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トランジションメイキング:学生から社会人の切り替えをデザインするとは?

トランジションメイキング:学生から社会人の切り替えをデザインするとは?

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著者

庄司 幸平

著者

庄司 幸平

大学卒業後、大手国内メーカーに入社。主に人事制度の運用・改訂に従事。2016年、株式会社シェイクに入社。コンサルタントとして、ソリューション企画・提案に携わる。2018年、株式会社NEWONEに参画。大手企業から中小企業まで、人事・組織戦略コンサルティングに従事。キャリア系のセミナー、講演に数多く登壇。

NEWONEでは、あらゆる企業のご希望やお悩みにあわせた
多種多様な研修を取り扱っております。

どんな研修があるか見てみる

毎年、この4月5月になりますと、様々な業界の、様々な規模感の企業様の新入社員研修をご一緒することになります。

毎年思うのは「どうやったら、彼ら彼女らにとって、社会人としてのマインドセットすることに腹落ちできるのか」ということの難しさ。

「会社に求められているから、頑張ろうね」
「これできないと、このご時世、食いっぱぐれるよ」

なんて言葉を使いつつ、Must感やポジティブなメッセージをかけようにもどうにもかっちりハマる感覚がなく、今年良いものはないかなと探しておりました。

今回様々な企業様とご一緒して、明確に手ごたえを感じたものとしては
「意図的に移行期をデザインする」という、トランジションの概念からアプローチする方法でした。

言い換えると、
「社会人になること」のこの切り替えとは、我々はこれまでの人生の中でも様々に経験済みであり、この切り替えは必然のプロセスである、ということ。

この場におけるトランジションメイキングの自分の定義としては

①新しい基準、新しい世界の当たり前を自分の中に「獲得」すること
②これまでの基準や世界で使っていた当たり前の頻度を減らして「しまう/手放す」こと

この2つを自分の中にデザインしていくこととしておりました。

例えばですが、初めて小学校に入り、家族以外のコミュニティと触れ合った時。中学に上がり、同じ地域の違うバックグラウンドの同級生と共になった時。高校生になり、部活や恋人、バイト等の新たな選択肢を得た時など…中には高校生デビューしたり、大学生から一念発起した人もいるかもしれません。

分かりやすい転換期でなくとも、必ず我々は節目節目で、前の世界のものをしまったり手放しながら、新しい世界の常識や価値基準を取り込み、適合してきたわけです。

「中学生に上がると、小学校の時のような振る舞いや遊びって自然となくなっていったよね。移行期で、意識的・無意識的にしまい込んで獲得してきたわけだ」

「必ず、分かりやすい節目でそういう移行期を作り出しているんだとしたら、我々が今、この社会人の4月のタイミングで①手放したり、しまいたい前の世界のことと、②新たに獲得したい新しい世界のことって、何だろうね?」

こう考えていくと、自然と学生らしさや幼稚さをしまいこむことを意識しますし、一方で大人の世界を獲得する=社会人常識や仕事の進め方、マインドセットやマナーを自分に落とし込むことになる訳です。

「今日の自分達って、学生対社会人の比率は何対何?」
「明日は、どんな感じかな?配属日には、どうなっていたら納得のいく社会人デビューかね?」

問いは何でもいいですが、こういうメッセージの中では

「あ、自分にとっても社会人に切り替えるのって当たり前なんだよなぁ」

というセットができます。少なくとも配属日前日に学生度が高い人はいなくなっています。

思えば、我々は初めて先輩社員になったタイミング、異動したタイミング、昇格したタイミング、管理職になったタイミングで必ずトランジションメイキングをしています。

本件は新入社員研修から得た持論でもありますが、新入社員に関わらず、移行期において自己を見つめ直すことは、手法論を身につける以上に効果的では、と新たな学びも感じるきっかけにもなりました。