NEWONEでは、あらゆる企業のご希望やお悩みにあわせた
多種多様な研修を取り扱っております。
突然ですが、皆さんは、新入社員を「社会人一年生」として扱っていますか?
それとも「およそ22年間生きてきた1人の大人」として扱っていますか?
私は人材育成の業界に入ってからずっと考えてきたことがあります。
それは、新入社員や若手社員に対して、「子供扱い」している場面が多いのではないかということです。
勿論、社会に出たことのない方々に対して、丁寧に教えることや、目線を下げてあげることは必要です。
また、対人関係のスタンスには個人差があり、それは各々の哲学ともいえるものなので、全く否定するつもりはありません。
それに、主張と矛盾するようですが、人事様が思わず「新人の子」と言うときには、私も「ああ、この方はとにかく新入社員のことがかわいいんだな」と朗らかな気持ちになります。
私は4月、たくさんの新入社員研修にファシリテーターとして登壇させていただきました。
通底して大事にしたのは、「新入社員の皆様を、ひとりの大人として対等に扱う」ということです。
例えば、研修会場でのマナーについて、
A:「廊下では騒がないでください。社会人として当たり前の行動を心掛けてください」と言う(私は立派な社会人で、あなたはまだ違うと線を引く)
B:「皆さんは良識あるひとりの大人として、今ここにいる。廊下で騒がない等、わざわざ言われるまでもないことは皆さん自身の良識に任せられると信じています」と言う(私もあなたも同じ大人として、同じ土俵に載せる)
例えば、社会人と学生の責任の違いを伝えるとき、
A:「学生から社会人になると、会社員としての責任が生じます。会社の看板を背負っていることを忘れないでください」と言う(これまでの人生からの転換を意識させる)
B:「学生から社会人になると、会社員としての責任が生じます。しかし皆さんは今まで22年間、自分の人生に責任を持って生きてきたからこそ、自分で考えて行動できると信じています」と言う(これまでの人生とのつながりを意識させる)
本来Bの意識でいる方も、ついついAの言い方になっていないでしょうか。
我々は、主体性を奪われる=自己決定権を奪われることを嫌って生きてきたはずです。
・勉強しようと思っていた矢先に、親から「勉強しなさい」と言われた
・学校の先生に、進路は○○大学の方がいいと押し切られた
・上司から有無を言わさず仕事を与えられ、意味も分からないまま取り組んだ
それなのに、ついつい対新入社員、新入社員研修という場面では、自分も同じ穴の狢になってしまいます。
これは恐らく、「心配」や「不安」からきているのではないでしょうか。(もしくは、本人なりの愛情かもしれません)
しかし、ピグマリオン効果に代表されるように、人は「自分は信じられている/期待をかけられている」と思った時にこそ、力を発揮するものです。
ぜひ、自分の不安をそっと脇において、新入社員をひとりの大人として信じてみることからはじめてみて下さい。
そして、もし信じた基準に達していないとき。その時には、同じ大人として、率直にフィードバックしてあげましょう。