NEWONEでは、あらゆる企業のご希望やお悩みにあわせた
多種多様な研修を取り扱っております。
年末年始の長期休暇が明け、職場が日常のペースを取り戻し始めるこの時期。
若手社員へのフォローが今、改めて重要なテーマとして浮上しています。
新人研修やキャリア面談の中で、最近よく耳にするのが「もっと自分の時間が欲しい」「じっくり考える余裕がほしい」という若手社員の声です。
こうした意識の背景には、働き方やキャリアに対する捉え方の変化が深く関係しています。今回は、長期休暇後の若手社員の心理を理解しながら、企業としてどのように対応すべきかを考えていきましょう。
1. 休暇がもたらす「キャリア再評価」
長期休暇は、日々の業務から一旦距離を置き、心身をリセットする大切な時間です。
しかし、休暇がもたらす「余白」は、若手社員にとってキャリアや職場環境を改めて見直す機会にもなります。特にキャリアの初期段階にいる彼らは、「理想の仕事」と「現実の仕事」のギャップに敏感です。
例えば、休暇中に「この仕事で自分は成長できているのだろうか」「本当にやりたかったことはこれだったのか」といった疑問を抱くことがあります。このようなキャリア再評価が、不安や迷いを増幅させ、最悪の場合、離職の決断に繋がるケースも見られます。
実際、9連休となった2025年の年明けは、休暇中に募った不安や不満が爆発したのか、退職代行の依頼が過去最多に上る勢いだったとの結果も出ています。
https://mainichi.jp/articles/20250106/k00/00m/020/167000c
こうした悩みを防ぐためには、長期休暇後にキャリア面談の機会を設け、若手社員が抱える不安や疑問を整理するサポートが有効です。
休暇中に自身についてゆっくり考えている人が多いからこそ、「何を学びたいのか」「どのように成長したいのか」という問いを共に考え、短期的な目標を設定していくことで、彼らが日々の業務を通じて成長を実感しやすくなります。休暇がきっかけとなったキャリアの再評価をポジティブなものに変えることが重要です。
2. 他の働き方を知ることで芽生える選択肢
長期休暇中、SNSやインターネットを通じて他の職場の情報や他の働き方の選択肢に触れる機会が増えることも、若手社員の意識を変える要因です。
特にZ世代は自己実現や自身の価値観を満たすことを重視する傾向があり、自身の職場環境を相対的に評価する場面が増えています。
「他にもっと自由で自分に合った働き方があるのでは?」という思いを抱いた若手社員にとって、現在の職場が単調で挑戦の場が少ないと感じられれば、離職のリスクが高まります。
この課題への対応として、企業は職場の魅力を再発見できる仕組みを提供する必要があります。例えば、新しいプロジェクトや社内異動のチャンスを積極的に提示することや、成長を遂げた社員の事例を共有することが有効です。
「この会社だからこそ経験できることがある」と実感してもらうことで、職場への帰属意識を高めることができます。
NEWONEでは、エンゲージメント向上をはじめとした
人・組織の課題解決のヒントとなるセミナーを開催しています。
3. コミュニケーションの重要性が浮き彫りに
ハイブリッドワークやリモートワークが定着したことで、職場内のコミュニケーションはこれまで以上に課題となっています。長期休暇後、復帰した時にコミュニケーションが不足していると「自分が職場に必要とされている」と感じにくくなり、若手社員のエンゲージメントは低下しやすくなります。
特に若手社員は、自分が「組織にとって重要な存在である」と感じることで、仕事へのモチベーションを保ちます。この感覚が薄れると、帰属意識を失い、離職に繋がる可能性が高まります。
こうした状況を防ぐためには、1on1ミーティングを積極的に活用し、日常的に若手社員の思いや悩みを共有する場を設けることが効果的です。さらに、管理職向けに「若手社員との信頼関係を築くスキル」を学ぶリーダーシップ研修を導入し、心理的安全性を高める取り組みを進めていくことも重要です。
4. 長期休暇後の「ギャップ」を埋める工夫
リフレッシュした休暇明け、若手社員が職場に戻った時に直面する「ギャップ」も見逃せない要素です。特に、繁忙期や単調な業務が続く状況では、「また忙しい日常に戻るのか」と感じ、モチベーションが低下することがあります。
このようなギャップを埋めるためには、復帰直後のスケジュールに柔軟性を持たせ、負担を軽減する工夫が求められます。さらに、若手社員が新たな挑戦や学びを感じられるようなプロジェクトやタスクを用意することで、休暇後も前向きな姿勢で業務に取り組める環境を整えることが大切です。
長期休暇後、若手社員はキャリアの再評価や職場環境の見直しを行うことが多く、それが離職の原因になる場合もあります。
しかし、適切なフォローを行えば、社員のエンゲージメントを高め、より強固な信頼関係を築く絶好のチャンスでもあります。休暇明けの若手社員が「この職場で自分の成長が続けられる」と実感できるようなフォロー体制を整え、次のステップへ向かう力をサポートしていきましょう。