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研修の場は、学びを得るだけでなく、受講者自身が主体的に考え、行動する力を引き出す貴重な場です。
しかし、受講者の主体性を伸ばすはずの研修が、逆に受講者を「受け身」にさせてしまうことがあります。その要因の一つに、事務局側の「気遣い」があるかもしれません。
たとえば、研修開始時に「お忙しい中、ありがとうございます」と挨拶したり、休憩中に扉を開け閉めして受講者をサポートする行動。これらは親切である一方で、受講者に「自分たちは参加させられている」という無意識の受け身姿勢を植え付けてしまう可能性があります。
また、研修中に「困っていませんか?」と頻繁に声をかけたり、発言に詰まった受講者をフォローしすぎることも、主体的に考える機会を奪うリスクをはらんでいます。
こうした「気遣い」は、意図せずに受講者の依存心を助長し、「自ら考え、行動する」という研修の本質を損なう可能性があります。だからこそ、人事担当者には、意図的な引き算の姿勢が求められます。
意図的な引き算とは何か?
意図的な引き算とは、あえて手を出さず、受講者自身が考え、動く余地を残すことです。
たとえば、研修前の挨拶を「この場を最大限活用して、皆さん自身の学びを深めてください」と主体性を促すメッセージに変えるだけで、受講者の姿勢は大きく変わります。
また、研修中に「困ったら隣の人と相談してください。その後で私たちを頼ってください」と伝え、まずは自分たちで解決しようとする意識を育む工夫も有効です。
さらに、研修休憩中の配慮も見直すべきポイントです。たとえば、昼食の手配や席の指定など、過剰な「お膳立て」を減らし、「自由に過ごしてください」とだけ伝えることで、受講者の自己管理能力や自主性を引き出すことができます。
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なぜ意図的な引き算が必要なのか?
受講者の成長は、受講者自身が学びの「受け手」から「創り手」へと役割を変えるプロセスの中で生まれます。この変化を促すには、あらゆる場面での「指示待ち」状態を解消し、「自分で考える力」を育む必要があります。意図的な引き算は、そうした成長の土壌を整えるための重要な手段なのです。
もちろん、事務局側の気遣いそのものが悪いわけではありません。しかしこうした行動が「学びを受動的なものにする空気」を作り出していないか、一度振り返る必要があるでしょう。重要なのは、受講者に対して「主体的に学ぶ場を用意した」と伝えるスタンスです。
事務局側ができる第一歩
意図的な引き算を実践するために、人事担当者がまずできるのは、自分の行動が受講者にどのような影響を与えているのかを見直すことです。
そして、気遣いの手を少し引き、受講者が「自ら考え、行動する場」を意識的に増やしていく。この小さな変化が、受講者の学びの質を飛躍的に高めることにつながるはずです。
研修は学びを「与える場」ではなく、受講者から主体性を「引き出す場」へ。意図的な引き算で、受講者の新たな可能性を引き出していきましょう。