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中途入社者を早期戦力化する「環境適応」と「アンラーニング」のポイント

中途入社者を早期戦力化する「環境適応」と「アンラーニング」のポイント

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著者

稲里 拓都

著者

稲里 拓都

大学卒業後、大手国内メーカーに入社し、人事業務全般に従事。その後、人材系企業2社で営業マネージャーおよび人事マネージャーを歴任。2024年に株式会社NEWONEに入社し、現在は研修を中心に、人材育成・組織開発のHRパートナーとして活動。新入社員の育成体系構築から管理職主導の組織開発まで幅広く支援。

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昨今、多くの企業がメンバーシップ型からジョブ型への人事制度に移行し、プロフェッショナリティの高い人材を中途採用するケースが増えています。しかし、その一方で、中途入社者のオンボーディングに課題を感じる企業も多く見られます。

中途入社者が新しい職場で早期に活躍するためには、単にこれまでの経験やスキルを持ち込むだけでは不十分です。入社時に強い想いがあり、多様な経験・スキルのある中途入社者ほど、入社後ギャップが発生しやすく、それを乗り越えるためのサポートが欠かせません。今回は、中途入社者のオンボーディングを成功させるために、受け入れ側が取り組むべき3つのポイントについて解説します。

【ポイント①】中途入社者が成果を出すために「段階的なサポート」を行う

中途入社者が組織で成果を出すには、「環境適応(転職先に馴染む)」、「環境活用(転職先のリソースを活用して成果を出す)」、「環境創造(転職先に新たな価値を生み出す)」という3段階のステップを踏む必要があります。

どれだけ優秀な方でも、このステップをスキップすることはできません

早期に成果を出すことを求められる中途入社者にとっても、「環境適応」段階において、土台をしっかり築くことが、その後の「環境活用」や「環境創造」に繋がるのです。適応期間で築いた組織理解や信頼関係が後々の成果に直結するため、まずは環境に適応することが何よりも重要です。受け入れ側がこのプロセスを理解し、段階的にサポートすることがオンボーディング成功のカギとなります。

【ポイント②】中途入社者の「成果が出るまでの時間軸の捉え直し」をサポートする

優秀な中途入社者ほど、前職で培ったスキルや経験に自信を持ち、早期に成果を出したいと考える傾向があります。しかし、その強い意欲が、「環境適応」の段階でつまずくと、「今の環境は自分に合っていないのではないか」という不安や、「この環境では自分の力を十分に発揮できない」という他責的な思考を生む原因となることもあります。

ここで、受け入れ側のサポートが重要になります。中途入社者に対して、「環境が合わない」のではなく、「たとえ多様な経験や高度なスキルを持つ中途入社者であっても、前職とは異なる環境で成果を出すには一定の時間が必要である」という認識を促すことが大切です。

まずは、中途入社者の置かれている状況に配慮し、感情に共感することから始めましょう。その上で、「早期に環境活用・環境創造のステージで活躍するためにも、まず今の環境に適応するためにどのような行動ができるか」という視点に気づかせ、自分の行動に目を向けさせるサポートが必要です。

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【ポイント③】アンラーニングとは「経験・スキルを忘却すること」ではなく「経験・スキルの『使い方とタイミング』を見直すこと」

アンラーニングとは、これまで培ってきた経験やスキルを捨てることではありません。そのような要求は、中途入社者にとって「これまで築いてきたキャリアの否定」と感じさせてしまい、非常に酷なものです。中途入社者が培ってきた経験・スキルを活かすためには、それらの「使い方」と「タイミング」を見直すことが重要です。

たとえば、前職でのプロジェクトマネジメントスキルがある場合、転職先の文化やルールを理解してから、そのスキルをどのように使うかを見極める必要があります。

すぐに活用できる経験・スキルは積極的に使い、一方ですぐに使えない経験・スキルは、忘却するのではなく、「一旦、今は保有しておく」ことを推奨しましょう。

このようにアンラーニングを柔軟に捉えさせることで、中途入社者は自分の経験を肯定しながら新しい環境で適応し、活躍できるようになります。

【まとめ】中途入社者の早期戦力化が企業成長のカギ

中途入社者を早期に戦力化し、定着させるためには、これら3つのポイントを押さえることが重要です。受け入れ側は、中途入社者のステップに合わせた適切なサポートを提供し、そのポテンシャルを最大限に引き出していきま