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新入社員の心理的安全性を高めるために必要なトレーナーの関わりとは?

新入社員の心理的安全性を高めるために必要なトレーナーの関わりとは?

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著者

掛井 柾樹

著者

掛井 柾樹

大学卒業後、新卒で通信会社に入社。モバイルブランドの新規立ち上げ、サービス仕様の運用・管理を担当。2023年に株式会社NEWONEに入社後は、研修をメインとした人材育成・組織開発のHRパートナーとして従事。社外で取り組む個人向けのコーチング経験を活かし、新入社員から管理職の方々が「変わりたいと思える場」の設計を行う。

NEWONEでは、あらゆる企業のご希望やお悩みにあわせた
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はじめに

4月1日に新入社員を迎え入れ、新入社員研修を企画・運営、一定期間の研修を終えると配属へと進み、配属後は各職場でのOJTが行われているかと思います。

本記事をご覧いただいている皆様の会社でも、このような流れで新入社員の受け入れが進んでいるのではないでしょうか?

新入社員が新入社員研修での学びを活かし、職場に早期に適応し、能力を発揮してほしい。ただ、そのためにはどのようなかかわりが重要なのだろうか、と答えが見つからないといった状況も多いことと拝察します。

そこで、今回は、様々な会社の新入社員とお会いしたり、その後のOJTトレーナーの方々とお会いしたりする中での気づきをもとに、新入社員に対するかかわり方を考えていきたいと思います。

はじめに、かかわる上での結論を述べますが、私は、新入社員にかかわる上で、心理的安全性の確保が重要だと考えています。

心理的安全性とは、個人が職場で自分の意見や疑問を安心して表現できる状態を指します。

参考)心理的安全性とは?

新入社員の心理的安全性を確保するために、OJTトレーナーは重要な立ち位置・役割であり、かかわり方によって心理的安全性が確保できる/できないが大きく変わってきます。

その上で、新入社員の心理的安全性を確保するためには、OJTトレーナーとしてどのようなかかわり方が重要なのか、今回は3つに絞ってご紹介できればと思います。

1.配属後“1ヶ月”で関係性を定義する

通常、新入社員が職場に配属されると同時に、OJTトレーナーを任命され、配属後から徐々に関係構築、簡単な仕事から一緒に行っていく、という流れと思います。

その中で、私は、配属後、“最初の1ヶ月“の関係性が非常に重要であると考えています。

この時期に、新入社員とOJTトレーナーの関係性を“定義する”ことで、この後の信頼関係に繋がり、結果、心理的安全性の確保につながっていくと考えています。

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2.間違いを受け入れる姿勢を示す

新入社員は、業務経験が無いに等しい状態からのスタートであることから、間違いや失敗を恐れる傾向があります。

実際に、新入社員研修でお会いする新入社員の方の配属後の不安を聞いてみると、「上司・先輩との関係性に不安」という声が多く聞こえ、その理由では、「仕事ができない、能力がないと思われることが嫌だ、不安だ」という声が少なくありません。

この恐れが強いと、質問や相談をためらい、結果として学習機会を逃してしまうことにつながります。

OJTトレーナーは、間違いを拒む関係性を強調するのではなく、間違いを許容する姿勢を見せ、その上で、「間違っていたら間違っていると言うから」とフィードバックに対する予告を見せておくことが重要です。そうすることによって、新入社員側の「まずは、行動・発言してみよう」という姿勢を促すことができると考えています。

3. フィードバックを通じて信頼関係を築く

最後に、OJTトレーナーと新入社員との間には、日々フィードバックが行われていることが健全な関係性であると考えています。

フィードバックは、単に業務の成果を評価するだけでなく、新入社員の努力や成長を認める機会でもあります。具体的には、「この部分はよくできていた」「次はここを改善してみよう」といった、具体的で前向きなフィードバックを心がけることです。

研修でお会いする若手社員やアンケート・サーベイ結果を見てみると、実はフィードバックをもらうことが嬉しいと声にする人が多くいます。

「フィードバックをもらえる=自分を見てくれている」ととらえるようです。

新入社員も同様に、OJTトレーナーからのフィードバックは、見てくれているととらえることに繋がり、結果的に自信の獲得や積極性を促進することにつながっていくと考えています。

おわりに

ここまで、新入社員が職場に早期に適応し、能力を発揮していくためには、心理的安全性を高めることが重要だと述べてきました。OJTトレーナーのかかわりが新入社員の社会人生活に良くも悪くも大きな影響を与えます。

一方で、世のOJTトレーナーは皆忙しさを抱えながら、新入社員と対峙していることも事実です。

理想では、職場全体で新入社員の育成を、と声を大にしていきたいところですが、まずは、OJTトレーナー自身が少しの変化に意識を向けていただき、日々の関わりを通じて成長し、新入社員と共に学び合う姿勢を持つことが、組織全体の活性化につながるでしょう。

そのようなOJTトレーナーの方々のお力になれたらと願っています。