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ロールモデルは「出会う」ものではなく「組み合わせてつくる」もの

ロールモデルは「出会う」ものではなく「組み合わせてつくる」もの

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著者

長畑 和子

著者

長畑 和子

株式会社NEWONEに新卒入社。研修をメインとして、人材育成・組織開発のHRパートナーとして従事。新入社員・若手から管理職まで幅広い階層を支援している。また、キャリア自律をテーマとした新商品開発や社内の新入社員育成の推進メンバーとして組織風土づくりに取り組んでいる。

NEWONEでは、あらゆる企業のご希望やお悩みにあわせた
多種多様な研修を取り扱っております。

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キャリア自律が叫ばれて久しい昨今、日々お困りごととして「ロールモデルがうちの組織にはいない」という声をよく耳にします。

ロールモデルとは、考え方や行動が他の人の模範となる人物であり、「こんな人になりたい!という憧れの存在」「追いかけるべき背中」のようなものです。

では、カリスマ性のある優秀な社員を採用すればこれらの社員の不満は本当に収まるのでしょうか?

今回は、ロールモデルとはそもそも「組み合わせて自分でつくれるもの」なのではないかとという考え方について、ご紹介したいと思います。

前提として自分の考え・意向に完全一致する人物はそういない

昨今、「多様性」が尊重され、一人ひとりの考え方にも違いがある、ということが浸透してきました。この世間の風潮に伴い、過剰な同質性尊重の文化も、数十年と比較して、緩和されてきたように感じます。

それは、一人ひとりにとっての「理想(やロールモデルとなる人)」はこれまで以上に
分岐しやすくなった、とも言い換えられるかもしれません。

こうした前提に立った時、社員一人ひとりの「ロールモデルがいない」論争打破のために「社員のロールモデルとなりそうな社員を配置していく」という案は根本的な解決にはならなさそうです。

とはいえ実際問題、自身の身の回りに憧れ慕いたい、と思える存在が一人もいないというのも、中長期的な将来を見据えた時、悩みの種として抱えてしまうのは自然なことのようにも感じます。

では、我々はどうすればいいのでしょうか?

ここでは、ある考え方について提案したいと思います。

NEWONEでは、エンゲージメント向上をはじめとした
人・組織の課題解決のヒントとなるセミナーを開催しています。

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人単位ではなく、能力・性質単位でロールモデルを見つける

先ほどの様に、一人ひとりのありたい姿は多岐にわたるとしたとき、そのありたい姿の実現に向けて、「Aさんの●●のスキル」「Bさんの▼▼の考え方」といったように、ほしい・憧れる能力や性質を切り取って、ロールモデルとするという「モデリング」という考え方があります。(画像参照)

この考え方をとることで、「自分が思い描く理想像に完全に一致している人」が身近にいなくても、自チームや他部署等も含め、自分自身のロールモデルを作ることができます。

これは若手に限らず、どの階層の方にも共通して適応できる汎用的な考え方で、弊社でご支援している様々な業種・業態・年代の皆様にお持ち帰りいただく重要なポイントの一つになっています。

適切なモデリングをするためにも、自己理解と他者理解が欠かせない

ここまでを踏まえ、自分がどうなりたいのか?周りの関係者から学び取りたい要素は何か?これらの要素をマッチングさせるためにも、自身がどうありたいのか、関係者にはどんな強みや経験を持つ社員がいるのかを理解しておく必要があります。

これらを日常や研修の場で、踏み込んで考える、整理しつなげる、という繰り返しをしていくことで、意外なロールモデルの存在に気づきやすく、環境を活用していこうとする風土が醸成されていきます。

皆様の組織で「ロールモデルがいない問題」が聞こえてきやすい層の皆様に向けた
一取り組みとして、お役に立てば幸いです。