最終更新日:

若手社員は、キャリアを考える時にWill/Can/Mustの何を重視するべきか?

若手社員は、キャリアを考える時にWill/Can/Mustの何を重視するべきか?

<a href= 森 陽輝" width="104" height="104">

著者

森 陽輝

著者

森 陽輝

株式会社NEWONEに新卒入社。研修をメインとして、人材育成・組織開発のHRパートナーとして従事。新入社員・若手から管理職まで幅広い階層を支援している。社内では組織開発の一環として、エンゲージメント向上を目的としたイベントの企画・運営にも取り組んでいる。

NEWONEでは、あらゆる企業のご希望やお悩みにあわせた
多種多様な研修を取り扱っております。

どんな研修があるか見てみる

最近ではキャリアについて考える意識が高まってきており、かかわり方の変化も求められています。今回の記事ではキャリアについて考える時に良く使われる、Will/Can/Mustのフレームについて触れながら、適切なかかわり方に気付くために必要なポイントを紹介します。

▼以下の人におすすめ

  • Will/Can/Mustのフレームについて理解を深めたい方
  • Will/Can/Mustのうち何を重要視すれば良いか知りたい方
  • 自社ならではの人材を作っていきたい方

(※本内容は、2025年10月29日実施セミナーの内容をまとめたものです)

キャリア支援が求められる背景とは

近年、社会の変化に伴い、企業がキャリア支援に取り組む必要性が高まっています。
その背景には、次のような要因があります。

  • 変化が激しく、将来の予測が難しい時代になっている
  • 「人生100年時代」と言われるように、働き方や生き方の多様化が進んでいる
  • 人材の流動化により、優秀な人材の確保・定着が難しくなっている
  • 労働人口の減少により、1人ひとりを育成し活かすことがこれまで以上に重要になっている

こうした環境の中で、転職や副業が一般化し、従業員一人ひとりが自分のキャリアを主体的に考えるようになっています。
その結果、企業にも社員のキャリア形成を支援し、成長を後押しする役割が求められるようになってきました。

特に、SNS の普及やコロナ禍といったこれまでとは異なる経験を経てきた若手層は、価値観やキャリア観が従来よりも多様で変化が速いことが特徴です。
だからこそ、企業は若手が自らの方向性を描きやすくなるような関わり方を再考する必要があります。

本記事では、キャリア支援の代表的なフレームである Will/Can/Must をもとに、
若手社員への関わり方や、企業としてどの観点を重視すべきかを考えていきます。

Will/Can/Mustのを重視しすぎることの危険性

Will/Can/Mustのフレームワークは有名であるため、皆さん一度は聞いたことがあると思います。一方で、Will/Can/Mustについて人事の方々とお話をすると、人によって解釈が様々です。ここでは共通の理解を持つためにWill/Can/Mustを以下のように整理しました。

■Will
・ポジション:やりたい仕事、つきたい役職
・価値観:大事にしたいこと、意志や想い、譲れない価値観

■Can
・組織においての成長:できるようになったこと、覚えた仕事やスキル
・市場価値や強み:専門性や、ポータブルな能力成長
・パーソナリティな強み:その人らしさ、ならではのリーダーシップ

■Must
・組織期待:職場において求められること
・社会ニーズ:市場優位性や社会的な価値

若手社員がキャリアについて考えるうえではWill/Can/Mustは有用です。
しかしながら、Will/Can/Mustを重視しすぎると右側のように、望まない方向に導いてしまう危険性もはらんでいます。

そのため、企業は社内の状況や戦略に応じて、若手社員にWill/Can/Mustのうちどの観点を重視させるかを判断する必要があります。では、その判断はどのように行えばよいのでしょうか。

重視する観点を決める時の2つの方法

大前提として、Will/Can/Mustのうち、どの観点を若手社員に重視するべきかは企業の状況や戦略によって異なります。したがって、すべての企業に共通する正解があるわけではありません。 ここからは、重視する観点を検討する際に参考となる考え方として、「支配構造」と「対象ペルソナ」の2つを紹介します。

支配構造とは、自社における優先度や、周囲からの期待・圧力度合いを指します
下の図では、支配構造を「裁量度」と「企業の規模・制度化の度合い」という2つの軸で整理し、4つのタイプに分類しました。 たとえば、企業規模が大きく制度化が進んでおり、かつ裁量度が高い企業は、左上の「Can支配ゾーン」に位置づけられます。このゾーンでは「自分は何ができるか(Can)」という意識が高く、能力やスキルを基準に物事を考える傾向が見られます。
このようなフレームワークを活用することで、自組織ではWill/Can/Mustのうち、どの観点が支配的になっているのかを明確に把握することができます。

対象ペルソナとは、企業が求める人材のパーソナリティを指します。

ここでいうパーソナリティとは、年齢や能力といった表面的な要素だけでなく、価値観や思考パターンなど、より深い内面まで含めて捉えることが重要です。

また、「どのようなパーソナリティを持つ人が自社に多いのか」という観点を持つことで、育成方針やアプローチの方向性をより明確にすることができます。

このように、「支配構造」と「対象ペルソナ」という2つの視点を用いることで、企業の状況に応じて、若手社員にWill/Can/Mustのどの観点を重視してもらうかを明確にすることができます。

NEWONEでは、エンゲージメント向上をはじめとした
人・組織の課題解決のヒントとなるセミナーを開催しています。

開催中のセミナーを見てみる

まとめ

転職が当たり前の事態になり、キャリア支援の重要性はますます高まっています。とくに若手社員においては、意向が多様化している中で自社で活躍してもらうためには、Will/Can/Mustの何を重視すべきかを企てていく必要があります。
・自社はいまどういった状況なのか整理したい
・自社戦略や求める人材像から逆算して施策を練りたい
・Will/Can/Mustの○○を重視するには具体的にどういった施策が考えられるのかを知りたい等、施策を検討するうえでお悩みやご相談事がございましたら、ぜひお問い合わせください。

アンケートの声(一部抜粋)

  • 改めて、若手社員に投げかける問い、それを通してどのような気付きを与えるのか。という視点の重要性を感じた。
    また、willcanmustの認識整理にもなり大変参考になりました。
  • 支配構造とペルソナの掛け合わせというパート、かなり勉強になりました。過去実施したやり合研修でしっくりこなかった部分がここにあったように感じます。また、最後におっしゃったMust→Can→Willについて、「相手目線」「選ばれる」というところは強く同意です。短時間ながら、有益な情報を受け取らせていただきました。
  • 人事で若手社員への研修等を行うだけでなく、同時に上司にも同じ視点を持ってもらえている状態を作ることが重要だとあらためて認識しました
  • 時代背景や過去のキャリア形成に対する考え方の変遷から始まったため非常に体系的に整理しながら理解が出来た

登壇者の声

Will Can Mustは昔からの鉄板フレームでもありますし、使いやすいものではありますが、昨今の価値観の変化においては、必ずしもこのフレームに沿ってキャリアを描く必要はないと考えています。

変化が激しい中で、変化に対応するようにWill Can Mustの中身も変わりますし、変に自分の方向性を限定してしまう施策にしたり、短絡的に自分にとってのキャリア選択のすべてになってしまうと、望まない未来に至ることも考えられます。そうならないように、人事の皆様は「自社社員の特性は何か?キャリア自律の定義はどう置くか?」の、そもそもの議論と前提のアップデートから、検討を進めて頂けますと幸いです。