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中堅社員のモチベーションを再燃させるために必要な視点

中堅社員のモチベーションを再燃させるために必要な視点

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著者

稲里 拓都

著者

稲里 拓都

大学卒業後、大手国内メーカーに入社し、人事業務全般に従事。その後、人材系企業2社で営業マネージャーおよび人事マネージャーを歴任。2024年に株式会社NEWONEに入社し、現在は研修を中心に、人材育成・組織開発のHRパートナーとして活動。新入社員の育成体系構築から管理職主導の組織開発まで幅広く支援。

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若手社員と異なり、30代以上の中堅社員はこれまでに多様な社会人経験を積んできています。そのため、「将来の可能性を広げるために頑張る」というシンプルな動機では仕事に全力投球しにくくなってくるのが現実です。

特に、ベンチャー気質のある企業で早期に全社MVPを受賞したり、管理職へ昇進したりした社員ほど、組織の中で得られる満足感に限界を感じるケースも見られます。

加えて、等級や役職が上がったからこそ直面する組織内のしがらみに辟易してしまい、「若手時代は優秀だったのに、今ではぱっとしない」という状況に陥ってしまうことも少なくありません。

こうした中堅社員に対し、「将来の可能性を広げるために」や「自分のありたい姿を描こう」といったアプローチでは響きません。なぜなら、彼らはすでに「可能性を広げるために」努力し、「目標としたポジションを掴んできた」ものの、それでは満足感を得られなくなっているためです。

では、どうすればそうした中堅社員の活力を取り戻せるのでしょうか。その鍵は、「仕事上のありたい姿」ではなく、「人生全体としてのありたい状態」を描かせることにあります。

たとえば、「部長職になる」「○○部門に異動する」といったキャリア目標には魅力を感じなくなっていたとしても、「家族みんなで年に1回は海外旅行に行けるくらいの時間とお金の余裕がほしい」といった望みは出てくるものです。

また、逆に「土日もコンビニ弁当を食べて、ずっと寝ているだけのような、無気力で不健康な生活をしている状態は避けたい」といったネガティブな側面から考えることで、自分にとって望ましい状態を見つけることもできます。

このように「理想のライフスタイル」を明確にすると、「その状態に近づくために」「逆に、その状態を避けるために」どんな目標を会社内で設定すればいいのかが見えてきます。

中堅社員が仕事に対して再び前向きになり、自分なりの成長を実感できるようになるためには、「会社での成功」だけでなく、「人生全体の充実」に視点を広げることが欠かせません。

企業側も、この視点を踏まえたキャリア開発の支援や、働き方の選択肢を提供することで、中堅社員のモチベーションを再燃させる環境を整えることが重要となるでしょう。