NEWONEでは、あらゆる企業のご希望やお悩みにあわせた
多種多様な研修を取り扱っております。
研修において、気づきを効果的に促す仕掛けの1つにケーススタディがあります。
実際に起こりえる特定の事象や問題、事例を取り上げ、グループディスカッションを通じて参加者が客観的に問題を捉えることで、転じて自分自身の内省を深めたり、必要な問題解決能力や判断力を養い、知識やスキルを身につけたりすることを目的としています。
研修で使用されるケーススタディは、参加者が自分自身で問題解決や判断を行い、フィードバックを受けながら学ぶため、効果的な教育手法の一つです。今回は研修会社が実践するケーススタディの作り方を、ハウツー形式で公開いたします。
ハウツーのご紹介の前に、改めてケーススタディのメリットとは何でしょうか?
★弊社のケーススタディを使った研修プログラム例はこちら
ケーススタディのメリットとは?
- 実践的な学びが得られる:ケーススタディは、実際に起こった問題や事例を題材にしているため、参加者が現場で直面する可能性のある問題について実践的な学びが得られます。
- 自己学習の促進:参加者が自分自身で課題に取り組み、解決策を考えることで、自己学習を促進します。講師からの一方的な講義ではなく、参加者がアクティブに取り組むことで、より深い理解が得られます。
- 参加者の興味関心を引きやすい:実際に起こった問題や事例を取り上げることで、参加者の興味関心を引きやすく、研修の効果を高めることができます。
以上が、研修におけるケーススタディのメリットです。ケーススタディは、実際の現場での問題解決やアイデア出しにも活用されることがありますので、ビジネスシーンでも役立つスキルの一つと言えます。
それではここから、ケーススタディの作り方を解説していきたいと思います。
NEWONEでは、エンゲージメント向上をはじめとした
人・組織の課題解決のヒントとなるセミナーを開催しています。
ケーススタディの作り方流れ
①すべては、人への興味関心・行動観察から始まる
ケーススタディを作成する際には、まず対象となる人物や企業、組織などについて、深く理解する必要があります。具体的には、その人物や企業が抱える課題や問題点、それに対するアプローチや取り組みなどについて、情報を収集し、分析します。これによって、ケーススタディの着眼点や興味を引くポイントが明確になります。実際に弊社でケーススタディを作る場合においても、自社にいる特性のAさんを想像しながら具体的なエピソードを集めたり、取引のあるB社様で実際に起きていることを思い返す等、具体的なモデルを置き、ありありとその様子を思い浮かべるようにしています。
②GOOD・BADのパターンを作り、根幹要因を1つ際立たせる
次に、収集した情報をもとに、GOOD・BADのパターンを作成します。すなわち、その人物や企業がどのような成功や失敗を経験してきたかを整理し、根幹となる要因を見つけ出します。これによって、ケーススタディの核心部分が明確になり、受講者が理解しやすく、深く考えることができるようになります。作成しているとつい、色々な気づきを盛り込みたくなってしまいますが、このケースにおいて最も与えたい強い気づき(=”落とし”)は何かを明確にすることが重要です。なお、この根幹要因は何かを考えるうえでも、出来る限りリアルな日常場面を思い浮かべ、「○○さんと××さんの違いは何なんだろう」と考えていくことがおすすめです。
③最適なケースのバリエーションを選択する
GOOD・BADのパターンを作成したら、次に最適なケースのバリエーションを選択します。そもそもケーススタディには以下の3つのパターンがあります。
この3つのパターンの使い分けは、研修の対象者となる層やテーマによって異なります。例えば、仕事に対するスタンスやスキルが伴っておらず、かつそのことに気づいていないような若手社員であれば、1や3のケースを選択し、ケースという実際の仕事状況から離れた状態において自分を客観的に振り返ることができるように促します。
④イメージしやすいシーンを切り取る
最適なケースのバリエーションを選択したら、次に、イメージしやすいシーンを切り取ります。たとえば、上司から何らかの理由があって叱られたシーンや失敗をしてしまったシーン、業務が忙しくてなかなか思うように仕事を進められないシーン等、誰もが想像しやすく共感しやすいシーンを切り取ることが求められます。
⑤受講者になりきり、回答パターンを設定。文章を作成し、チューニングをする
受講者にとって納得感のあるケーススタディは、過度に作成者の意図に誘導することなく、日頃の受講者の思考や行動を映し出す鏡となることが重要です。そうなるように読み手である受講者が感情移入しやすいような文章をつくることが必要です。
また、実際にケーススタディを作ったら何人かの人に回答をしてもらい、狙っている気づきに行きつくか?本筋ではないところで詰まってしまうところがないか?を確認します。
もしケーススタディのパターン②の「選択式から選ぶ」場合であれば、ある程度選択肢がバラけるように選択肢の語感を調整することも大切です。
ケースを効果的に活用したマネジメント研修はこちら
ぜひ、ケーススタディを有効に活用し受講者の方が前向きになる場づくりに活かしていただければと思います。