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今日からできる、24年度新人オンボーディング ~データから紐解く成功に導く3つのポイント~

今日からできる、24年度新人オンボーディング ~データから紐解く成功に導く3つのポイント~

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24年度の新入社員育成について、導入研修は順調に終えられたでしょうか。

人材流動化が激しい現代では、就社意識が低下している若手の傾向を捉え、適切な育成をすることが求められています。今回は、新入社員の最新傾向を整理し、定着率を高めるオンボーディング設計についてお伝えしていきます。

◆こんな方におススメ
・新人研修の効果/成果を上手く定義できていない
・24年度の新入社員傾向をキャッチしてフォローやOJTに活かしたい
・イマドキ世代に合わせたフォローアップを実施していきたい
・新人の早期離職が気になっている

(※本内容は、2024年5月22日実施セミナーの内容をまとめたものです)

オンボーディングの現状

 新入社員研修を終え配属を迎えられた企業様も多いと思いますが、新入社員の方のご様子はいかがでしょうか。配属後の新人の様子を人事が見続けることは現実的に難しく、気が付いたら新人が1人、また1人と消えていた、という状況もあるかもしれません。人材流動化が進んでいる中で、イマドキ世代に合ったオンボーディングが求められています。まずは、最近の育成環境や新入社員の傾向をおさえていきます。

①人材流動化による影響

 昨年のデータになりますが、新入社員が4月時点で転職サービスに登録した数が約10年前と比較して約30倍に増加したというデータが話題になっています。これまでの若手は、就職活動中「終の棲家を見つける」という感覚を強く持っていました。しかし、人材流動化の激しい現代では、「片足を上げたまま”いったん”入社する」という意識が強いのです。新入社員の特性が刻々と変化してきているため、これまで通りのオンボーディング支援で同じ効果を発揮することは難しいと認識することが大切です。

 

 また、最近”推せる職場”というワードが注目されています。これは、職場を”働きがい”と”働きやすさ”の観点から4象限に分類したとき、両要素の値が高い(エンゲージメントが高い)職場を意味します。興味深いことに、“優しすぎる職場”は“ストイックな職場”より転職意向が高いというデータが出ています。働き方改革のもと働きやすさを探求されてきた企業様も多いと思いますが、最近は「働きやすければ良い」だけでは定着率は上がらないのです。

“推せる職場”に関する定量調査はこちらから

②24年度新入社員の傾向変化

 私たちが研修で直接関わらせていただく中で見えてきた傾向として、「優秀層とそうではない層の差が大きくなっている」という傾向がありました。コロナ禍で大学生活を過ごされてきた今年の新入社員は、行動制限でコミュニティに所属できない等のネガティブ傾向が表出している層もいれば、むしろコロナ禍の変化をうまく使いこなして、多くの機会を入れたポジティブな傾向が表出している層もいます。新入社員研修の1か月の間でも、ネガティブ層とポジティブ層が二極化している企業様も多くいらっしゃいました。この二極化を防ぐうえで、抑えるべき新人の特徴が2つあります。

(1)環境依存傾向が強い

 実際にあった例として、1分でも研修時間が過ぎたら「この1分って残業時間に入るんですか?」と権利を主張した受講者がいらっしゃいました。環境に対してルールを求めることが悪いという意味ではないですが、こうしたスタンスだと環境への不満を抱きやすくなってしまいます。

(2)仕事の意義への憧れが過度に高い

 「ご飯を食べるための仕事(ライスワーク)」だけではなく、「人生を通して成し遂げたいミッションを達成するための仕事(ライフワーク)」を求める人が増えています。キャリアへのアンテナが高まっているため、「仕事は意義を持って楽しくやるものだ」という憧れも強くなっています。こうした傾向が過度に出てしまうと、「自分にはまだまだ足りてないんじゃないか」と基準をどんどん高くしてしまい、環境に満足しづらくなるという難しさを抱えます。

上記の環境不満足が生まれる要因として、①いても無駄②言っても無駄という2つの感覚があると考えています。「いても無駄」とはいわゆる”キャリア不安”を意味します。「この環境にいてもなかなか市場価値が高まらないんじゃないか」「あの先輩ようなキャリアを歩子tになるのか…」という状態です。「言っても無駄」は”関係性不満”を意味します。「昔からの考え方に馴染まないといけない」「皆忙しそうで放置される…」という状態が続くと他の環境の方が魅力的に見えてきます。これらの”無駄”を防ぐためのオンボーディングとして、会社と新人の双方向から主体的な行動が重要です。

今日からはじめるオンボーディング設計の3つのポイント

 これまで見てきた傾向を踏まえて、オンボーディング設計するうえで抑えるべきポイントを3つに分けてご紹介します。ちなみに、このポイントの根拠となるものが弊社の「PANAIサーベイ」の調査結果です。これは、研修後や配属後のタイミングでアンケートを実施することで育成の効果を数値化し、研修の”やりっぱなし”を防ぐツールです。今回は、約20社の新入社員140名に対して回答していただいたサーベイ結果をもとに、オンボーディングの設計ポイントを説明します。

ポイント①「キャリアイメージ」の明確化

 PANAIサーベイの結果をみると、ハイパフォーマーとローパフォーマーで特に差が出た項目が「入社1年後のキャリアイメージが前向きに描けているかどうか」でした。キャリア不安による「いても無駄」を防ぐ効果的なアプローチとして、①新入社員に向けたもの②環境に向けたものの2つがあります。1つ目の”新入社員”に対しては、環境依存から環境活用への意識に転換し、自己決定意識を醸成することが必要です。「自分の工夫次第で、豊かなキャリアはいくらでも築ける」と気づくことで、仕事の内容や環境を主体的に捉え直すことができます(参考:ジョブクラフティング)。2つ目の”環境”に対しては、社内キャリアモデルの最低基準と最高基準を明示することが重要です。キャリアの基準は、低すぎても高すぎてもうまく機能しません。具体的には、エース社員のインタビュー動画などで上限を高めつつ、「これくらいはできないと職場に来てほしくない」という最低基準を示すことで、「組織肯定感」につながります。

ポイント②「期待ズレ」の防止

 オンボーディング設計において失敗を生む大きな要素として、”期待ズレ”が存在します。PANAIサーベイ結果から、上司評価と自己評価がズレている層がいることがわかります。最近は新入社員と関わる上で世代間ギャップやハラスメントを恐れる上司が増えており、距離感のあるかかわりが新入社員の”期待されている感を低下させています。それが成長実感やモチベーションの低下に繋がることもあります。新入社員が他者からの期待を正しく捉えられるように、必要なフィードバックを行ったり、適切な難易度の目標を設定したりすることが重要になってきます。

ポイント③「職場全体」での受け入れ

 職場での育成を1対1ではなく、1対(1+n)の育成を意識すると、全体で育成風土が醸成され強い組織を作ることができます。職場ぐるみの育成を機能させるうえで、全体で共通言語(新入社員の目標やアクションの共有)を持つことが重要です。例えば、トレーナーや課長層が新人と同じ研修を一緒に受け、お互いに相互理解をしたり、目標や行動計画の共通認識を持つという事例があります(合同研修)。このようにして共通言語をつくることで、自発的な良いかかわりが増え、全体育成が機能するようになります。

NEWONEでは、エンゲージメント向上をはじめとした
人・組織の課題解決のヒントとなるセミナーを開催しています。

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セミナーアンケート(一部抜粋)

  • 具体的なアクションまで知れて良かったです。関わり方を参考にさせていただきます。
  • 若手社員の退職理由でよく聞く内容が多かったため、適した研修や接し方ができていないという当社の課題を数値的に把握することができて良かった。
  • オンボーディングの考え方,アプローチの視点等を知ることが出来,大変参考になりました。
  • 何となく感じてた今年の新入社員の傾向を言葉にしていただき理解しやすかった。
  • 新人オンボーディングに関する理解を深めることができました。ありがとうございました。

登壇者の声

 入社した初月に転職サービスに登録する新入社員が増加している等、さまざまな角度から「新入社員育成(定着)の難易度が上がっている」と言われている時代において、私たちは新入社員のオンボーディングにどのように向き合うべきなのでしょうか。「配属してからが新人育成の本番だ」と言っても過言ではないくらい、オンボーディング設計の重要性は高まっていると考えています。
今回のセミナーではそのような背景をもとにオンボーディングの設計についてデータをもとにして具体的にご紹介させていただくとともに、「今年からできる一歩目」というハードル低く取り組める手法にフォーカスしてお話させて頂いたことで「まずはこれから取り組んでみたいと思います」といポジティブな声を頂いた方も多く、引き続きこのテーマについては探求し続けるべきだなと実感できました。

まとめ

 時代の変化とともに、新入社員の傾向や人材育成のトレンドが変わってきています。これまでの新入社員の「終の棲家を見つける」という感覚は、「片足を上げたままいったん入社」という意識に変化しています。例年と同じ育成をしても同じ効果は見込めないかもしれません。新入社員をオンボーディングするには、最新の傾向を捉えた上で、社員と組織の双方向の主体的な行動が重要です。

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