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「反省」と「内省」の違いから考える新入社員の成長

「反省」と「内省」の違いから考える新入社員の成長

森 陽輝

著者

森 陽輝

著者

森 陽輝

株式会社NEWONEに新卒入社。研修をメインとして、人材育成・組織開発のHRパートナーとして従事。新入社員・若手から管理職まで幅広い階層を支援している。社内では組織開発の一環として、エンゲージメント向上を目的としたイベントの企画・運営にも取り組んでいる。

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入社から半年が経ち、新入社員の皆さんもさまざまな業務に携わるようになっている頃かと思います。業務の中でミスはつきものですが、「同じミスを繰り返さない人」と「そうでない人」がいるのも事実です。この違いの背景には何があるのでしょうか。新入社員としての私自身の半年間の経験をもとに考えてみたいと思います。

「反省」と「内省」はどう違うのか

辞書で意味を調べてみると、次のようにあります。

—————————————————
反省:自分の言動や行動を振り返り、良くなかった点を改めようと考えること
内省:自分の心の中を静かに見つめ、自分の考え方や感じ方を深く省みること
—————————————————

つまり、「反省」は行動レベルの振り返りであり、「内省」は自分の考え方や感じ方など、内面に目を向けることを意味します。

ミスの「背景」にある自分を見つめる

私自身、これまでのミスした経験を振り返ると、ミスの内容は違っても、その根底には共通するパターンがあったように感じます。
たとえば、

・「自分の考えは間違っているかもしれない」という不安
・「最後は先輩が確認してくれるだろう」という無責任な感情

一見すると業務上の不注意や確認不足に見えても、
実際にはその背後にある自分の感情や考え方のクセが影響していたのです。

反省では「次は気をつけよう」と行動を改めることが中心になりますが、内省によって「なぜ不安を感じるのか」「なぜ無責任な感情を持つのか」と自分の内面を掘り下げることで、同じような状況で同じ原因によるミスを防ぎやすくなります。

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内省を促す「問いかけ」の力

とはいえ、新入社員が一人で内省を深めるのは容易ではありません。
そこで大切になるのが、上司や先輩からの「問いかけ」です。
たとえば、以下のようなものです。

・「なぜできなかったの?」→ 「どう考えて行動したの?」
・「何が悪かったの?」 → 「どんな前提や判断があったの?」

このように、結果ではなく考え方や判断のプロセスに焦点を当てることで、
本人が自ら気づきを得るきっかけをつくることができます。

また、内省はすぐに答えが出るものではありません。
だからこそ、焦らず相手の言葉を待つ姿勢も重要です。

おわりに

新入社員が同じミスを繰り返さないためには、「内省力」を高めることが鍵になります。
そのためには、

  1. ミスの事象だけでなく、その背景にある考え方や感情を振り返ること
  2. 周囲の人が、考えを引き出す問いかけで内省を支援すること

この2点を意識して関わることで、ミスを単なる失敗ではなく、
成長のきっかけに変える力を育てていけるのではないでしょうか。

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