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「このスキルを身につければ、安定した生活ができる」
そんなことを考えたり、聞いたことはないでしょうか。
少し前まで“専門性”とされていたことが、今では誰でも扱えるようになりつつあります。
その結果、仕事の中で「できることは増えているはずなのに、手応えがない」という感覚を抱く人も増えているのではないでしょうか。
「もっとスキルを磨かなければならない」
「周りに遅れないように、できることを増やさなければならない」
成長を目指す人ほど、こうした思考に引っ張られがちです。
気づかないうちに、”できる状態であり続けること”そのものを目指してしまうこともあるでしょう。
では、AIが当たり前になった時代において、「できる」とは一体、何を指すのでしょうか。
そして、私たちは何を基準に、自分の価値や手応えを測ればよいのでしょうか。
その前提を、いま一度立ち止まって考えてみたいと思います。
もの飽和時代から学ぶ、AI発達による「スキル飽和時代」
かつて、私たちは「何を持っているか」によって自分の価値や豊かさを測っていました。
しかし、時代が進むにつれモノは市場に溢れ、性能や価格だけでは差がつきにくくなります。冷蔵庫もスマートフォンも、最低限の機能はすでに満たされており、「それを持っていること」自体は、もはや特別な価値にはなりません。
この“モノ飽和時代”において、価値の中心は大きく移動しました。
それは、モノそのものではなく、「それをどう使い、どんな体験を得たのか」「自分の人生にどんな意味をもたらしたのか」という点です。同じモノを持っていても、使い方やそこに込める意味によって、得られる価値は人によって大きく異なります。結果として、人は自分の経験や価値観に目を向けるようになりました。
この構造は、現在進行形で起きているAIの発達ともよく似ています。
AIの普及により、文章作成、要約、分析、企画立案など、これまで「スキル」と呼ばれてきた多くの領域が、誰でも一定水準で扱えるようになりつつあります。
つまり今、私たちは「スキルが飽和する時代」の入り口に立っていると言えるのではないでしょうか。
スキルが誰にでも行き渡るとき、何が起こるのか。
それは、モノが飽和したときと同じく、「できること」そのものの価値が相対的に下がり、「その”できること”をどう使うか」に価値が移る、という変化です。
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With AI時代において必要なこと ー「できる」の定義を自分で定めるー
これまでの働き方においては、「スキルを身につけること=できるようになること」が、明確な価値でした。
できなかったことができるようになる。
人よりも速く、正確にこなせるようになる。
その成長実感が、評価や達成感につながっていたのです。
この考え方自体は、今後も大きくは変わりません。
スキルを身につけることは、これからも重要だと思います。
ただし、AIが前提となる時代においては、「できるようになること」そのものがゴールではなくなりつつあります。
AIを使えば、多くの作業は誰でも一定水準でこなせます。結果として、「できる」状態は急速に平準化されます。
このとき、作業をこなすためのスキルだけで「できる」を捉えている人は、次第にしんどさを感じやすくなります。
なぜなら、「できる」ことが当たり前になると、自分がどんな価値を出しているのかを実感しにくくなり、仕事に手応えを感じづらくなるからです。
できるようになったと思った瞬間には、その基準はすでに引き上げられている。
”できる状態”を目指して努力しても「十分やれている」という感覚を持ちづらくなります。
このしんどさの正体は、能力不足ではありません。
「できる」の基準を、自分で持っていないことにあります。
With AI時代において重要なのは、「何ができるか」を追い続けることではなく、
「その“できる”を、何のために使うのか」という意味づけが重要になると考えています。
どの仕事に力を使い、どこで立ち止まり、何を選び、何を手放すのか。
その一つひとつの判断は、「自分にとって、この仕事は何の意味を持つのか」という意味づけの延長線上にあります。
つまり、AI時代において問われるのは、「できるかどうか」ではなく、その“できる”をどう使うと決めるのかなのです。
スキルではなく「判断」に目を向ける自己理解
では、その判断軸はどこから生まれるのでしょうか。
答えはシンプルで、「自己理解」にあります。
人は、自分が何を大切にし、何に違和感を覚え、どんな経験を通じて意思決定してきたのかを、案外言語化できていません。しかし、AI時代において差を生むのは、まさにその部分です。
同じAI、同じスキルを使っていても、
・何を課題だと捉えるのか
・どこにゴールを置くのか
・どの案を選び、どの案を捨てるのか
この「判断」は人によって異なります。
そしてその違いは、過去の経験の積み重ねや、無意識に形成された価値観から生まれています。
だからこそ、自分自身を振り返り、「自分はどんなときに判断してきたのか」「どんな基準で選んできたのか」「その判断は誰にどんな影響を与えたのか」を理解することが、AI時代の土台となるのです。
スキルはAIによって平準化されます。一方で、判断は平準化されません。
判断には、その人固有の経験と意味づけが必要だからです。
これからの時代に問われるのは、「何ができる人か」ではなく、
「何をどう決められる人か」です。
AIが進化すればするほど、人に求められるのは、スキルを磨き続けることよりも、自分の判断の源泉を理解し、使いこなすことなのではないでしょうか。
瀬口 航生" width="104" height="104">