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キャリア研修後の行動実践率を高める方法とは?

キャリア研修後の行動実践率を高める方法とは?

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著者

青木 美奈

著者

青木 美奈

株式会社NEWONEに新卒入社。研修をメインとして、人材育成・組織開発のHRパートナーとして従事。新入社員・若手から管理職まで幅広い階層の研修設計を支援。特に女性活躍、ダイバーシティ推進に注力している。社内では、メソッド記事の作成を推進している。

NEWONEでは、あらゆる企業のご希望やお悩みにあわせた
多種多様な研修を取り扱っております。

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企業によるキャリア自律支援の重要性が強調されるようになり、キャリア研修を導入される企業様も増加傾向にあります。そんな中、キャリア研修を実施した後、いかに行動実践につなげていくか、という課題感が各社様からよく聞かれます。

そこで今回は、キャリア研修後の行動実践率を高める方法を3つのステップに分けてご紹介します。

※本内容は、2024年3月13日実施したセミナー「キャリア研修後の行動実践率を高める方法とは?」の内容をまとめたものです

行動実践率を高める キャリア研修施策設計のステップ
①WHY?:そもそも、自社にとってキャリア開発を進める意義は何か?
②WHAT?:何をもってキャリア研修のゴールとするのか?
③HOW?:どうやったら行動実践が進むのか?実践しやすいゴール設定とは?

①WHY?:そもそも、自社にとってキャリア開発を進める意義は何か?

そもそもなぜ近年、こんなに「キャリア」に注目が集まっているのでしょうか?

背景は大きく6つあります。

背景① 「人生100年時代」と言われるように、自分達の人生はさらに長くなる
背景② 人的資本にも注目が集まっている通り、日本全体の労働人口は減少し、働き手の確保が求められる
背景③ 世の中の変化が加速しており、変化に対応できないと企業寿命も短命になると予想される
背景④ 職業寿命も短命化が予想されており、一人ひとりも変化に対応することが求められる
背景⑤ 若手層を中心に労働観は変化しており、1つの会社での終身雇用が前提ではなくなってきている
背景⑥ キャリア自律している人の方が、働いている際のパフォーマンスが高い

では、自社でキャリア開発を進める意義とはなんでしょうか?

キャリア施策を考える際には、自社が本当に解消したいこと、ゴールを明確にすることが重要です。

各社、課題感や従業員への期待はそれぞれ違っています。だからこそ、自社が本当に解消したいことは何か、キャリア施策を通してどんな理想状態を描いているのかを明確にすることが重要です。

②WHAT?:何をもってキャリア研修のゴールとするのか?

現在、日本社会全体で、メンバーシップ型からジョブ型に転換していっている過渡期にあり、キャリア形成のあり方がこれまでの会社主導のキャリア形成、キャリア保障から、個人主導のキャリア形成、組織と個人が対等な関係になってきています。

今後は、組織と個人が対等になっていき、社会の中でキャリアを築いていく、ジョブ型への変化を前提としてキャリア研修のゴール設定をすべきですが、過渡期である今は、ジョブ型を見据えたゴール設定をするには難しさも伴います。

では、何をもってキャリア開発のゴールとするのが良いでしょうか。

ゴールによって研修の内容も変わりますし、その結果、研修後の行動が変わってきます。

そのため、研修後に狙いたい行動や受講者から出てきてほしい発言を具体的にイメージして、ゴールを設定することが重要です。

③HOW?:どうやったら行動実践が進むのか?実践しやすいゴール設定とは?

キャリア研修後の行動実践が上手く行かない要因は大きく4つあります。

①今と未来との乖離

10年先のために頑張る、はよほど強い意志がないと行動に起こせません。特に、イマドキの若手世代の方々はタイパ世代でもあるため、10年先のことを考えて、今自社で出来ないことがあるのであれば転職しよう、と考える人も多いでしょう。

②やってもやらなくても一緒、Mustではない

役割定義等とは異なるため、キャリア自律を目指して行動をしても、評価されることがなく、個人のためにやることとなると、どうしても気が重たくなってしまいます。

③新しい行動は重たく、第4領域なのでやれない

仕事時間の中でキャリア自律に向けての行動を起こすことは、どうしても優先度が下がりがちです。とはいえ、余暇の時間を費やして行動をするほどでもない、と考える人も多く、行動につながりにくくなります。

④前に進む感覚がない

手ごたえが掴みにくく、キャリアが前に進んだ、と思いにくいことから、行動を起こす動機が少なくなってしまいます。

行動実践が上手く行かないポイントを乗り越え、行動実践を促すための施策例をご紹介します。

感覚値になりますが、モヤモヤした状態で現場に帰るほうが数ヶ月後に再びお会いすると行動実践につながっていることが多いということもありますし、「違和感を自分で抱き」「少しだけ何かを変えてみて、振り返り手ごたえを得る」というような短期間、高頻度での施策実施がポイントです。

上記に関する研修の仕掛けとしては、研修内での対話からキャリアについて考えるアンテナを高めた上で、日常に戻った時に何を大事にしていきたいか、どんなことに対して楽しいと思うのかを持論化していただいた上で、現場実践をしていただきます。その後、そう遠くない時間を置いた上で、改めてフォローアップ研修等の場で集まることで、自身の行動の変化の手ごたえを感じやすく、キャリアに対する持論が磨かれていきます。

このように、行動実践を促すためには、複数日程で職場実践期間も含めた研修設計が理想的ですが、現実問題、1日程でしか開催出来ない場合も多くあるでしょう。1日程でもできる工夫について、2つご紹介します。

①短期スパンでちょっとした行動目標を設定

例えば、自分にとっての心理的成功を獲得するための実践行動を考えてみる、1,2ヶ月スパンで実践できる行動を考えてみる等、ちょっとした行動を短期スパンで起こしてみるアクションを研修の最後に設計することがポイントです。

短期スパンのちょっとした行動であれば、実践する際のハードルが下がり、行動した手ごたえも感じやすくなります。

②行動を実践するコミュニティづくり

①のような小さな行動を実践する背中を押すために、コミュニティづくりをすることも効果的です。

これは、グループで実践することを宣言し、事後課題としてグループで振り返りミーティングを実施、まとめ資料を提出するという仕掛けになります。

人事が評価する者ではないという前提をお伝えした上で、グループで1つのアウトプットを出させることがポイントです。

人は、誰かに宣言をすることで、行動にコミットすることができると言われています。人間は、宣言することで、周囲から本当に行動して変わったな、と思われたい生き物なのです。

また、上司を巻き込むケース、というのも考えられますが、キャリアに関する内容は少し繊細であり、昨今は本音のキャリアについて上司に語れない、という方も多いので、上司への宣言ではなく、受講者同士でグループを組んで行動を宣言し、お互いに実践していることを共有する機会を設ける方を推奨します。

NEWONEでは、エンゲージメント向上をはじめとした
人・組織の課題解決のヒントとなるセミナーを開催しています。

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セミナーアンケート(一部抜粋)

  • 各社ともに悩んでいることがわかった。少しヒントを頂けたので、今後の研修に役立てたい。
  • 重要なテーマを設定いただき有難うございます。現場の肌感覚を吸収できたように思います。
  • 業界が違う方がお集りになられ、数々の意見や実施していることを聞けて、自分にも実践していこうと思うことがありました。
  • モヤモヤしていた部分が少し晴れた
  • 参加者の方々の気になるポイントが弊社と似ており、参考に聞けました。

登壇者の声

自分自身の経験として、会社からのアクションプランシートはいつも「山登り」のプランを問われてばかりなのに、自分の人事異動やキャリアは全く持って思い通りにいかなかったという記憶があります。

また、上司に思い切って方針を話してみたら「そんなことよりこっちの仕事をやって欲しいと思ってるよ」と言われた瞬間に「あ、会社の望む答えしか言っちゃいけないんだな」と落胆したこともあります。昔よりも変化が激しく、簡単に転職もできる時代、キャリアへの向き合い方、ひいては人材への「企業のスタンス」をアップデートすることが求められていると痛感します。

まとめ

今回は、キャリア研修後の行動実践を促すためのステップをご紹介してきました。行動実践を促すためには、WHY、WHAT、HOWの各ステップを自社ならではの観点を含めながら設計することが重要です。

キャリア研修のそもそもの課題特定から設計まで、NEWONEでは伴走しながらのご支援を強みとしております。

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