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オンライン・オフライン研修の割合はどうあるべきか

オンライン・オフライン研修の割合はどうあるべきか

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著者

上林 周平

著者

上林 周平

大阪大学人間科学部卒業。 アンダーセンコンサルティング(現アクセンチュア)に入社。2002年、(株)シェイク入社。企業研修事業の立ち上げ、商品開発責任者として、プログラム開発に従事。新人~経営層までファシリテーターを実施。 2015年、代表取締役に就任。2017年9月、株式会社NEWONEを設立。 2022年7月に、「人的資本の活かしかた 組織を変えるリーダーの教科書」を出版。

NEWONEでは、あらゆる企業のご希望やお悩みにあわせた
多種多様な研修を取り扱っております。

どんな研修があるか見てみる

(株)NEWONEの上林です。
2020年 11月10日に、リクルートワークス研究所の機関誌Worksの編集長を務める佐藤邦彦氏をゲストにお迎えし、

withコロナ時代、これからの人材育成はどう変わるのか?
~テレワーク下で具体的に変えるポイントを明確にする~
https://new-one.co.jp/seminar/2020-1110/

と題したセミナーを開催し、約100名の人事の皆さまとこれからの人材育成の在り方について、約2時間議論をさせていただきました。

そこで、人事の皆さまから冒頭一番多かった質問が、オンライン研修とオフライン研修はどのような割合で行うべきか、と言う点でした。

2024年現在も、同じような質問を受けることがありますので、改めて考えてみたいと思います。

★オンライン・オフライン問わず実施できる弊社の研修プログラム例はこちら

急速に広がったオンライン研修

そもそもオンライン研修とは何かと言うと、Zoom等を活用したオンライン上でインタラクティブに研修を行うスタイルを指すことが多く、付随的にeラーニング等も含めて話される方もいる、というものです。

2020年4月の緊急事態宣言を踏まえて、リアルの集合研修が出来なかったタイミングで、その代替として急速に広がりました。様々なメリットも見られており、例えば上記セミナーにご参加の人事様の声では、

・伝えたいことが一人一人に確実に届くことが良い
・全員が議論に参加出来やすかった
・ブレイクアウトで、ディスカッションなども対面と変わらずできた
・ブレイクアウトに事務局も入り、意見交換の詳細を確認できた
・チャット機能をうまく使うことで、参加者全員の声が拾いやすい
・普段の研修と違って、参加者がフラットに参加できた
・交通費・宿泊費の削減ができた

というような声が挙がりました。

新卒同期間の関係性を向上させることや所作・振る舞いに対するフィードバックなど、同じ空気感を共にするものに関しては、オンラインではやや難しさがありながらも、今までリアルに行っていた集合研修のほとんどはオンライン研修で実施できる状態になったと思います。

オンライン研修とオフライン研修のそれぞれのメリットは

リアルで会うオフライン研修のメリットは、

・信頼関係を築きやすい
・観察学習に向いている

が挙げられます。
実際に空気感も感じるからこそ相手を信頼しやすいし、人の行っている行動を観察して真似をすることが出来ます。

一方で、オンライン研修のメリットは、

・一斉に集まる必要がない
・個人検討が重視される

が挙げられます。
場所や費用の制約がない分、多くの人に可能性を広げられることと、空気感を捉えきれない分、個人で考える部分が多い設計になることがメリットです。

それぞれのメリットをもとに設計することが大事です。
そしてそれと共に、もう1つ重要な論点があり、それが「同期」と「非同期」と言う観点です。

「同期」とは一斉に同じ時間に集まることであり、

・強制的に参加を促すことができる
・インタラクティブな対話により内省が促され、学習効果が高まる

と言うメリットがあります。

一方で、「非同期」とは、同じ時間に集まらず、各自のペースに委ねられるものであり、

・参加者の能力と意向に合わすことができる
・参加者の進めたいペースで学習できる

と言うメリットがあります。

それぞれのメリットに合わせて、組み合わせを行うことが大事です。

NEWONEでは、エンゲージメント向上をはじめとした
人・組織の課題解決のヒントとなるセミナーを開催しています。

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オンライン研修実施のキーとなるのは

先ほどのOff-JTのマトリクスに対して、もう1つ大事な観点としては、参加者の「主体性」と言う観点です。

強制力の効かない「非同期」型のプログラムは、参加者に「主体性」がある場合は、非常に効果的ですが、無い場合は効果が担保できません。
また、「同期」型のオンライン研修も、空気感が使えないので、リアル集合研修よりも参加者の主体性が高い状態を作ることが大事です。

すなわち、組み合わせが大事なOff-JTマトリクスを上手く活用するためには、参加者の主体性をどのように高めるかが大事なポイントになります。

例えば、
一斉に集合したリアル研修で主体性の必要性を腹落ちし、
その後は、eラーニングなどの個別学習で自分の能力や状態に合わせて学習し、
最後、オンライン上で集合する機会を作り、学んだ内容を他の人にシェアをする。

このような主体性を意識した組み合わせを行うことが大事です。

オンラインの今後に向けて

Works誌で「オンライン元年」と題された2020年。
人事界隈において急速なオンライン化が進み、多くの変化に対応しました。

それから約4年、今や新卒で入社する人は、今までと違い学生時代にオンライン授業を受けることが当たり前の世代です。

オンライン・オフラインのメリットを理解し、「同期」「非同期」のメリットを理解している可能性が高い中で、過去と同じように、何でも一律に「同期」型の「オフライン」で実施すると、違和感を覚える人も出てくるでしょう。

そういった状況も鑑みながら、育成の目的と対峙し、主体性を上手く活用しながら、オンライン研修・オフライン研修を上手く設計することが大事になります。

★弊社のケーススタディを使った研修プログラム例はこちら