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人材流動化の時代における「ジョブクラフティング」の考え方とは?

人材流動化の時代における「ジョブクラフティング」の考え方とは?

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著者

青木 美奈

著者

青木 美奈

株式会社NEWONEに新卒入社。研修をメインとして、人材育成・組織開発のHRパートナーとして従事。新入社員・若手から管理職まで幅広い階層の研修設計を支援。特に女性活躍、ダイバーシティ推進に注力している。社内では、メソッド記事の作成を推進している。

NEWONEでは、あらゆる企業のご希望やお悩みにあわせた
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若手の転職志向の急増や、モチベーションの源泉が変わり、企業も個人も変化へ対応しなければならなくなっています。このような時代の変化に対して、「自分で、自分の仕事にやりがいを感じられるように変える」というジョブクラフティングの考え方が求められています。この記事では、ジョブクラフティングがどのような考え方なのかご紹介します。

♦こんな方にオススメ
・今の若手のモチベーションを把握していない
・ジョブクラフティングの定義が分からない
・自社の離職率が高くなってきている
・若手の転職事情を知りたい

※本内容は、2024年5月24日実施の「人材流動化の時代におけるジョブクラフティングとは?」のセミナー内容をまとめたものです

モチベーションと個人の関係性の変化

2023年卒の新入社員が4月時点で転職サービスに登録している数が10年前に比べて30倍になっているというデータにもある通り、職場環境に関係なく、転職が当たり前であると考えている若者が増えてきています。

この背景には、若手のモチベーションの変化が背景にあると考えられています。以前の若手は昇給、昇格、昇進等でモチベートされていたと言われていますが、最近の若手は仕事自体の面白さなど、外発的な動機から内発的な動機へシフトしてきています。

特にZ世代はタイムパフォーマンス世代とも言われており、いかに短時間で効果を得ることができるかを重視しています。さらに、SNS映えなど他人からの映り方を気にする世代のため、自分が成長したり成果を出したりして、「自分が何者なのかを示したい」という気持ちが強い傾向にあるとも言われています。

これらの背景から、他人と比べた時の自分や、見えない将来性などで会社に対する「不満」ではなく「不安」によって転職している方が多いと言われています。

企業と個人の双方に求められる変化

経団連からのメッセージにもある通り、ジョブ型への移行が言われ始めていますが、この背景には雇用創出や人材流動化、技術革新等の変化に対応していくことが社会全体として求められている、というものがあります。それらに対する打ち手の1つとして、キャリア施策のニーズが増えています。

企業と個人が対等になっているからこそ、良い企業にならないと人が集まらず、人材流動化に対応するために社員教育をすると同時に、自社への求心力を高めるためにエンゲージメントを挙げていく動きがあります。

企業のあるべき姿とは

昔は企業の中でのキャリア形成が重視され、能力成長も自社内限定を自然と求められてきました。今後は会社の中だけではなく、社会の中で生きていく自律性を支援し、その上で社員に「選択肢は広がっているけど、私はこの企業で働くことを決めました」と言ってもらえる関係性を目指すことが求められています。

個人のあるべき姿とは

転職することが当たり前になった今、個人は自分のキャリアを選択することに向き合う必要があります。自社にいる選択肢も他の企業に行く選択肢も持ったうえで、自分が環境に左右されずに働ける技術を得ることが重要です。一方で仕事や環境に対して悩みや不安は生まれますが、それが全くない状態にすることは難しいため、どちらかと言えば、その状態からいかに「不安があっても」前向きに働けるかにマインドを変える必要があります。

NEWONEでは、エンゲージメント向上をはじめとした
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自分で自分のやりがいや働きがいを獲得する能力

ジョブクラフティングとは、従業員自身が仕事のやりがいや適合性を高めて、結果として仕事の満足度のパフォーマンスを上げるように、仕事内容や捉え方等を自己主導的に改変、形成する行為のこと、とNEWONEでは定義しています。

なぜジョブクラフティングの考え方が必要になってくるかというと、個人が転職するという「環境を選ぶ」選択肢がたくさんある状態だからこそ、一方での「今の環境で向き合う」力、言い換えるならば今の選択を正解にする力を技術として身につけないと、環境に適応できずに転職をひたすら繰り返す、という人があふれてしまう可能性があるからです。(誰にとってもWinWinではない)

ジョブクラフティングで重要な考え方

ジョブクラフティングの概念を考える上で一番大事なのは「認知転換」になります。

ある一つの事象が起こったときに、どう捉えるかは自分の眼鏡(認知)が作っています。

例えば辛い仕事や嫌な上司等の辛い状況に対して、やってやろうという気持ちになるのか、もうできないと感じるかは、結局のところ自分の捉え方や、どう認知するか次第になります。ポジティブ思考というよりは、脳の構造や思考技術の話です。これだけ環境が変わる今、 自分で自分の認知をアップデートするような技術を持つことが重要になります。

①自己欲求の理解と選択

認知転換には3つのポイントがあります。

一つ目が「自己欲求の理解と選択」です。

いろんな可能性が広がるからこそ、意識的に自分が選択している感覚を持つことや選択肢を増やしていくことが大事になります。

今の自分が何の軸で選んでいるかという認知が甘いままだと、今の職場に「なんとなく」納得できずに転職してしまう可能性があります。自分が何を選択肢として持っているのか、どんなことに働きがいを感じるのかを知ることが大切です。

②成長に関する認知転換

自分が得たい成長を定義した結果、自分が今その成長を得られているのかを自己分析することが必要になります。「成長したい」という漠然としたものから解像度を上げ、専門性の高いスキルやポータブルスキルにおいて、自分が今のフェーズでどの成長を得たいのか気づくことが大切です。

③フィードバックの受け方

フィードバックを受ける時も、受け手の認知が歪んでいると、相手の意図を歪めてしまって正しく伝わりません。上司からもらうフィードバックや指示にどういう意図があるのか自分で冷静に分析する必要があります。フィードバック=人格否定と受け取る方も多いため、受け手が自分の中で切り分ける技術も重要です。

セミナーアンケート(一部抜粋)

・盛りだくさんでしたが、あっという間の1時間でした。これまでのセミナーでも五指に入る。
・セミナーの中でひと言触れておられましたが、ジョブクラフティングは時にきれいごとに聞こえてしまうのでは、と感じることがありましたが、本日のセミナーで異なる捉え方ができたように思います。ありがとうございました。
・認知転換の3つの観点が学びになりました。本日はありがとうございました。
・普段考えていることの中でうまく言語化できない部分を助けてくれる内容だったように思います。
・ジョブクラフティングについては以前、別のところで聞いたことがありましたが今日の庄司さんのお話しは一番面白かったです。

登壇者の声

人材の流動化の時代、転職のハードルも非常に下がっています。ちょっと環境が合わないなと思ったらどんどん転職する…この流れは恐らく変わらないと思います。その前提で組織は対応するべきだと考えていますが、組織側の変化の一方で、社員側も、その選択について意図を持つことが大切です。転職ガチャはたくさん回せますが、その数にも限りがある。誰にとってもWinWinとなるような形を、社員側としても模索してもらいたいですね。

まとめ

人材の流動化が進んでいる今、会社から社員への新しい関わりが求められています。ジョブクラフティングという考えを取り入れ、企業と個人両方で変化に対応していくことが重要です。

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