
NEWONEでは、あらゆる企業のご希望やお悩みにあわせた
多種多様な研修を取り扱っております。
目次
今回のセミナーは、女性管理職の育成についてがテーマです。
「女性管理職を増やしたいけれども、なりたい!という人がいない」
「管理職やリーダーに向いてるんじゃない?と伝えても、謙遜されてしまう」
こうした声を、皆様の会社でも耳にしたことはありませんか?
管理職やリーダーに推薦したい人はいるけれども、
本人の意向がないから難しい、というお悩みは多く聞こえてきます。
管理職になりたくない、その根底にあるのは、
「管理職は大変そう、難しそう…」
「自分は管理職には向いていない」
「自分は管理職になる資格がない、なるべきではない」等の
「かつての管理職像からくるハードルの高さ」、そして「現状の自分自身に対する自信の欠如」だと考えます。
今回のセミナーでは、無意識的な囚われから脱却し、
無理なく自分らしくリーダーシップを発揮する女性管理職を増やすためのコツについて、具体的なポイントをご紹介いたします。
女性管理職育成に課題を感じられている方や、次世代管理職育成の研修施策等をご検討されている方等は、ぜひご覧ください。
※この記事は、2025年8月29日に開催したセミナーの内容です
女性活躍推進が求められる背景とは
女性管理職育成が、最近特にトレンドとなり、管理職育成研修が多く実施されています。
では、なぜいま女性管理職の育成が注目されているのでしょうか。
その背景には、労働人口の減少や「人的資源」(人に焦点)から「人的資本」(人が保有するスキル等に焦点)へのパラダイムシフト、政府が掲げる数値目標や海外の潮流に触れ、様々な環境や時代の変化があり、多くの企業で女性活躍推進が注目されるようになりました。
ただ、女性管理職比率の向上が求められる一方で、現場で実際によく耳にする声として、
「女性ばかり優遇されているように見える」
「女性本人にそもそも意欲がない」
「声をかけてもネガティブな反応が返ってくる」等の声が挙げられています。
そこで今回は、「イヤイヤ昇格」ではなく、「前向きな昇格」を後押しするポイントを具体的に紹介していきます。
女性活躍推進の難しさと乗り越えるための2つのポイント
まずは、女性管理職を育成する際に、よくある難しさを2つに分けてご紹介いたします。
①「管理職像の固定観念」による不安
多くの人は管理職に対して、「強くなければならない」「叱咤激励できるリーダーでなければならない」というイメージを管理職のイメージとして抱いている傾向があります。
- 管理職たるもの、弱音を吐かずに強くあらねば…
- メンバーを叱咤激励し、厳しくあらねば…
- メンバーには負荷をかけられない…人一倍働いて成果を出さねば
- 責任が重いポジションだから、常に率先垂範せねば
上記のような管理職像の固定概念により、
「自分にはできない、やりたくない、なりたくない」等のネガティブな感情を感じることは、女性だけでなく、次世代の管理職候補者全員に共通して、管理職に対する難しさを感じる代表的な要因として挙げられます。
②「女性本人の意向が育たないこと」
その背景には、本人の意向だけでなく周囲の環境も大きく影響しています。
例えば、周囲から女性本人に対する期待の伝達不足、ライフイベントとの両立不安、女性本人の自己評価の低さ、そして「女性は昇進を望まない」という無意識の偏見や思い込みが存在します。
2つの難しさを乗り越えるポイント
こうした難しさを乗り越えるには、大きく以下の2つの施策が効果的です。

①管理職像を再定義すること
女性本人の管理職に対する不安を軽減するために、従来のマネジメントスタイルに縛られず、女性本人の「目指す姿に合った管理職像」を描いても良いと伝えてみましょう。
とはいえ、そもそも従来のマネジメントスタイルが何か、どのような認知転換が必要なのかを具体的に理解したうえで、伝える必要があります。
まず、従来のマネジメントスタイルのイメージとは、「強くて厳しいリーダー」に近いものです。
「強くて厳しいリーダー」は、管理型マネジメントスタイルに近く、
管理職者本人の特性に近いメンバーに対して、管理職者の経験に基づいた一貫性のあるマネジメントが行われる傾向があります。
一方で、支援型マネジメントというマネジメントスタイル、いわゆる「支援し、周囲を活かすリーダー」が最近特に注目されています。
このマネジメントスタイルは、環境の変化が激しく、多様な働き方、価値観、強みが違うメンバーを活かしやすいマネジメント手法です。
支援型マネジメントが、人材の多様化や時代の変化とともに推奨されてきていますが、
従来のマネジメントスタイルと、支援型マネジメントスタイルのどちらかが正しいということではなく、状況に応じて、マネジメントスタイルを使い分けることが前提です。
合言葉は「自分らしくでいいんだよ」。
管理職に対するイメージを変えることで、多様なスタイルの管理職が受け入れられる土壌をつくっていきましょう。

②女性の意向を育む仕掛けを意識的に設ける
女性社員が意向を持ちにくい要因として、以下の大きく3つが挙げられます。
・周囲から本人に対する期待不足:
周囲から女性本人に対する期待が不足することで、女性本人の成長意欲が育まれない環境を作り出してしまう(環境要因)
・女性本人の自信不足:
「自分にはできない」と自分を過小評価してしまう、〇〇だから無理だろう、と自分の可能性を自分で制約してしまう(本人要因)
・本人及び周囲の無意識的な思い込み:
マネジメントは男性の役割であり、女性が「なりたい」と思うべきではないという思い込み(本人・環境要因)
上記の要因が積み重なると、
結果的に、マネジメントに必要な能力開発の機会の損失につながり、女性社員が自信をつけるために必要な機会提供が十分にされず、女性社員本人の意向を育めない環境が生まれてしまいます。

女性本人の効力感を育み、管理職等のマネジメントに対して
「自分にも出来そうだ。やってみたい」といった意向を持ってもらうためには、
- 女性本人に、小さなリーダー経験を任せる
- 周囲から「あなたに期待している」と言葉で伝える
- 日常的にフィードバックを積み重ねて「自分にもできそうだ」という感覚(自己効力感)を育むこと
が重要です。
女性本人が、まずは小さなことからでもリーダー経験やマネジメント等を実践していくことで、最初はうまくできなかったとしても、少しずつ女性本人が自分で出来る範囲を増やしていくことが、効力感を育むうえで、非常に大事な要素となります。
とはいえ、リーダー経験があまり無い場合に、リーダー経験を積むことに対して、ハードルが高く感じてしまう事もあるかと思います。
その時に、意識したいポイントは、肩書としての「リーダー」と「リーダーシップ」の違いです。
肩書としてのリーダーは役職であるのに対し、「リーダーシップ」は地位や性別に依存せず、自分らしく発揮できる影響力のことです。
極端な例として赤ちゃんを挙げますが、
泣くという行為だけで周囲を動かす存在こそが純粋なリーダーシップであることを示します。
とはいえ、「自分らしく発揮できる影響力をどのように見つけたら良いかわからない…」と思われる方もいらっしゃるかと思いますので、自分らしさを探る時に、特に意識したい3つのポイントをご紹介します。
- 無理なく自然に自身の能力やパフォーマンスを発揮できる状態とは、どのような時か
- モチベーションや環境要因に左右されにくい、一貫性のある行動が取れる時はどのような時か
- 「周囲に合わせた自分」と「本来の自分」のギャップが小さい状態でいれるのは、どのような時か
これらの3点を意識して行動してみることで、女性本人が自然と影響力を発揮できる状態へと近づき、マネジメントに対する手ごたえを掴みやすくなります。
管理職でなくとも、まずは女性本人が小さなリーダー経験を通して、マネジメントに対する効力感と手ごたえを醸成し、「自分らしいリーダーシップ、つまり影響力とは何だろうか?」と考えられるような機会を作ることが重要です。
NEWONEでは、「自分らしいリーダーシップ像を明確にする」研修設計も行っています。
女性本人の意向を育むために「自己効力感」を高めて手ごたえを感じられるような設計や、
ありたい像を明確にするだけでなく、実践➡振り返りの重要性を経験学習サイクル等の解説を通じて伝え、行動変容につながる設計をしています。


他のセミナーやメソッド等で、NEWONEで行っている研修設計や事例の紹介をしています。ご関心に近いものがございましたら、ぜひご覧ください。
皆さんにとっての自分らしさを見つけてみませんか?
関連メソッド:
NEWONEでは、エンゲージメント向上をはじめとした
人・組織の課題解決のヒントとなるセミナーを開催しています。
まとめ
最後に、女性管理職育成における難しさをまとめると、
女性管理職がなかなか育めない要因には、女性本人の「意向不足」や「周囲の期待伝達不足」や「無意識の固定概念」等による環境要因も影響しており、
これらの要因を乗り越えるための2つのポイント──管理職像の再定義と、自己効力感を育む仕掛け──を今回はお伝えいたしました。
無理に背伸びしたリーダー像を押し付けるのではなく、
「強くて厳しいリーダーに、必ずしもならなくていいよ」と伝えながら、女性本人が自分らしさの延長線上でリーダーシップを発揮することで、組織全体が豊かになっていくことを目指して、女性管理職育成をぜひ皆さまの職場でも実践してみて下さい。
アンケート(一部抜粋)
- 「手ごたえの積み重ね」というワードや、上司にアプローチするという点は新たな気づきでした。
- 女性本人だけでなく、上司との働きかけが重要であるということが印象的でした。また、管理職とはこういう人だという思い込みによる抵抗感もあるのかもしれないと気づきました。
- 組織として多様なタイプの管理職がいることを紹介し、ロールモデル探しの手助けを進めていきたいです。女性だけでなく、組織全体に波及する施策を考えてみます
- 女性本人の意識を変えることと、上司の支援が対で必要だということを、自分自身の経験からも痛感しました。
登壇者の声
今回は、女性管理職の育成を「自分らしいリーダーシップ」の切り口から考えていきました。管理職候補者本人へのアプローチもそうですが、上司を含めた職場でのかかわりも視野に入れて考えていただくことで、次世代の管理職育成のヒントが見えてくるかもしれません。
各社様取り組みを進められているところかと思いますので、素敵な事例があれば、ぜひお知らせください!
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