エンゲージメントを高めイノベーションが生まれる組織をつくる ~ツールを活用した職場実践で成功体験を掴む~

ダイハツ工業株式会社様
※写真左から ダイハツ工業株式会社 パワートレーン制御開発部 ユニット制御開発室 室長 住本 裕司様 株式会社NEWONE マネジャー 坂本 由香莉 ココラボ責任者 桐山 恭子
会社名
ダイハツ工業株式会社
https://www.daihatsu.co.jp/top.htm
業界
自動車・輸送用機器・同部品メーカー
従業員規模
10,000名以上
対象範囲
管理職・マネージャー
実施時期
2022年10月

事例概要

実績

導入サービス

職場実践型エンゲージメント向上研修
※上記研修はこちらのサービスと近しい内容です

対象

グループリーダー

実施概要

エンゲージメントの高い組織づくりを目的に、グループリーダー(約20名)を対象に、約4か月間に渡って計4回の研修(エンゲージメントの理解/価値観を知る/エンパワーメント(権限委譲)/成果発表)と、学んだことを現場で活かす職場実践を実施。間にコーチングを個別で実施。

― 今回、パワートレーン開発本部にエンゲージメントの高い組織づくりの実践型研修を実施しようと思った背景や理由について教えてください。

住本様:背景は2つあります。1つは、全社員に実施している社内意識調査で下位だったことです。2つ目は、スペシャリストとして昇格したマネジャーが多く、組織づくりやマネジメントを行った経験のある人が少ないことです。そういった背景もあり、自組織を変えていく必要があると思いました。詳細をお伝えすると、3年前に「イノベーション強化の風土づくり」という会社方針が掲げられました。私は方針が出されると何か企画・提案したいと思うタイプなのですが、意識調査の結果が下位だったことがとても悔しかったです。ダイハツ工業は、115年前に大阪の発動機製造会社というエンジンを作る会社として創立され、パワートレーン開発本部が最初に生まれた組織になります。会社の原点となった組織である本部を、何とか良い組織にしていきたいと思いました。私が入社した当時はエンジン・オブ・ザ・イヤーを受賞したり、過去の先輩たちは数々のヒット商品を生んでいました。しかし、2007年以降エンジン分野におけるヒット商品がほとんどありません。新しい技術や画期的なサービスが作れなくなっているのは、組織風土やマネジメントに課題があるからであり、下位である組織からイノベーションは生まれないと思いました。コミュニケーションがないところにモチベーションは生まれず、モチベーションがないところにはイノベーションは生まれないと考えているからです。ベースとなる組織風土を変えエンゲージメントの高い組織づくりが必須だと思い、今回本研修を実施させていただきました。

小さくても職場で行動することを重視し、自走できる状態を目指した

― 今回の研修と職場実践を通じて、グループリーダーや職場がどうなることを期待していましたか?

住本様:エンゲージメントの高い組織風土をつくっていくためには、リーダーの変革がマストだと思っています。ただ、いきなり大きく変化することは難しいので、まずは2つ期待したことがありました。1つはエンゲージメントとは何か、何故それが必要なのかを理解し腹落ちすることで、自分の言葉で語れるようになってほしいと思いました。2つ目は、研修で学んだことを小さくても良いので職場で行動してほしいと思いました。行動することでやって良かったなと思える成功体験を積むことができ、変化の兆しをつかまえることができれば、自走できる状態になれると思いました。坂本さんに相談し、行動を促し定着させるために研修を4回に分け、間に職場実践とコーチングを行うというスタイルで実施させていただきました。

― 実践型の研修を実施してみた率直なご感想や、感じられた効果があれば教えて下さい。

住本様:人は何歳からでも変われるのだと思いました。人が変われば組織が変わっていくことがわかりました。もちろん個人差はありますが、中でも比較的上の世代のグループリーダーが、意識だけでなく行動にも大きな変化が見られました。変化していく様子が私にも伝わってきましたが、何よりその下にいるメンバーが笑顔で、「最近〇〇さん、人が変わったみたいだ」と話してくれました。以前は、自己開示や雑談もほとんどせず、業務上の伝達を事務的にするようなタイプだったのですが、自分の想いをのせて伝えられるようになり、メンバーにもそれが伝わっているようでした。自分からメンバーに働きかけ、コミュニケーションの機会が増えたのだと思います。
また、30代半ばで今後次世代リーダーになっていくような人もいたのですが、そういった方が早い段階でチームのミッション・ビジョンを策定する研修を受けられたことは非常に良かったと思っており、来年は、次期リーダーになるような人にも受けて欲しいと考えています。この研修を見ていた数名から、「来年も実施するんですか?」と聞かれることもあり、良い影響が少しずつ広がっていると感じています。

ツールの活用とコーチングで、前向きな行動を促進することができた

― 弊社の働く価値観の診断ツール「カルテ」や、対話ツール「おばけ」の活用、また個別の「コーチング」なども実施させていただきましたが、ツールを活用した場合の効果や印象に残っているエピソードがあれば教えてください。

住本様:カルテ」は、チームメンバーのことをわかったつもりになっていたが、わかっていなかったという声が非常に多くありました。月1で1on1を実施していたグループリーダーがいたのですが、「カルテ」の診断結果を見ながら面談をしたところ、意外と知らないことがたくさんあったと話していました。これまで、なかなかコミュニケーションが深まらなかったメンバーとも、「カルテ」を活用して話したところ、関係性が一気に深まったという方や、コミュニケーションの質や、その後の業務の受け渡し方が圧倒的に変わったという人もいます。タイプ別診断でコミュニケーションを変えるやり方もありますが、「カルテ」は働くうえでの価値観がぱっとわかるので、面談での話もスムーズになり関係性も深まる非常に画期的なツールだと思いました。また、カルテを活用して面談を実践したことで、グループリーダーの成功体験につながったことが非常に良かったと思います。

対話ツールの「おばけ」は、活用してみて改めて「おばけ」という言葉にしていることの意図が理解できました。「課題」という言葉を使うと皆身構えてしまい、マイナスから入ってしまいます。しかし「おばけ」と表現することで、メンバー側も組織を客観的に見ることができ、本音が言えたという感想が多くありました。「おばけ」を使って、チームの課題を一旦全部テーブルにあげ、どうしていくのかを話し合い一人ひとり行動宣言したグループもありました。メンバーが不平不満だけを言って、それを管理職が一人で全部解決するというのは“エンゲージメント”ではないと思うので、あくまで双方で取り組んでいくことが大事です。そういった職場を良くするための対話をグループリーダーとメンバーとでできたことが非常に有効だと思いました。

コーチング」ですが、これを間に挟まなかったら職場での実践をしなかった人が複数名いたと思います。桐山さんがグループリーダーの強みやできていることをうまく引き出し、一人ひとりの背中を押してくれたのだと思っています。何名かに感想を聞いたところ、なかなか成功体験を掴めない中で、小さなことも引き出してくれて“自分はできている”という感覚を持って、前に進むことができたという声が多くありました。褒められ慣れておらず自信が持てない人も多いので、コーチングを受けたことで自身の行動を振り返り成功体験を積むことができたと思っています。

エンゲージメントの高い組織をつくるには、愚直に「やり続ける」しかない

― エンゲージメントの高い組織づくりにおいて、何が一番大事なポイントだと思われましたか。

住本様:「実行力」と「継続」しかないと思っています。こういう組織だからこれをやったら必ず良くなるという特効薬があるわけではなく、中長期的に愚直にやり続けるしかないと思います。組織を木に例えると、組織を良くする活動は、良い土をつくることです。良い土で育った木に実がなるとしたら、それが我々で言うと優れた技術やサービスになります。途中でやめたら土が腐ってしまうのと同じで、エンゲージメントの高い組織をつくるには、やり続けることが何より大事です。
また、これをやると効果があるという取り組みも、時間と人で変わっていくと思うので、サーベイを実施し、その結果を見て皆でガチの対話をするというサイクルを回し、仮説検証していくことが必要です。サーベイの数値を上げることや離職率を下げることが目的になっていく場合もあるのですが、私はあくまで各組織で未来に向けて「どういう組織をつくりたいか」を皆で考え、実現に向けた行動をし続けることが大事だと思っています。

― 人事領域ではない開発部の管理職である住本さんが、このような取り組みをやり続けられる原動力は何でしょうか。

住本様:私は死ぬ時に最高の人生だった、悔いがないと言えるような人生を送りたいと思っています。そのためには、今この瞬間、自分が笑顔になれているかをすごく大事にしています。自分自身が笑顔になれないのに他人を笑顔にすることは難しいし、見えないお客様を笑顔にすることはもっと難しいです。笑顔の人が集まる組織になれば、お客様を笑顔にできる良いサービスが作れると思っています。私自身、実はすごく疲弊した職場にいた時期がありました。忙しかったこともあり体調も優れず、何のために働いているのだろと思ったことがありました。その時、社外の人事をしている先輩に誘われて、エンゲージメントの高い組織づくりのセミナーに参加しました。そこで、「あなたは自分の会社を友人・知人に紹介したいか」という質問があり、勧められないと回答しました。しかし、自分は管理職であり勧められないと答える側ではなく、組織を良くする側の立場にいるのに何をやっているのだろうと思いました。そこから組織づくりについて勉強し始めて、学んだことを自分のチームで実践したりしていました。まずは、自組織で一緒に働くメンバーに笑顔で働いてもらいたいという想いがとても強くあります。

「それ、おもろいな。やろうや。」という声が飛び交う職場をつくる

― 今回、NEWONEにお任せ頂いた理由や決め手について教えてください。

住本様:坂本さんですね(笑)。私の想いや組織のことを真摯に聞いていただき、課題の本質を捉えていただきました。何度も打ち合わせをさせていただき、我々の課題や状況に合わせて、研修内容やファシリテーターまでアレンジしご提案いただけました。また、貴社のホームページを拝見する中で、「想いをカタチに」というキーワードがあったのですが、まさに坂本さんがそれを体現しているなと思い、NEWONEという会社にも信頼が持てたので、今回ご依頼させていただきました。

― 今回の実践型の研修は、どのような組織にお勧めしたいですか?

住本様:組織の中で課題や違和感があるけれど、何をしたら良いかがわからずにモヤモヤしている人にはお勧めしたいです。組織を良くしたいという想いがあるけれど、なかなか行動に移せていない人は、ぜひ、NEWONEさんに相談してみることをお勧めします。また、私のように人事部門ではなく事業部の管理職であっても、自組織やチームづくりにおいて取り組んでいきたいと思っている人には特にお勧めしたいです。

― 今後、組織づくりにおいて取り組んでいきたいことや、注力していきたいことについて教えてください。

住本様:「それ、おもろいな。やろうや。」という声があちこちで飛び交うような職場をつくりたいです。今はまだ心理的安全性が高い職場とは言えないので、特に若手がアイデアを出せるように、否定ではなく実現するための建設的な意見を言える風土をつくっていきたいです。冒頭でも少しお伝えしましたが、エンゲージメントを高め心理的安全性が生まれれば「イノベーション強化の風土づくり」につながってくると思っていますので、引き続き取り組んでいきたいと思っています。

― 本日はお忙しい中、貴重なお話をお伺いさせていただきありがとうございました。今後とも引き続きよろしくお願いします。

プログラムの全体像

◆受講者アンケート(一部抜粋) 

・ まずは自分自身が変わることが重要だと感じました。心理的安全性を作らないと、メンバーは行動に移せない、また、生産性も上がらないことを実践を通じて痛感しました
・研修の受講前は、エンゲ―ジメントの言葉の意味も分からない状態でしたが、研修を通じてエンゲ―ジメントの重要性を実感し腹落ちすることができました
・自身に不足していたリーダーとして必要な意識面を痛感し、この研修で少し成長できたと感じています。今回の学びはメンバーと共有し、共に成長できることに意味があると思いますので、継続していきたいと思います
・他のグループリーダーの実践内容を共有する事で、同じような悩みを抱えながら進んでいる事に勇気をもらえました
・エンゲージメントという考え方を初めて学ぶ機会となり、大変興味深く研修に参加できました。目の前の業績・成果も大切ですが、それを達成するにはメンバーのエンゲージメントを高めることが必要だと理解できました
・エンゲージメントを高め前向きに働ける環境を作れれば、一緒に働く仲間も今まで以上に成長し力を発揮して頂けると思えました
・少しの取り組みしか実行できなかったが、チームのエンゲージメントが高まる事を実感できたと思います
・1on1を実施することで、メンバー個々の生の声が聞けたので、その重要性を再認識できた
・ココラボカルテでは、各メンバーの重要視している事と、こちらが思っていることに大きなずれがあることを認識できたことが良かった
・ココラボのカルテを使って、メンバーの「やる気スイッチ」を探すと、「やる気スイッチ」を押せる可能性が上がることがわかった

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