、明確化した人材像に基づき、キャリアパスを設定します。設定にあたっては、会社ニーズと社員個人のキャリアにとっての魅力度の2つの側面を考慮し、モデルケース(道しるべ)をつくることが重要です。社員のニーズとのすり合わせが難航しやすく、おそらく最も難しい工程の一つでしょう。

⑤異動・配置施策の設計

最後に、異動や、配置を設計します。実際の業務経験におけるキャリア形成機会が、社員の成長、エンゲージメントにも大きな影響を及ぼします。

本人の能力とジョブマッチングの仕組みを構築し、「キャリアオーナーシップ」マインドを醸成していくことがエンゲージメント向上には有効です。

キャリア形成に向けた自律を促進するためには、最終的にはこの異動や配置が本人のニーズに合っているかがカギになります。

人材のニーズとキャリアニーズが高まっていないと、本人の納得感を得ることができません。そのため、本人の意向と仕事をつなげる、マネジメント側のキャリア支援も重要です。

セミナーアンケート(一部抜粋)

  • キャリア自律を促す施策検討のヒントが得られた。
  • キャリア開発を進める中での困りごとは、リアルな話も聞けたのでよかった。従業員側の意見などは、社内で管理職に浸透させるために使えるなと思いました。
  • 日ごろ問題意識をもっているテーマを体系的に説明いただき大変勉強になりました
  • 受講者側の課題感なども拾う場があったので、参考になりました。
  • 現場の悩みに寄り添った内容で有意義でした。

登壇者の声

制度設計をするチームと、研修や育成を担うチームが別々、というのは大企業においてはよくあることですが、この接続が意識されていない企業様は経験上ほぼうまくいきません。キャリア施策は階層別の1テーマや1施策ではなく、風土をつくるものと捉え、お取り組みいただけることを願っております。

まとめ

人事施策を上手く進めるためには、ソフト面とハード面の両方からのアプローチが必要になります。5つのポイントを押さえて、マインドの壁と、制度/風土の壁を乗り越えていきましょう。

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