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目次
多くの企業が「持続的成長」や「優秀な人材の確保」、「人的資本経営実現」を目指して社員のエンゲージメント向上に取り組んでいます。
しかし、エンゲージメントサーベイの結果を職場単位でフィードバックし、現場管理職に任せた改善活動では、人的リソースの制約から実効性が十分に得られないケースが多いのが現状です。
本記事では、形骸化しがちなエンゲージメントサーベイを職場改善に活用するための「推せる職場づくり支援」プログラムとその実践事例を通じ、効果的なPDCAサイクルの確立方法をご紹介します。
(※本内容は、2024年10月24日実施セミナーの内容をまとめたものです)
エンゲージメント向上における典型的な落とし穴
人事様とお話している中で、「エンゲージメントサーベイの結果をうまく活かせない」というお悩みを聞きます。
皆様は、エンゲージメントサーベイを活用する上で、7つの落とし穴にハマっていないでしょうか?
- エンゲージメントサーベイをとるだけの罠
- たくさん与えて、受け身にする罠
- ③手段に目が行き、目的が曖昧になる罠
- ④平等に囚われて、刺さりが悪くなる罠
- ⑤キーとなる結節点である管理職を巻き込まない罠
- ⑥そもそもの信頼関係がなく進められない罠
- ⑦やりっぱなしの罠
エンゲージメントサーベイ導入における典型的な落とし穴は、様々です。
サーベイ結果の数値を見ても、その原因分析が行われていない場合、表面的な施策に終わってしまうケースや、何が課題で、何を改善すべきか明確にしないまま、様々な施策に手を出してしまい、結果的に的外れになるケースもあります。
また、全社員に対して平等に施策を行うことは重要ですが、社員一人ひとりのニーズや特性は異なります。現場の管理職が各メンバーの特性に応じたコミュニケーションを取れるようにすることが鍵ですが、それが実現されていない企業様も多いです。
エンゲージメント向上に向けた解決策
こうした課題を解決するため、3つのポイントが重要だと考えます。
1. データの活用と継続的なアプローチ
エンゲージメント向上は一回の施策で完結するものではありません。サーベイ結果をもとに、PDCAサイクルを回しながら改善を図っていくことで、継続的にエンゲージメントが高まります。サーベイは数値化されたデータを示すだけでなく、社員や管理職へのヒアリングも合わせて実施し、現場の実態を把握することが重要です。
2. 管理職を巻き込んだ改善活動
管理職はエンゲージメント向上のキーパーソンであり、彼らが中心となって改善活動を推進することが欠かせません。管理職の方には、サーベイ結果の解釈や具体的な行動計画の立案を習得して頂く必要があります。また、経営層のメッセージを定期的に共有することで、エンゲージメント向上の意義を全社に浸透させる取り組みも効果的だと考えます。
3. 職場単位でのアプローチ
エンゲージメントは個人の特性や職場の特徴により大きく異なるため、全社的な施策だけでなく、職場ごとの特徴に応じた対策が必要です。部門ごとにエンゲージメントの課題や強みを分析し、それぞれに最適な施策を提案することで、職場単位での改善が進みやすくなります。
NEWONEでは、エンゲージメント向上をはじめとした
人・組織の課題解決のヒントとなるセミナーを開催しています。
実施事例:急成長企業でのエンゲージメント向上施策
急成長するエンターテインメント系の企業様では、社員数の急増に伴い組織体制が追いつかず、エンゲージメントの数値が固定化しつつありました。この企業様では管理職がプレイヤーとしての役割が強く、組織運営においてリーダーシップを発揮する必要がある状況でした。そこで、以下のような取り組みを行いました:
1. サーベイ結果の深掘りと原因分析
サーベイ結果を詳細に分析し、管理職や現場からのヒアリングを通じて、エンゲージメントの低さがどのような要因によるものかを特定しました。また、エンゲージメントとパフォーマンスの関連性を明確にし、具体的な改善策を見出しました。
2. 管理職向けのワークショップ
管理職を対象に3回のワークショップを実施し、サーベイ結果に基づいた具体的なアクションプランを立案・実行しました。また、実行後には成果や課題を評価し、次の改善策に繋げるサイクルを構築しました。各職場でのワークショップも並行して行い、職場ごとに改善プロセスの「型」を共有することで、現場改善を加速させました。
3. エンゲージメントとパフォーマンスの両立を目指した施策
エンゲージメントを向上させると同時に、職場の業績や成果も高めるための施策を重視しました。推せる職場診断を活用し、業績とエンゲージメントの向上を目指す全社的なアプローチを実施。半年間にわたる取り組みの結果、エンゲージメントスコアや生産性の向上が確認され、退職率も改善されました。
終わりに
エンゲージメント向上を目指すためには、単にサーベイを実施するだけでなく、そこから得られたデータを基に改善施策を立案し、継続的な対話と行動計画をもって現場で実行していくことが重要です。
また、管理職を巻き込み、職場単位でのアプローチを行うことで、エンゲージメントとパフォーマンスの両立を実現することができます。「推せる職場づくり」プログラムは、こうしたエンゲージメント向上に必要な実効性の高い施策となると考えます。
登壇者の声
エンゲージメントサーベイを出発点としたエンゲージメント向上活動に取り組まれている企業様は多くいらっしゃいます。ただ人事部として各職場単位の職場改善にまで入り込むことは困難であり、結果として全社に網をかける形で調査とその結果のフィードバックまでは実施しているものの、職場改善活動は現場任せとなってしまっている企業様が非常に多い印象です。現場の管理職を巻き込み職場改善の進め方を型化するワークショップを実施し、そのプロセスや成果を横展開することで実効性あるエンゲージメント向上活動にしていっていただければと思います。
エンゲージメントサーベイを導入されている企業様は多いものの、サーベイの結果分析や施策策定、現場への落とし込みには課題を感じている企業様が多い印象です。サーベイ結果を活用し、職場単位での改善に繋げるには経営層・人事、現場層が相互理解をしながら一体となり、施策を進めることが重要だと考えられます。ぜひ社内で共通認識を図りながら進めていただければと思います。
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