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ビジネスゲーム研修とは?実施するメリットやプログラム例を紹介

ビジネスゲーム研修とは?実施するメリットやプログラム例を紹介

<a href=髙嶋 耕太郎" width="104" height="104">

地方広告代理店、地方公益社団法人での勤務を経て、バックオフィス支援を行う会社に入社。社内コミュニケーション活性施策の営業、新卒合同説明会の制作、総務常駐チームのリーダーを務める。2022年に株式会社NEWONEに入社後は、研修をメインとした人材育成・組織開発のHRパートナー、研修ファシリテーターとして従事。

NEWONEでは、あらゆる企業のご希望やお悩みにあわせた
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ビジネスゲーム研修とは何か

ビジネスゲーム研修とは、企業や組織が従業員の能力開発や組織力強化を図るために導入される、シミュレーション型の研修プログラムです。
従来の研修方法とは異なり、ビジネスゲーム研修はリアルなビジネスシナリオを模擬し、参加者が実際の経営環境で直面する様々な課題や決定を体験することを可能にします。

そもそも研修の意味とは何か

そもそも研修とは、企業・個人にとってどんな意味があるのでしょうか?
弊社では様々な角度からその効用を説いていますが、あえて凝縮してお伝えすると「内省によって自身に認知的不協和を起こし、行動を変えること」だと捉えています。

まず内省という観点ですが、これは経験学習サイクルという理論をもとに考えるとわかりやすいです。(詳細はこちら


ビジネスにおいて大事なのは、日々の実践・経験だけではなく、立ち止まり内省を行い、持論を紡ぎ出し、その持論をもとに実践するというサイクルを回すことだという理論です。持論を仮説と言い換えてもいいかもしれません。

研修でもよくお伝えしますが、反省と内省は別物です。
反省とは、起こしてしまったこと=過去に対する後悔です。
内省とは、そこから一歩踏み込んで「どうすれば良かったのか」=未来まで考えることです。

日々業務に追われているだけではなかなか内省をするに至らない中で、研修という機会を活用して、内省することが効果的です。


次に注目するのは、認知的不協和という言葉です。
これはシンプルに言うと、「やっていること」と「わかっていること」の差に気付くことです。
「本当は○○したほうが良いと思っている」けど「実際には○○していない」
「自分では○○できていると思っている」けど「周囲からは○○できていないと思われている」
この差に気付くことが、より内省を深めるために大事なことです。


研修という機会を活用し、日頃の自身の言動やスタンスに向き合い、認知的不協和も含めて内省を深め、真に自身が「変わりたい」と思う場とすることが、研修に求められていることなのです。

ビジネスゲームのメリットとは

こうした、研修のそもそもの価値に目を向けたうえで、ビジネスゲーム研修のメリットを考えてみたいと思います。

①実践的な学習体験
ビジネスゲーム研修では、リアルなビジネスシナリオを模擬することで、参加者が実際のビジネス環境で必要とされるスキルや知識を実践的に身につけることができます。参加者は自身の行動や意思決定の結果をリアルタイムで体験し、その結果を分析することで学びを深めることができます。

②チームワークやリーダーシップの向上
ビジネスゲーム研修は、グループワークやチーム競争を通じて参加者同士のコミュニケーションや協力を促進します。チームでの意思決定や課題解決に取り組むことで、参加者はチームワークやリーダーシップのスキルを向上させることができます。

③より認知的不協和を引き起こしやすい
先述した認知的不協和を引き起こすにあたって、ビジネスゲーム研修は最適な手段であると言えます。
研修内では、内省を促すような「問いかけ」を行うことが基本的ですが、受講者によってはそれだけでは十分に内省しきらない危険性があります。そこでビジネスゲーム研修を行うことによって、実際に「やってみる」ことになるわけですから、「できない自分」に否が応でも向き合うことになります。

NEWONEでは、エンゲージメント向上をはじめとした
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ビジネスゲーム研修のプログラム例

いくつか、ビジネスゲーム研修のプログラム例をご紹介したいと思います。

①NASAゲーム
ビジネスゲームの代表格とも言えるのではないでしょうか。
その性質から、特にマネジメント層向けの研修でよく使用されます。

NASAの宇宙飛行士に扮し、遭難してしまった月から脱出するために必要なアイテム15個に優先順位をつけるという内容です。

このビジネスゲームの学びのポイントは、下記のようなものが挙げられます。
・仕事においても目的に対する優先順位付けが極めて重要である
・人により優先順位は異なる中で、どうコンセンサスを得るか(ファシリテーション)
・各々が忖度しないでモノを言い合える心理的安全性の高い集団であることの重要

これらの学びを通して、
・目的意識が薄れ、闇雲に仕事をしていた自分に気付く
・いつの間にか自分以外が意見を言えない、裸の王様状態になっている自分に気付く
・コンセンサスを得るためのファシリテーションではなく、自分の意見を押し通すコミュニケーションスタイルになっていることに気付く
等の認知的不協和を起こすことができます。

②Accela:サービスページはこちら
弊社が提供する、新人・若手社員向けのビジネスゲームです。
主体的な仕事の面白さに気づき、職場で活躍するためのビジネスマインドを身に着けることを目的としています。

各社の人事様とお話していて、新人・若手に対して求めることの多くは「主体性」です。
しかし、これをそのまま新人・若手の方に対して「主体性を発揮することが重要である」と伝えたところで、あまり効果はありません。
「主体性を発揮することが重要である」ことは、新人であれ若手であれ、だれでも理解しているからです。

大事なのは、主体性を発揮することの具体的な方法がわかること、そして「主体性を発揮することは面白い」と感じてもらうことです。

Accelaというビジネスゲームでは、この「主体性を発揮することは面白い」手ごたえを掴んでもらうことを狙って、採用コンサルティング会社の社員になりきって、チームでアウトプットを出してもらいます。過程の中では、ファシリテーター扮する上司や顧客に相談・訪問することになっており、その頻度や内容によって、主体性発揮の具体的イメージを沸かせていきます。

「仕事において主体性を発揮するとは、具体的に何をすればいいでしょうか?」と問いかけるよりも、このようなビジネスゲームを通して実体験するほうが、受講者にとって生々しい経験となります。

③MIRAIZ:サービスページはこちら
弊社が提供する、キャリアを主体的に考えるためのビジネスゲームです。
人生100年時代をシミュレートすることで、主体的なキャリア形成の手ごたえを掴むことを目的としています。

人生100年時代と言われて久しい昨今、キャリアを会社に依存せず、個人が自律して歩んでいくものだという論説が強まっています。
弊社の研修でも、広義のキャリアとは人生そのもののことであり、時代背景も踏まえて個のキャリア自律が必然となっていることをお伝えしています。

しかし、受講者にとっては、キャリア=人生の先を読んで行動を考えることは、非常にハードルが高いです。
そこでMIRAIZというビジネスゲームでは、人生100年時代を疑似体験することによって、ハードルを下げて自身のキャリアに対する当事者意識を高めることを狙います。

20代~70代まで、10年ごとを1ターンとして、毎ターン仕事・プライベートのカードを選択し、自分なりの豊かなキャリア形成を目指します。ところが、その過程では介護や病気などのハプニングや、AI進化などの社会情勢変化があります。そうした不可抗力の環境要因も踏まえながら、最終的に自分のキャリア目標にどれだけ近づけたかを競うのです。

このビジネスゲームを経て受講者は「人生100年時代と言われてもピンとこなかったけど、こうして体感すると若いうちから長期視点でキャリアをデザインする必要性を感じた」「今時点ではっきりとなりたいキャリアは決まっていないけど、ただダラダラと時間を消費するのは本当にもったいないと思った」等の声が聞かれるようになります。

「もし…」という疑似体験を通して内省を深めることができる点は、ビジネスゲームの大きな利点であると感じます.

ビジネスゲーム研修のポイント

こうしたビジネスゲーム研修を成功させるためにはいくつかのポイントがあります。

①目的を明確にすること
長年研修を行っていると、マンネリからついつい「何か面白いビジネスゲームはないかな」と探してしまうものです。しかし、ビジネスゲームはあくまで手段であり、「何のためにビジネスゲームを行うのか」がはっきりしていないと、受講者のための学びにはなりません。
ビジネスゲームに限りませんが、何のための研修なのかを明確にして、手段としての活用を意識するべきです。

②ビジネスゲームの前に文脈を共有すること
例えばAccelaの前にはいかに主体性発揮がビジネスにおいて重要なのかを納得してもらう必要があります。MIRAIZの場合であれば、自分のキャリアを自律的に歩むことの重要性を理解してもらわなければなりません。

こうした文脈を十分に理解しないままビジネスゲームを開始してしまうと、受講者にとっては「ただ面白いかどうか」「ただ盛り上がったかどうか」だけで判断することになってしまい、本当に気づかせたいことには気づかないという状況になります。

③ビジネスゲームの後に内省の時間をとること
事前に共有していた文脈と、ビジネスゲーム中の自身の行動を比較し、内省させることに、ビジネスゲーム研修の一番の効果が表れます。

例えばAccelaであれば、「主体的に働くことが大事であると納得した自分」と「実際には主体性が足りない自分」を比較し、「どうして主体性を発揮できなかったのか」「次同じ状況だとしたらどうすれば主体性発揮できるのか」と言った問いかけを通して、内省→持論化を行います。

また、個人で悶々と考えるだけではなく、グループワークやディスカッションを積極的に取り入れ、フィードバックや振り返りの時間を設けることで、参加者が自身の行動や意思決定をより多面的に振り返り、学びを深める機会を提供することが重要です。

ビジネスゲーム研修のまとめ

ビジネスゲーム研修は、従来の研修方法とは異なるアプローチを取ることで、参加者の能力開発や組織力強化を効果的にサポートする新たな手法です。リアルなビジネスシナリオを通じて学びを深め、参加者の成長と組織の発展に貢献することが期待されます。

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