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「社会人としての当たり前」をイマドキの新入社員にどう伝える?

「社会人としての当たり前」をイマドキの新入社員にどう伝える?

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著者

池本 大輝

著者

池本 大輝

株式会社NEWONEに新卒入社。研修をメインとして、人材育成・組織開発のHRパートナーとして従事。新入社員・若手から管理職まで幅広い階層を支援している。また、組織開発の一環としての社内イベントの企画・運営を行う。

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近年、「自分らしさ」や「納得感」を大切にする新入社員が増えています。SNSなどを通じて多様な働き方・価値観に触れてきた世代だからこそ、行動の背景にある意味を自分なりに理解しないと動けない、という傾向が見られます。

そのため、「社会人としての当たり前」とされる行動――報連相、時間厳守、挨拶や身だしなみなど――を伝える際、従来のような「常識だから」「マナーだから」という言い方だけでは納得が得られない場面が増えてきました。

このコラムでは、そうした新入社員に対して、社会人としての基本行動をどのように伝えていくべきかを3つの視点から整理します。

1. 「なぜそれが大切なのか」を明確に伝える

新入社員の多くは、“行動の意味”を理解することで納得し、動く力を発揮します。
そのためには、形式的な「守るべきルール」ではなく、その行動が誰にとって、どのような価値をもたらすのかを言語化して伝えることが重要です。

例:

  • 「報連相を丁寧に行うことで、周囲が安心して動ける」
  • 「時間を守ることは、相手の信頼を得る行為」

意味を共有することで、行動が“自分ごと”として受け止められるようになります。

2. 「会社の一員としての視点」を持たせる

社会人としての行動を伝える際は、「個人としてどう感じるか」だけでなく、組織の一員としての視点を育むことも大切です。

たとえば、「挨拶はマナー」ではなく、
「自分が周囲にどう見られているかを意識し、信頼を得る第一歩」と伝えることで、会社の看板を背負って働く意識につながります。

また、キャリアとの接続も有効です。
「いま目の前の業務で丁寧に対応できる人は、将来大きな仕事を任されやすくなる」といった未来との関係性を伝えることで、行動の意味がより具体化されます。

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3. 「職場全体での共通認識」として浸透させる

社会人としての当たり前を定着させるには、職場全体で共通の価値観として共有することが不可欠です。

特定のトレーナーや上司だけが注意を促す形ではなく、日常の会話や振る舞いの中に「そういうものだよね」という共通の文化をつくることが効果的です。

  • 先輩社員が“良い例”を見せる
  • フィードバック時に行動の背景まで言語化する
  • できていることを認め、積極的に称賛する

これにより、新入社員は「これは個人の価値観ではなく、職場として大切にしていることなんだ」と自然に理解できるようになります。

おわりに

今の新入社員にとって、「社会人としての当たり前」を押し付けられることは、行動のモチベーションを下げる原因にもなりかねません。

一方で、“なぜ大切なのか”を伝え、キャリアと結びつけ、職場全体で共通の文化として浸透させていくことで、自ら納得し行動できる=自律的な社会人へと育っていきます。

当たり前を押しつけるのではなく、“育てる”という視点で、関わり方を見直していくことが、これからの育成には必要になってきます。