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私たちは普段、日常的に「失敗から学ぶ」「失敗を振り返る」ことはできている一方で、「うまくいったことを振り返る」ことの大切さには、まだ十分な注目が集まっていないように感じます。
実際に、私がご支援する企業様の研修現場でも、ワークや発表がうまくいったグループに対して「うまくいった要因は何だと思いますか」と投げかけても、「分からない」「たまたま上手くいった」で終わらせようとてしまうケースを目にすることがあります。
しかし、成果が出た時こそ、その背景やプロセスに目を向けることで、再現性のある成功体験としてチームや個人の資産にできるのではないでしょうか。
今回は、そんなうまくいった仕事を振り返る意義や方法について掘り下げてみたいと思います。
なぜ成功事例は振り返る習慣が無いのか
そもそも、私たちは成功を振り返る習慣が根付かない要因の一つとして、日本企業特有の慣習が挙げられます。戦後日本を牽引してきた製造業などの改善活動に代表されるように、改善活動に重きを置く文化の中で、「上手くいったことを振り返る」ことは優先順位が低くなりがちです。
また、終身雇用や年功序列が長く前提となっていた企業風土では、「昔からの上手くいった方法を繰り返すこと」が暗黙の安心安全策になっているものの、「なぜこのやり方が踏襲されているのか」を考える機会はあまりありません。
さらには、失敗事例の場合は振り返る意味が感じられるものの、成功事例の場合は「上手くいったからいいじゃないか」という思いから、振り返りや言語化のモチベーションがわかないという心理的な要因もあります。
ですが、成功事例において「なぜ上手くいったのか?」「どんな判断や工夫が功を奏したのか?」を言語化することで、成功体験は“再現可能な資産”に変わります。これは個人にとっても、チームにとっても大きな意味があります。
だからこそ、「たまたま上手くいった」で終わらせず、「なぜ上手くいったのか」を意識的に言葉にすることが重要なのです。
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人・組織の課題解決のヒントとなるセミナーを開催しています。
成功事例の具体的な振り返り方とは
とはいえ、失敗事例の場合は振り返りや反省の観点が明確であるものの、成功事例の場合はどのように振り返りをすればいいかわからないという方もいるかもしれません。
そんな方はまずは、以下のような振り返り方法を実践してみると、成功の要因が見えてくるかもしれません。
- なぜ選んでいただけたのかをお客様に聞き、その理由を振り返る
- うまくいかなかった過去の案件と、今回の成功の違いは何か?を比べてみる
- 同じような案件で「今回はなぜ成功したのか?」「何が違ったのか?」を対比する
- 提案や対応の中で、特に意識して工夫した点・変えた点を洗い出す
- 想定外の出来事があったとき、どのように対応・判断したかを整理する
上記はあくまで一例ではありますが、こういった振り返り方法を実践し、自分自身の「勝ちパターン」を積み重ねていくことで、成功の再現性を高めることができるのです。
成果は一度出せば終わりではなく、再現できてこそ本当の価値を持ちます。
だからこそ、「何が上手くいったのか?」「どんな判断や工夫が効果的だったのか?」といった成功のプロセスを言語化することが重要です。
ぜひまずは、最近うまくいった仕事を一つ思い出し、「なぜ上手くいったのか?」を振り返ってみてください。
その小さな積み重ねが、個人の成果だけではなく。成果の再現性のあるチームや組織作りにつながっていくのです