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不文律の吐き出しから始まる理念浸透

不文律の吐き出しから始まる理念浸透

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著者

渡部 亮太

著者

渡部 亮太

株式会社NEWONEに新卒入社。研修をメインとして、人材育成・組織開発のHRパートナーとして従事。新入社員の育成体系構築から、管理職主導の組織開発まで支援。社内ではスキルの可視化等、若手が自律的に成長する仕組みづくりを行っている。

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近年、パーパス経営の重要性が高まっています。企業の存在意義を明確にし、社会貢献を軸とした経営手法が注目を集める中、多くの企業がパーパスの浸透に関する相談を寄せるようになりました。

しかし、パーパスを組織に根付かせ、真の変革を実現するためには、単なる理念の共有だけでは不十分です。その鍵となるのが、「不文律の吐き出し」という重要なプロセスです。

不文律とは、組織内に存在する目に見えない文化や慣習のことを指します。
これらは長年の歴史の中で自然と形成され、社員の行動や意思決定に大きな影響を与えています。パーパスの実現を目指す上で、この不文律の中に潜む障壁を認識し、変革していくことが不可欠だと考えます。

例えば、ある製造業の企業では、「品質第一」をパーパスに掲げていましたが、実際の現場では納期を優先する不文律が存在していました。この矛盾に気づき、組織全体で議論を重ねることで、品質と納期のバランスを取る新たな方針が生まれ、真のパーパス実現への道筋が見えてきました。

他にも、あるIT企業では、「革新的なソリューションの提供」をパーパスに掲げていましたが、実際には前例踏襲の文化が根強く残っていました。不文律の吐き出しセッションを通じて、この課題が明確化され、新しいアイデアを積極的に評価する制度の導入につながったという事例があります。

このように不文律の吐き出しは、組織の現状を見つめ直す機会となります。

この吐き出しのプロセスを通じて、社員一人ひとりがパーパスと現実のギャップを認識し、変革の必要性を実感することができます。このようなプロセスを通じて、パーパスは単なる掛け声ではなく、組織のDNAとして根付いていきます。パーパス経営の真の力を引き出すためには、理想と現実のギャップを認識し、それを埋めていく勇気が必要です。不文律の吐き出しは、その勇気を形にする重要なステップだと考えます。

パーパスの実現は簡単なものではなく、誰か一人の力で叶えるものでもありません。

理想の未来を実現するために、まずは現実と向き合うために不文律を吐き出してみることが重要ではないでしょうか。