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メンバーにあわせたエンゲージメントを高めるかかわり方

メンバーにあわせたエンゲージメントを高めるかかわり方

<a href=小野寺 慎平" width="104" height="104">

大学卒業後、(株)シェイクに入社。企業の人材育成や組織開発のコンサルティングを行う。2018年1月(株)NEWONEに参画。商品開発・マーケティング、組織開発、研修のファシリテーターなどで活動する傍ら、「仕事そのものが面白いと思う20代を増やす」をテーマに20代向けの能力開発の新規事業を立ち上げる。

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エンゲージメントを高めるためには、相手に合わせることが大事、というのはよく言われます。

そして「相手」の見立て方は、キャリア意向で見立てるか、性格や能力で見立てるか、など色々あります。

今回は弊社の管理職研修でお伝えしているような体系立てた理論ではなく、自社でのマネジメントの中で、私が実践の中で少しずつ磨いているフレームをご紹介します。

6段階でメンバーの状態を見立てる

以下の6段階で状態を見立て、かかわり方を私は変えるようにしています。

  1. 環境のせいで輝けない と他責感情がある
  2. 活躍できるか自信がない
  3. 活躍できそうと感じてる
  4. 活躍できてるが、現状に甘んじている
  5. 活躍できてるが、次のステップが組織にない
  6. 活躍できており、次のステップを合意できている

上記の通りですが、見立てる観点は「他責モードか自責モードか」「自信があるかないか」「ネクストステップを合意できているか、いないか」です。

上記を踏まえて、かかわり方のポイントだと私が考えていることをご紹介します。

他責感情があるタイプに対する関わり

「周囲のサポートが足りない」「業務が向いていない」「業務量が多すぎる」のように不平・不満が募っているような状態です。

こういった方を支援する際は、直接的に不満を口にされるかによらず、ネガティブな感情をマネジャーが受信することになります。

そしてネガティブな感情を受信すると、多くの方は思わず(多くの場合無意識に)やり返したくなってしまう傾向があります。

なので、まずは落ち着いて、不平・不満の根を聞いていくことが重要です。

そうすると、不平・不満の根には以下のようなパターンがあるように思います。

A. 健全な主張であり、組織によって解決されるべきもの
B. 何らかの誤解によって生じている(ボタンの掛け違いが起きている)もの
C. 解決できない、または組織として解決する意向のない問題(問題でなく前提)
D. 本人の行動や能力向上によって解決するもの

上記のどれにあたるのかを、対話によって本人とすり合わせていくことが大事です。

そして特にDである場合は、「本人も実はわかっている」ことが多く、それが不平・不満として表出しているのは、「自信がないがゆえ」であることが多いです。

自信がないということは問題ではなく、サポートしていく用意があることを伝えていくことで、段階②に進むことにつながります。

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自信がないメンバーに対する関わり

自信がないメンバーは上記6段階における②、そして④が該当します。

「②活躍できるか自信がない」は現在の業務に対して自信がない、という状況であり、「④活躍できてるが、現状に甘んじてる」は、さらに貢献範囲を広げていくという未来に対する自信のなさからきていることが多いためです。

こういったメンバーはマネジャーからすると、受け身的に映ったり、タイプ①(他責的)のように映ったりし、本人と課題を合意する関わりをしてしまうことが多々あります。

しかし、根本的には自信のなさがエンゲージメント低下につながっている場合、課題の指摘は逆効果であることが多く、励まし、背中を押すかかわりが重要になります。

具体的には、過去の体験から本人の強みを引き出したり、現在の業務を段階別に分解し、難易度を調整したり、失敗をした際のリスクが実はさほどない、ということに気づかせる関わりなどが効果的です。

次のステップを合意する

次のステップを合意するためには、上述のように本人の自信(自己効力感)を高め、さらに自分は広い範囲で活躍できる、という状態を作るとともに、本人の意向と組織の期待がつながる新たなステージを用意する必要があります。

多くの場合、本人の意向と組織の期待を分解していくと、接続点が見つかるため、定期的にメンバーとすり合わせを行うことで、次のステップが合意できます。

しかし、どうしても自組織に本人の意向に叶うネクストステップがない場合もあります。

これはマネジャーとしては苦渋の決断ではありますが、あるタイミングで組織外に異動や退職という形で送り出す未来を想定する必要があります。

大概こういった方は活躍人材なので、マネジャーとしては留めておきたいものですが、あまりにも長く引き留めると、「健全な緊張感がなく惰性で仕事をしている優秀社員」が組織の中に生まれ、周囲のエンゲージメント低下につながるリスクがあります。

まとめ

フレーム通りに対応するということではなく、自分の好き・嫌いや、相手の言い方に左右されて感情的な判断に頼りすぎないよう、落ち着いて対処するために、私は上記のようなフレームを活用しています。

参考になれば幸いです!