NEWONEでは、あらゆる企業のご希望やお悩みにあわせた
多種多様な研修を取り扱っております。
目次
2024年度の新入社員が配属を迎えて、現場でのOJT育成をスタートさせている企業様が多い時期だと思いますが、「思うように新入社員の育成が進んでいない」「配属先との連携が上手くいっていない」等お悩みの声を多くいただきます。
新入社員が現場に配属されてからも成長していくために、育成をいかにOJT・職場と連動させていくかが大事になってきます。今回のセミナーでは、「2024年度の新入社員がエンゲージメント高く、前向きに成長していくためには、今からOJTトレーナーの育成をどのように軌道修正すれば良いのか」というテーマについて、具体的なプログラムのご紹介を中心にお伝えします。
(※本内容は、2024年7月26日実施セミナーの内容をまとめたものです)
イマドキ新入社員にとっていい職場とは?
まずは、多くの企業様と新人研修をご一緒してみえてきた新人や若手傾向を踏まえて、今の職場育成、OJTに求められることはなにか、紐解いていきます。
前提として、イマドキ新入社員はこの会社で働き続けようとは思っていない方々が多いです。入社はあくまで「ファーストキャリア」であるという価値観をもった新入社員の方々に、これまでと同じような育成方法は通用しません。「少なくとも3年」といった縛りを感じず、「なんか違った」で転職を決める若手世代が増えているのです。
イマドキ社員が感じやすい「なんか違った」を紐解くと大きく2つに分かれます。
いても無駄
社内のロールモデルがいない不安、自身にスキルが身についているか不安、もっと他の環境のほうがよいのではないかとう不安から、この会社にいる意味を見出せず、キャリアに対して不安を感じてしまう
言っても無駄
楽だけどやりがいも成長も感じられない、昔からの型・考えに染まないといけない、みんな忙しそうで育成してくれない、という環境や関係性に対する不満を抱いてしまう
こうしたイマドキ新入社員にとって良い職場とはどういったものなのでしょうか。
以下、3つの特徴が考えられます。
①個性尊重・個別化
「新人だから」とひとくくりで扱うのではなく、「〇〇さんはこう成長したいと言っていたからこの仕事が役に立つと思うよ」等、個人の意向や特性を見てくれる、と感じられる職場
②関係性重視
育成担当にしか仕事の悩みやわからないことが聞けない状態ではなく、育成担当も、他の職場の先輩方も自分にかかわってくれていると感じられる職場
③就社意識の低下
意味も分からず、貢献できているかわからないまま「3年は続けよう」ではなく、仕事の成果に限らず「この会社でやっていけるだろう」という感覚(=貢献実感)を早くにもてる職場
OJTトレーナーの本音
この3つの特徴を押さえた職場づくりがOJTや職場育成の役割といえます。
とはいえ、やはり難しさを感じるOJTトレーナーの方が多いのも事実。
研修をご一緒する各社様では、こういったOJTトレーナーの声をよくお聞きします。
- 忙しくて手が回らない
- 自分たちが経験していないことをやるからイメージできない
- 自分の育成が「正しい」かどうか分からず、不安
こうしたOJTトレーナーが抱える壁を1つずつ解消していくことが育成支援をする人事として求められています。忙しさを軽減してあげる、やり方を示す、できていることもフィードバックする等、現場のOJTトレーナーに任せっきりになるのではなく、人事からも育成を成功させるためのサポートをしていく必要があります。
来年度から始める、脱・現場任せに向けた一歩目
では、自社ではどんな取り組みができるのか?について、先ほど述べたイマドキ新入社員にとっての「良い職場」にあわせて、①個別のかかわり強化、②職場全体アプローチ、③貢献実感を醸成する、3つの観点から具体的な施策をご紹介していきます。
個別のかかわり強化:脱画一化に向けた設計
働く価値観が多様化している中で、画一的に扱えないのは新入社員以外も同じです。
人によってやる気スイッチの入る部分が違って当たり前。だからこそかかわり方も配慮していく必要があります。
職場の皆さんが新入社員に個別にかかわっている状態を理想としたとき、人事の皆さんは配属後の状況をどれくらい個別に可視化できていますか?
忙しい現場社員たちに「個別にかかわってください」とお願いするだけではやってくれません。個別にかかわるための工夫ややり方を提供し続けることが人事の役割として必要ではないでしょうか。
◎キャリアクラフト診断
キャリアクラフト診断とは、キャリアに対してどんな意向をもっているか、キャリアに対してどれだけ主体的な行動ができているかが可視化される診断ツールです。仕事に対するキャリア(ジョブクラフト)と、プライベートに対するキャリア(ライフクラフト)の両軸あることが特徴です。
イマドキ新入社員の皆さんはキャリアについても関心の高い世代なので、職場で上司やトレーナーの皆さんからちゃんとキャリア支援を受けることができることが新入社員の皆さんの今後のモチベーションやエンゲージメントに強く影響します。
※キャリアクラフト診断の詳細はこちら
◎クリフトンストレングスとは
クリフトンストレングスとは強みを可視化する診断ツールです。強みが可視化されると新入社員本人の内省を促すだけでなく、強みをどう仕事に活かすか?を考えられます。これを職場のOJTトレーナーや上司にも連携することで、新入社員個人の強みにフォーカスを当てた個別のかかわりがうまれていきます。
詳しくはこちら
NEWONEでは、エンゲージメント向上をはじめとした
人・組織の課題解決のヒントとなるセミナーを開催しています。
職場全体アプローチ
イマドキ世代は関係性に対して不安を抱えてる方が多いため、1対1のかかわりではなく、1対(1+n)のかかわりを職場でつくっていくことが大事になってきます。1対(1+n)の育成ができると、新入社員にとって職場のいろんな方と関係性を築く機会になりますし、なにより、職場全体の育成風土ができることで強い組織になっていきます。
そのためには、新入社員、OJTトレーナー、上長や管理職層の皆さんが三位一体となって育成風土をつくっていけるように、”共通言語”をつくることが必要です。
例えば、ある鉄道会社様とは、午前中は新人の方とOJTの方が別で研修を受講⇒午後に合同セッション(+後半には上長もご参加)という形でご一緒しました。
OJTトレーナーの方には、「新入社員はここに不安を感じてるからこう関わって欲しい」という話を、新入社員には「OJTは一生懸命かかわっていくれるがここに難しさを感じるから、新入社員の皆さんからもちゃんと寄り添ってね」とお伝えしたうえで、合同セッションに入ります。
全員で育成について対話をしていく時間がない企業の方は、例えばオンライン研修の中で対話の時間をとれると効果的です。
貢献実感を醸成する
ある企業様の新入社員150名を対象におこなったサーベイ結果をみると、本人の評価は高いが上司からの評価は低い、つまり、自分ではできてると思ってるが周りから見るとイマイチな「期待把握がズレている/不足している」層が半数を占めていることがわかりました。
※横軸が本人の評価、縦軸が上司からの評価
新人が期待を把握できていないというのは、逆に言えば、職場できちんと期待を伝えることができていないと捉えることもできます。新入社員に対して、職場メンバーの1人として期待をかけられている状態は新入社員の成長実感、モチベ―ションに強くつながっていきます。一方で、コンプライアンスも重視されるようになり踏み込みづらい時代において「フィードバックの仕方/伝え方」は職場の皆さんが悩まれるテーマでもあるので、フィードバックの質の向上にとりくむのも効果的です。
まずは自社の新入社員を理解する
ここまで3つの観点からできることをお伝えしましたが、自社の新入社員にはどれが当てはまるのでしょうか。人事の皆さんがしっかりと判断するためには、 そもそも配属後の新入社員の状態を把握し続ける、可視化し続けることが大事になってきます。
そこで、弊社では配属後の新入社員の皆さんの状態を可視化する「PANAIサーベイ」という、配属後の定点観測サーベイを開発し、多くの企業様でご活用いただいております。人事施策をやりっぱなしにせず、配属後も定点的にアプローチし続けたい思いを込めて「PANAIサーベイ」と名付けています。単純な状態チェックだけでなく、順調な方とそうでない方の違いは何か?に重点をおいて分析しています。アンケート項目などは、甲南大学の尾形先生に監修いただいており、職場への定着、職場での貢献の観点でゴールを設定し、サーベイに落とし込んでいます。
自社の新入社員がどういった状態なのか、どうしたら順調に成長していけるのか、しっかりと
見極めたうえで職場全体での育成に展開できるとよりよい循環ができていきます。
PANAIサーベイの詳細はこちら
セミナーアンケート(一部抜粋)
- 新入社員の考え方が以前とは異なることはわかっているものの、それを踏まえた研修・フォローアップ体制になっているのか、振り返る良い時間になりました。ありがとうございます。
- 職場ぐるみの取り組みの重要性、個別対応の重要性を感じた。
- 当社もOJTリーダーに丸投げなので、もう少し体制を考えないといけないと思いました。
- 今の時期の新入社員や育成担当者にどんな働きかけをすれば良いかヒントをいただけた。
- OJTトレーナーへのアプローチについて考えさせられた
まとめ
自社に入社した新入社員の方々がより自社につながりを感じ活躍していくために、組織全体での育成風土が重要になってきます。OJTトレーナーだけでなくまずは自社がどういった状態か振り返っていただく機会になれば幸いです。