最終更新日:

資料作成を依頼されたときに困る「どのタイミングで確認すればいいのか」のヒント

資料作成を依頼されたときに困る「どのタイミングで確認すればいいのか」のヒント

<a href=高藤 賢" width="104" height="104">

著者

高藤 賢

著者

高藤 賢

株式会社NEWONEに新卒入社。研修をメインとして、人材育成・組織開発のHRパートナーとして従事。新入社員から管理職層まで幅広い階層を支援し、階層連動施策、若手3ヶ年育成の担当経験を有する。理系大学院出身でデータ解析も得意とし、社内では提案書集約システムの構築等、生産性向上にも取り組む。

NEWONEでは、あらゆる企業のご希望やお悩みにあわせた
多種多様な研修を取り扱っております。

どんな研修があるか見てみる

若手の皆さんは、先輩・上司から資料作成を依頼されたとき、

  • 「困ったら相談してね」と声を掛けられたものの、何が分からないかも分からず困っている
  • どのタイミングで確認すればいいか分からず、途方に暮れてしまっている

こんな経験を一度はしたことがあるのではないでしょうか。

本記事では、さまざまな関係者と仕事、特に「資料作成」を進めることが最近増えてきた中で、私自身が救われた「スケルトン」という考え方と、仕事を進める中で先輩方から頂いたアドバイスを踏まえて、資料作成を進める際のヒントを紹介します。

入社1年目の話

私は入社1年目の頃、自分なりに資料を作っても「全然違う」「分からないなら渡すときに聞いてよ」と伝えられ、先輩を困らせてしまうことが多くありました。また、何時間作業してもなかなか終わりが見えず、ただただ時間が過ぎていくだけのことも多くありました。

それが今では、一緒に仕事を進める先輩方から色々なアドバイスを頂き、参考にできる自社の過去実績や外部リソースが少ないテーマであっても、自分主体で資料作成を進められるようになりました。

では、具体的に何を意識し、何を変えたのか。

ここからは、流れを整理しながら試行錯誤してきた資料作成で意識しているポイントを、確認のタイミングと併せてお伝えできればと思います。

(資料としては、主に、ミーティングや外部との打ち合わせで使うPowerPointで作成するスライド資料を想定しています。)

NEWONEでは、エンゲージメント向上をはじめとした
人・組織の課題解決のヒントとなるセミナーを開催しています。

開催中のセミナーを見てみる

資料作成の流れと確認のタイミング

①スケルトン(骨子)

PowerPointで資料を作成するときに、スライドのタイトルと主要なポイントだけが記載された資料を「スケルトン」と呼びます。このスケルトンは、資料の「骨組み」の意味合いから由来していますが、この概念を覚えておくだけで、早い段階ですり合わせをすることができ、資料構成が大きくずれることが格段に少なくなり、私自身も救われました。

またビジネスパーソンであれば、どうしても納期までの期間が短いという状況も訪れることがあると思いますが、そうした時にはこのスケルトンの作成までを先輩・上司に担ってもらい、そこから着手することもアリだと思います。ぜひ、この概念だけでも覚えてもらえればと思います。

②資料のゴールと伝えたいメッセージ

スケルトンが整ったら、次のステップに移ります。次のステップは「ゴール設定とメッセージづくり」です。このステップは、さまざまな制約条件(資料を使うタイミング、資料を見る人の属性等)も踏まえながら、自由度が高いと同時に難易度も高いため、難所となる部分ですが、私自身、「メッセージのこだわりが価値発揮につながった」と感じる瞬間も多く、このステップを極めることが成長を実感することに大きくつながっていきます。

メッセージができたかどうかの基準としては、

  • 対比ができている
  • 相手が気になっている問いを言語化できている

等で判断し、この段階で伝えたいこと(メッセージ)を明確にできているかを注意しています。

③ミーティング・打ち合わせのアジェンダ

資料を作成する中で、抜け落ちやすいのがアジェンダかと思います。ミーティングや打ち合わせで投影する場合、メッセージを作る前に決まっているアジェンダが決まっているケースや、ゴール・メッセージが決まっていれば自然と決まるケースもありますが、アジェンダを確認することが資料作成を進めるうえでの安心材料になります。

④ストーリー

ここまでの①~③の内容が整理できていればPowerPointを使って進めても良い、と思う方も多いと思いますが、私は「ストーリー(狙いたい感情)」までを決めてPowerPointでのスライド作成に着手した方が結果的に効率的に、そして質の高い資料になっていたと感じたケースが多く、ここまでをメモ帳等で整理することが多いです。

(効率的な理由としては、「考える」「確認する」「作成する」を切り離して進めることができることだと考えています。)

ストーリーを考えるうえで意識するのは「メッセージを際立たせる流れ(ストーリー)になっているか」「相手主語でストーリーを考えられているか」の2点。

提案書であれば、以下の記事を参考に流れを考えることも多いので、もし興味のある方がいらっしゃればご覧いただければと思います。

BtoBの無形商材における「勝てる」提案書のポイント

⑤ドラフト(下書き)

このタイミングでようやくPowerPointでのスライド作成に着手します。スケルトンも、メッセージも、ストーリーも決まっている状態ですので、「作成」に集中できている状態かと思います。逆に集中できていなければ、感覚的にではありますが「意見をもらうスライドがなく、一方的説明するだけのスライドになっている」「補足すべき情報が不足し、前提がすり合っていない」ケースが多くあると感じています。

⑥資料の最終バージョン

このタイミングで確認を忘れる人は少ないかと思いますが、念のため。関係者には、「適切なデザインか」「参加者にあった表現か」等、を見直してもらうと良いでしょう。


確認のタイミングを先に決めておくだけで「資料作成の全体像」が見えるようになり、私は比較的気が楽に進められるようになりました。また納期が短いときは、このステップを踏まえながら「スケルトンを作成してもらうとともに、たたき台となる仮のメッセージがあればもらう」等、クオリティを担保しながら進める方法を模索して進めていました。

この記事が、資料作成が上手くなり、そして資料作成が楽しくなるきっかけになれば幸いです。

関連研修サービス

研修サービス一覧