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OJT(On-the-Job Training)は、新入社員を育てる上でとても実践的な学習方法です。これまでは、経験豊富なベテラン社員がOJTトレーナーを担当するのが一般的でしたが、最近では若手社員にその役割を任せる企業が増えています。
今回はデータとともに若手トレーナーを活用することで得られる効果について考えていきます。
1. 若手トレーナーが作る「質問しやすい環境」
新入社員にとって、入社直後の環境に馴染むことはとても大切です。厚生労働省の調査(2023年)によると、大卒新入社員の**3年以内の離職率は31.5%**に達しています。その理由の一つとして、「質問しづらい環境」があります。
リクルートマネジメントソリューションズの調査では、OJTトレーナーが20代の若手社員だった場合、新人の定着率が15%上がることが分かっています。年齢が近いと心理的安全性が高まり、新人が気軽に質問しやすくなるからです。
データで見る効果
- OJTトレーナーが30代以上 → 新人の1年以内の離職率 20.1%
- OJTトレーナーが20代前半 → 新人の1年以内の離職率 11.2%(約9%低下)
若手トレーナーがいることで、新人が気軽に相談できる環境が生まれ、結果的に定着率が向上します。
2. 若手が教えることで「理解度が深まる」
「人に教えることが、一番の学習になる」とよく言われますが、OJTでも同じことが言えます。
HR総研の調査(2023年)によると、OJTを経験した若手社員の79%が「業務理解が深まり、成長を実感した」と回答しています。
OJT経験者のスキル向上データ(複数回答)
- 業務理解が深まった: 79%
- 説明力が向上: 72%
- リーダーシップが身についた: 65%
- チームワーク能力が向上: 68%
新人に教えるためには、自分が内容をしっかり理解し、分かりやすく説明する力が求められます。その結果、OJTを担当した若手社員自身の成長にもつながるのです。
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3. 若手トレーナーがいると組織の活気が増す
若手社員にOJTを任せることは、新人のためだけではありません。組織全体の活気やエンゲージメント向上にも効果があります。
パーソル総合研究所の調査(2022年)では、「他の社員の成長をサポートする機会がある社員」は、そうでない社員よりもエンゲージメントスコアが1.8倍高いという結果が出ています。
OJTトレーナーの経験がエンゲージメント向上に与える影響
- OJT経験あり → エンゲージメントスコア 75(100点満点中)
- OJT経験なし → エンゲージメントスコア 42
新人の成長を支援する経験を通じて、若手社員は自分の仕事の意義を再確認し、より前向きに働くようになるのです。
まとめ
OJTトレーナーを若手に任せることで、次のようなメリットがあります。
- 新人が質問しやすくなり、定着率が向上する
- 若手トレーナー自身の理解度やスキルが向上する
- 組織全体の活気が高まる
OJTを単なる「新人育成の場」と考えるのではなく、若手の成長のチャンスとしても活用する視点が重要です。適切なサポート体制を整えながら、若手トレーナー制度を導入することが、組織の成長につながる鍵となるでしょう。