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なぜ中堅社員は成長しているはずなのに、成長を実感できないのか

なぜ中堅社員は成長しているはずなのに、成長を実感できないのか

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著者

徳 若菜

著者

徳 若菜

大学卒業後、大手海運会社に入社し、海陸一貫輸送における新規案件獲得から物流ネットワークの最適化支援を担当。その後、ハイエンド層向けの人材紹介会社に中途入社し、両面型エージェントとして従事。営業経験者や販売経験者の転職支援を担当したのちに、新領域立ち上げ責任者として、財務・経理職支援の立ち上げを担当。株式会社NEWONEに入社後は、人材育成・組織開発のHRパートナーとして新入社員・若手から、管理職やシニア層前で幅人い階層を支援している。

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「中堅社員のモチベーションが上がらない」
「仕事はできているはずなのに、どこか停滞感がある」
「最近、転職を考えていそうな中堅社員が増えてきた」
こうしたお悩みを、人事担当者の方から伺う機会が増えています。

新入社員や若手の頃は、「できることが増える=成長」と実感しやすく、本人も周囲も前向きに変化を捉えられます。一方で、中堅社員になると業務を一通りこなせるようになり、大きな失敗も少なくなります。その結果、「成長している実感が持てない」「この先も同じことの繰り返しなのでは」という感覚を抱きやすくなります。

私たちが中堅社員研修をご支援する中でも、スキル不足や能力の問題というより、「自分のキャリアがどう積み重なっているのか分からない」「この先のキャリアがどこ繋がるのかが見えない」という声を多く耳にします。

この違和感の正体は、どこにあるのでしょうか。

中堅社員の成長実感が薄れる正体とは

この問いに対して、中堅社員の成長実感が薄れる最大の理由は、仕事や経験が「点」としてしか認識されていないことだと考えます。

中堅社員は、実際には多くの経験を積み、判断力や視野、周囲への影響力も確実に高まっています。しかし、その変化は若手時代のように分かりやすくはありません。
そのため、振り返りや意味づけが不足すると、「前と同じことをしている」「成長していない」という認識に陥りやすくなります。

問題なのは、成長していないことではありません。
成長しているにもかかわらず、それが本人の中でキャリアとして「線」でつながっていないことにあります。

仕事が終われば次の仕事、プロジェクトが終われば次の業務へ、と言ったように点が散在していくだけで、経験が整理されないまま積み重なると、本人の中では「頑張ってきた感覚」だけが残り、「積み上がっている実感」「点と点がつながっていく実感」が持てなくなってしまいます。

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キャリアを「点」から「線」に変えるための、経験の意味づけ

では、この状態をどうすれば乗り越えられるのでしょうか。

ポイントは、新しい仕事や役割を与えることだけではありません。
必要なのは、これまでの経験をどうつなぎ直すかという視点です。

例えば、
・なぜ今、この仕事を任されているのか
・過去のどんな経験が、今の判断やスタンスに影響しているのか
・今積んでいる経験は、将来どんな選択肢につながり得るのか

こうした問いを通じて、経験を「点」ではなく「線」として捉え直していくことが重要です。

成長とは、「新しいスキルを身につけること」だけではありません。
経験の解像度が上がり、自分の強みや価値発揮の仕方を言語化できるようになることも、立派な成長です。

多くの中堅社員は、「もう成長していない」のではなく、「成長していることに気づけていない」状態にあります。
だからこそ、人事や上司が、経験を整理し、意味づける対話の機会を意図的に設けることが、成長実感の回復につながります。

まとめ

ぜひ一度、中堅社員に対して
「最近、どんな経験が自分のキャリアにつながっていると思うか」
を考えさせる機会を、1on1はキャリア研修、目標設定面談などを通して持つようにしましょう。
成長実感は、新しい仕事を与えなくても、これまでの経験をつなぎ直すことで生まれることがあります。中堅社員の成長を「次に何をやらせるか」だけで考えるのではなく、「これまでをどう意味づけるか」という視点を持つことで、キャリアの見え方も、前向きさも、大きく変わっていくのではないでしょうか。