
2025年8月〜10月に実施した55社・3,344名を対象とした研修参加後アンケートデータを横断的に分析し、「研修での学びを職場で実践できるか」を左右する要素を整理した分析レポートを、2026年1月27日に公開しました。
多くの企業で人材育成投資が拡大してきた一方、「研修の満足度は高いが、その後の実践をできていない」という声は少なくありません。
本レポートでは、こうした課題意識を背景に、各種研修への参加直後のアンケート結果から、「学びを職場で実践・活用できそう」と実践に前向きな受講者はどういった特徴を持つのかを整理しています。
本レポートの視点
NEWONEでは、研修効果を評価する手法として評価フレームワーク「カークパトリックモデル」においてレベル1として定義されている、研修参加後の満足度や学び・気づき、職場での活用期待度といった受講者の「反応」を全研修プログラムにおいて測定しております。
その中でも、評価項目に含まれる「職場での活用期待度」は、研修における学びを行動として定着させ、成果につなげていく前段階として、行動変容への期待度を捉えるための指標です。
本レポートでは、この「職場での活用期待度」と、受講者が置かれている職場環境や本人の状態との関係性を中心に分析および示唆の導出を行っています。

調査概要
- 調査期間:2025年8月6日~10月31日
- 対象:55社・3,344名
(建設・不動産・住宅、情報・通信、製造業、サービス、物流、商社、小売、金融 ほか) - 調査方法:NEWONEが実施した研修直後のWebアンケート
- 主な設問領域:◉研修に関する評価(満足度、学び・気づき、職場での活用期待度など)◉職場環境に関する評価(研修受講者の主観による評価) ・上司との信頼 ・同僚との関係性 ・職場の心理的安全性 ・困難時の支援環境 ・業務での達成感 ・成長実感の有無 ・ミッション・ビジョンへの自身の共感度 ・強みを活用する機会の有無選択肢:1から5までの5段階評価
※本レポートは、因果関係の特定を目的とするものではなく、学びの活用期待度と関連性の高い条件を把握するための分析です。
調査背景
人的資本経営の潮流の中で、人材育成においても「研修を実施したか」だけでなく、研修での学びを「実践できているか」「費用対効果があったのか」までを含めた説明が求められるようになってきています。
一方で、研修の評価は依然として受講者の満足度や理解度にとどまり、研修での学びを日常業務で活用できているかを十分に捉えられないケースも少なくありません。
こうした課題意識から、これまで蓄積してきた研修受講者のアンケートデータを横断的に分析し、学びを職場で実践できそうと感じている人には、どのような特徴や条件があるのか整理いたしました。
調査結果
1. 学びが活用できそう。と思えるための職場環境は、研修テーマごとに異なる
受講した研修のテーマ・ジャンルによって、「学びを活用できそう」と感じた受講者の職場環境への評価が異なる傾向が見られました。
- キャリア研修
日頃の業務での達成感や成長実感、ミッション・ビジョンへの共感度の影響度が高く、
自らの成長と職場が目指す未来への共感が、キャリア開発の活用期待度を高めやすい関係性が示唆されました。 - リーダーシップ開発研修
困難な場面で支援を得られる環境か、上司との信頼関係があるかどうかといった要素が、職場での活用期待度を左右することが示唆されました。 - 組織開発系研修
達成感や成長実感、ミッション・ビジョンへの共感、心理的安全性、上司への信頼など、組織開発の活用期待度を高めるためには、複合的な職場環境が関係する傾向が見られました。

2. 受講者の階層によって、実践を後押しする要因が変わる
- 部長クラス課長クラス以上に「成長実感の有無」との強い関係性が見られ、自らや組織の成長を感じられているかどうかで、学びの活用期待度が異なることが示唆されました。
- 課長クラス
業務での達成感や成長実感の有無、強みを活かす機会といった、「仕事を自らの手で前に進めている」という手応えを持つ受講者は、学びの活用期待度が高い傾向にありました。 - 一般クラス
学びの活用期待度は、ミッション・ビジョンへの共感や心理的安全性、強みを活用する機会の存在が影響している傾向となりました。メンバー層においては、「この職場で働く意味」や「目指す方向性への納得感」が、学びを実践に移す土台になっていると考えられます。

3. 業界・業種によって、職場環境への課題感が異なる
あわせて、今回のアンケート集計では、職場環境への評価を、受講者が所属する業界・業種別に集計し、全体との平均差を整理しました。
業種・業界別によって、職場環境への評価(所属する職場や自らに関する評価)の数値に違いが見られました。
- 情報・通信業界
全体平均との差は大きくないものの「ミッション・ビジョンへの共感度」が相対的に低い傾向が見られ、成長実感や強み活用などの個々人のスキル活用に関する項目は高く、専門性が重視される背景が見て取れます。 - サービス業界
「上司との関係性」「心理的安全性」などを中心に、すべての項目において、全体平均を下回る項目が見られ、業界の特性として他拠点・少人数の組織体制であることが多く、結果として職場・人間関係での課題感が強めであると考えられます。

今後に向けて
NEWONEでは今後も、研修の前後を通じて受講者の状態や行動を捉えながら、研修と職場実践の接続点を明らかにしていく取り組みを進めていきます。

また、本レポートのダウンロードページでは、人事施策検討の参考として、各社にお返ししている「個社別分析」のサンプルを2社分掲載しています。
具体的な設問項目やデータの扱いとあわせて、ぜひご確認ください。
▶調査レポート ダウンロードはこちらから
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