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目次
はじめに
企業規模や業種を問わず、「新入社員の早期離職が後を絶たない」「やりがいを感じられないためか、静かにフェードアウトしていってしまう(静かな退職)」という声が多く聞かれるようになりました。
こうした声の裏側には、新入社員の価値観の変化とAI普及による仕事構造の変化という、二つの大きな時代背景があります。
従来のオンボーディング設計だけではカバーしきれない課題が増えている今、“どのようなマインドを新人に育んでいくべきか”は極めて重要なテーマになっています。
本記事では、こういった時代背景を踏まえながら、今どきの新入社員が身につけるべきマインドを整理します。
新入社員をとりまく状況の変化
①Z世代は「すぐ辞める」か「静かに辞める」
昨今の売り手市場により、Z世代はキャリア選択の自由度が高く、やりがいや成長実感の欠如にとても敏感です。
そのため、「この会社では他社でも通用するビジネスパーソンに成長できないのではないか」「自分の資質が十分に活かされる環境ではないのではないか」と感じると、早々に環境を変えること=転職を選びます。
一方で、環境を変えるほどのバイタリティーは無く、今の環境にも「働きやすさ」という点では、心地良さを感じている層は、辞めずに残りながらも“最低限だけ働く静かな退職(Quiet Quitting)”に陥るケースも少なくありません。その場合、本人だけでなく、組織全体の生産性やエンゲージメントの低下につながってしまうリスクもあります。
②AIの台頭により、新入社員が「やりがい」を感じにくい
議事録作成や資料のたたき台など、かつての“新入社員の入口業務”の多くがAIで代替できるようになりました。
その結果、
・任せられる仕事が減る
・自分が必要とされている実感が薄い
・貢献実感や成長実感を得にくい
という状態に陥りやすくなっています。
NEWONEでは、エンゲージメント向上をはじめとした
人・組織の課題解決のヒントとなるセミナーを開催しています。
今どきの新入社員に求められる2つのマインド
これらの傾向を踏まえると、新入社員が早期に組織へ貢献し、成長を実感しながら定着するために必要なマインドは、次の2つに集約されます。
①チーム成果への当事者意識~組織の一員として早期活躍するための要素〜
新入社員は既存社員と比較すると、どうしてもスキルや経験が不足しています。そのため、新入社員個人で、成果に貢献することが難しくても「チームの成果」にどう貢献できるのかを考えて動こうとする姿勢が不可欠です。
これは、Z世代が重要視する“成長実感”にも直結します。自分の働きがチームに影響を与える経験を積むことで、やりがいや自信が醸成され、早期離職リスクの低下にもつながります。
②自分のキャリアへの当事者意識〜自分で自分のキャリアを切り拓くための要素~
キャリアの多様性が広がった今、「企業がキャリアを用意してくれる」時代は終わりつつあります。自分のキャリアを企業任せにするのではなく、「どんな経験を積みたいのか」「どんな価値を発揮したいのか」「そのために何を学び、どう動くのか」を自ら考えて行動することが、成長機会の獲得につながります。そうした成長機会を獲得し続けることが、新入社員自身のキャリアの可能性を広げていくことに繋がります。
そして、「チーム成果への当事者意識」と「自分のキャリアへの当事者意識」は密接に連動しています。チームの成果に主体的に関わることで、結果的に自身のキャリアの選択肢も広がっていくのです。
おわりに
Z世代の価値観変化とAI普及という時代傾向がある中で、新入社員育成は「社会人の基礎知識やスキルを教える」から、「成果への主体性を育てる育成」へとアップデートが求められています。
その中心にあるのが、
・チーム成果への当事者意識
・自分のキャリアへの当事者意識
という、2つのマインドセットです。
このマインドが育まれたとき、新入社員は「教えられたことをこなす人材」から「自ら成果を生み出す人材」へと早期に変化し、組織にとっての成長エンジンになります。
稲里 拓都" width="104" height="104">