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新入社員の離職アラートを察知するオンボーディングのポイント

新入社員の離職アラートを察知するオンボーディングのポイント

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新入社員が定着しない、新入社員の突然の離職、等に頭を抱える人事、現場の教育担当者や管理職の方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。新入社員の離職アラートを察知して早期離職を防ぐために、新入社員の傾向、これからの新入社員育成で強化すべきポイント、オンボーディングのポイントの順にご紹介します。

(※本内容は、2022年11月7日実施セミナーの内容をまとめたものです)

1. 新入社員の傾向

今の時代の新入社員は、内的な充実への希求度が高く、「自信」を求めています。

内的な充実とは、貢献、成長、やりがいなどです。高い賃金や社会的地位よりも内的な充実を重視する傾向にあります。

「自信」とは、自分の未来に対する自信のことで、内的な充実ニーズの根幹には自信が欲しいという気持ちが隠されています。現代はキャリアが多様化しており、自分が歩むキャリアへの確信が持てないことから、多くの新入社員は「自信」を求めているのです。

その一方で、各社人事からは

● 仕事に対する当事者意識が薄い

● 失敗を恐れて、考える前に “正解”を探す

● 80点の出来で満足し、無駄な努力を避ける

● 納得しないと行動しない、好きなことしか頑張らない

等の新入社員の傾向が多く挙がります。

特にコロナ禍をきっかけに、以前から存在した「主体性の不足」に関する課題が、テレワークの推進によってさらに顕著になっています。

では、新入社員の内側にあるやりがい希求、つまり成長したい、貢献したい、意味あることをしたい、などの新入社員のモチベーションが主体性と結びつかないのはなぜなのでしょうか?

2. これからの新入社員育成で強化すべきポイント

新入社員が主体性を発揮しない理由は、主に以下の2つが挙げられます。

理由① リスクがある言われたこと以外を主体的に行おうとしても、何がNGか分からないため、怖くて動けないこれまでは上司の期待を理解して動くことが重要だとされてきましたが、これからはチーム自体の状況を理解して動くことが重要視されています。
理由② メリットがない言われた以上のことを主体的にやることに対して、自分にとってのメリットを見出すことができないこれまでは自己成長に目を向けることが大切でしたが、これからはチームに貢献する良さを体感できるようにすることが大切です。

チームへの貢献実感、というキーワードが出てきましたが、新入社員はいきなり貢献できないし…という不安があるかもしれません。それもそのはず、これまでは仕事をこなす→成長する→貢献する、という考え方の新入社員育成のもと、3年経って一人前、という考え方が主流でした。

しかし、仕事にやりがいや成長を求めて、その先に自分のキャリアに対する自信を得たい、と考えている最近の新入社員の特徴にそのやり方は合っていません。これからは、貢献する→充実感を得る→成長する、というイメージに変えていくことが円滑なオンボーディング達成のためには重要です。貢献実感ができなければ、企業や組織との繋がりであるエンゲージメントも低下し、その結果早期の離職に繋がってしまいます。

では、職場における貢献とは具体的にどのような状態なのでしょうか?

NEWONEでは、「チームの目的やゴールを理解し、職場のルールやメンバーの状況を踏まえたうえで、自ら動いて、ゴール達成に寄与すること」だと定義します。新入社員にとって、“入社”とは既に始まっている試合にルールも分からず参加するようなものです。「右へ、左へ」という指示に慣れきってしまう前に、一刻も早く職場の全体像を掴み、試合に参加できるかが、1年後の戦力と戦力外の分かれ目となります。

これまでのゴールは、本人だけの成長に着目していました。チームの状況は多様にも関わらず、画一的な支援をされて、組織ごとに新入社員をフィットさせるのが困難でした。結果、新入社員にとって工夫や貢献がしづらく、手応えも得づらい状態が続き、新入社員の離職やエンゲージメント低下に繋がっていました。

これからは、ゴールを新入社員が所属チームで活躍・貢献できる状態を作る、つまり本人もチームも成長することに転換することが重要です。新入社員はまず自チームの状況を捉える、チームは新入社員が動きやすい環境づくりをすることが必要です。双方の動きが、新入社員の貢献行動のとりやすさや手応えにつながり、エンゲージメントの醸成や離職防止に繋がります。

3. オンボーディングのポイント

ここまで見てきた新入社員の傾向とこれからの新入社員育成のポイントを踏まえて、オンボーディングのポイントをお伝えします。

そもそもなぜオンボーディングが重要なのでしょうか。新入社員のエンゲージメントは内定を出した時や入社直後が最も高く、その後徐々に低下していきます。オンボーディングでは、会社との関わり以上に配属先のチームとのエンゲージ(つながり)が重要になってきます。オンボーディングを通じて、会社とのつながりから、チームとのさらに強いつながりに変えていくことで、所属するチーム、組織に対するエンゲージメントが向上し、離職防止につながります。

オンボーディングとは、知識を与える、馴染ませるというレベルではなく、職場の一員として本人が自覚し行動している状態がゴールです。新入社員が所属チームで活躍、貢献できる状態になることを目標に、新入社員のオンボーディングを進めていきましょう。

新入社員のオンボーディングでは、新入社員とチームのそれぞれに対して、支援と働きかけを行うことが大切です。

新入社員に対して個人での仕事の進め方だけを、画一的に新入社員に伝えるのではなく、様々なチームがある中で、配属チームを理解し、上手く加わって成果を出すスキルを身につけてもらう
チームに対して本人の成果・成長だけを支援する方法を、画一的に育成担当に伝えるのではなく、自チームの特徴を理解した上で、新メンバーが活躍・貢献するために必要な支援をしてもらう

新入社員の円滑なオンボーディング実現のために、新入社員が行うこと、チームで行うことはそれぞれ4つあります。

表中の最下段、【自分】の部分はこれまでも言われてきたことですが、上部の3つ【共通ゴール】、【カルチャー】、【他メンバー】の項目をいかにうまく組み込んでいくのかが重要になります。

今回は特に、新入社員に伝えるべき重要なポイントを3つご紹介します。

ポイント① チームありき

チーム全体を見渡すことの重要性から伝えることで、自分が取り組む仕事に対する意味付けや、チーム意識や自発的な貢献意欲を醸成する

ポイント② 関係構築も新入社員の仕事

チームを理解したうえで、関係構築の重要性も新入社員に伝え、テレワーク環境下でも自発的にコミュニケーションを取りに行く動きを促す

ポイント③ チーム行動を網羅

チームで求められる行動を網羅的に伝え、配属後の行動イメージをわかせる

キーワードはONE TEAMです。新入社員にはチームで働くことを意識してもらい、チームで新入社員のオンボーディングを応援していきましょう。

最近の傾向は、「3年で一人前」とは言っていられない時代に突入してきています。新入社員の離職を防ぐためにはなるべく早く貢献を実感させることが重要です。職場によって環境が異なる中で、どのように育成をしてどのように離職を防ぐのか、が重要です。オンボーディングツールの活用や個別面談などと組み合わせて、新入社員のオンボーディングをチームで支援していきましょう。


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